横須賀うわまち病院心臓血管外科

お気軽にコメントいただければ、一般の方の質問にも心臓血管外科専門医が答えます。

腸骨動脈瘤の手術適応のサイズは

2021-05-06 11:49:00 | 大動脈疾患
 毎週木曜日に行っている心臓血管外科のズームカンファレンスで受けた質問で、腸骨動脈瘤の手術適応のサイズと何歳まで手術可能か、というのがありました。
 腸骨動脈瘤の一般的な手術適応のサイズは3cmです。だいたいご高齢の患者さんが多いので、定期的にフォローアップしてこれ以上年を重ねる前に手術した方が望ましいというタイミング、拡大の速度、患者さんのADL、治療意欲などをみながら総合的に判断するとともに、患者さんおよびご家族の希望も聞いて手術適応とするのかどうかを最終的に決定しています。
 腸骨動脈瘤のみの場合は開腹せず後腹膜アプローチからの人工血管置換でより低侵襲に治療可能ですし、最近はステントグラフトでうまくいく症例もありますので、術式に関しても患者さんのADLなどを見て相談しています。

 基本的に寝たきりの患者さん、ADLが自立していない患者さんについては手術はお勧めしていませんが、社会的な事情やご家族の強いご希望があれば相談には応じています。
 腸骨動脈瘤に限らず他の心臓血管外科手術症例についても個別の適応については相談しています。
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