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がん組織の挙動を体外で観察できる基板を開発

2018-10-15 | 医学
 北海道大学宮武由甲子助教、同高等教育推進機構の繁富(栗林)香織特任准教授らの研究グループは、培養がん細胞が自ら微小ながん腫瘍組織を形成、成長しながら動き回る様子を観察できるマイクロナノ基板を開発した(9月25日)。
 がん腫瘍組織(別名;悪性新生物)は、あたかも一つの飢えた生き物のように餌を求めて這いずり回ることが、本研究によって明らかとなった。この開発した基板を用いることにより、がん腫瘍組織の攻撃的かつ戦略的といえる挙動を世界で初めて動画で捉えることに成功した。
 研究グループが独自に開発したマイクロナノ基板の上で膵がん細胞を培養し、どのような挙動を示すか、病態生理学的な観点から解析を行う。顕微鏡の画像を動画撮影し、細胞の動態を観察した。その他、重症複合免疫不全症のマウス(SCID マウス)の腹部に同じ膵がん細胞を注射し、形成される膵がん腫瘍組織との比較も行う。さらに、基板上で形成された膵がん腫瘍組織が、がん細胞を攻撃する免疫細胞の一つであるNK細胞に認識されるかどうかを、両者を同じディッシュ上で培養することで確かめた。
 動画撮影により、膵がん細胞はマイクロナノ基板の上で足場を作りながら、細胞が細胞を取り込みポリープ状に成長、微小な膵がん腫瘍組織を形作ることが分かった。さらに免疫細胞であるNK細胞は、基板上で形成された膵がん腫瘍組織を認識できなかった。基板上に足場を持った膵がん腫瘍組織は、触手をのばして這いずり回り、周辺の死んだ細胞を積極的にむさぼり喰らい、成長した。さらにまるで食べ残しのように、死んだ細胞だけが表面に出す分子を自らの体表面にたくさん蓄積させている様子が観察された。免疫細胞は死んだ細胞を攻撃しないので、この膵がん腫瘍組織は結果的に「死んだ細胞のふり」をすることで、NK細胞の攻撃から免れていると考えられる。
 今後への期待
 本研究で開発したマイクロナノ基板上でがん細胞を培養すると、実際に生体内で形成される可能性の高いがん腫瘍組織の本来の姿を再現できることが分かった。マイクロナノ基板はシンプルな技術で大量生産も可能なため、今後動物実験に頼らない・効率がよく安価な創薬開発に貢献することが期待される。
 ◆マイクロナノ基板
 微細加工技術により北海道大学が独自に開発したもの(特許申請中)。
 本研究では細胞培養ディッシュの底に見えているガラス基板を用いる。
 マイクロサイズの微小領域(1マイクロメートルは、1ミリメートルの1000分の1の長さ)と、ナノスケールの凹凸(1ナノメートルは、1マイクロメートルの1000分の1の長さ)を持ったパターニング基板となっている。
 ◆NK細胞
 ナチュラルキラー細胞(ナチュラルキラーさいぼう、英: natural killer cell、NK細胞)は、自然免疫の主要因子として働く細胞傷害性リンパ球の1種であり、特に腫瘍細胞やウイルス感染細胞の拒絶に重要である。
 細胞を殺すのにT細胞とは異なり事前に感作させておく必要がないということから、生まれつき(natural)の細胞傷害性細胞(killer cell)という意味で名付けられた。形態的特徴から大形顆粒リンパ球と呼ばれることもある。

 今日も晴れ。気温は日ごとに低くなり、秋到来を知らせる。
 近所の畑で、派手な葉っぱが目立つ”ハゲイトウ”を見る。”ケイトウ”は花を観賞するが、葉を観賞するのが”ハゲイトウ”。”ケイトウ”と”ハゲイトウ”とは同じヒユ科であるが、異なる属なので、親戚程度だな。
 ”ハゲイトウ”には、いくつかの品種があり、葉が緋赤や黄の単色のもの、赤・橙色・黄の複色になるタイプがある。畑の品種は、葉が鮮やかな緋赤色”アーリー・スプレンダー”かな(確信なし)。
 ハゲイトウ(葉鶏頭)
 別名:雁来紅(がんこうらい)
 ヒユ科ヒユ属(アマランサス属)
 一年草(草丈は1.5m~2m)
 原産地は熱帯アジア
 鑑賞期は7月~10月


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