風さんの今日の詰碁

おかげさまで五年目に入りました^^。
きときと碁界の話題も提供していきます。
一緒に囲碁の世界を楽しみましょう。

布石の研究 10 梅沢由香里女流棋聖

2010-01-31 10:13:55 | Weblog
前回のテーマ図の解答です。
黒は1の押さえの方向が好ましいです。黒3の飛びまでが定形です。
黒の模様が雄大でしょう。もちろん、白がどこかに侵入してくるのですが、いかに適切に攻めながら局面を有利に展開するか、まだまだこれからです。
ただ大きな地を作りやすい骨格を作るのは大切なことなんですね。

続いて白4と地を広げてきたら、5から7と押しましょう。
「4線を伸びさせるな→地が大きいから」という格言があるのですが、互い先の碁と違い、この場合、黒のスケールがけた外れに大きいので、気にしなくてよいでしょう。模様の大きさを身近に感じる良い機会です^^。
風が、模様が大きい(地を作りやすい・戦いやすいの意味)ですよ、と言うと、「でも入ってこられてどうせ生きられてガチャガチャにされるからなあ」とは級位者の方の悩みなんですねえ^^。
確かにその通りかも^^、でも、平行して読みを鍛えながら、白をいじめることができるように、地力をつけていきましょう。

そして黒9あたりに芯を入れる(地を作りやすくして、白を入りにくくさせる意図)ことも大切です。
模様はただ広げるだけでなくて、相手から打ちこみにくくするのです。
理想の形とは何か、経験値を高めて少しずつ理解に努めるようにしましょう。

続いて下図



前回図同様、黒1は左辺重視の感覚手でしたね。この局面では黒3の時に白4が
絶好の開きとなります。最初の図と比較してみましょう。違いをお分かりいただけると思います。

また



黒3と白F3の石を攻めたくなる人も多いです。黒1からは3とかける(と表現します)形が好形で、決して悪い手ではありません。
この時、白から4とあてこむ(と表現します)手段があり、白6のハネも好形、この手順を嫌って高段者たちは打たないのです。

ただ黒7以下、今度は5線を伸びさせて^^白地は一路多く増えるのですが、黒13あるいは黒17となれば、やはり黒の模様が大きく、黒が打ちやすい局面でしょう。

白地をあまり増やさないで、上図の黒3のカケが良い手段になる例をあげておきましょう。
下図です。



三三の白の手に対して、知らん顔をして黒1のカケ(と表現します)がおすすめの手段です。黒3と両方打って、少々の地は気にしない「中央制圧作戦」ですね^^。「斜めに来たらご挨拶」の例外編でもあります。
また



黒1からカケても似たような手順になりそうです。
置き碁では特に有力な手段と覚えておきましょう。どんどん試してみてください。

ただどんな手段にも言えることですが、たとえば「二段バネ」とか、有力ということは、相手からすると厳しい手段になるので、反発も十分考えられます。つまり基本形のように一本道ではなくて、白の対応も変わってくることが予想され、変化が多いということになりますね。つまり上級者向けの説明になってしまいがちです。

したがって初級者向きではないところが、紹介するときに風にとっての悩みの種になるのですが^^。でも右から左に受け流されないように、少しでも印象に残していただけるよう頑張ります^^。

では今日のテーマ図です。黒番です。数手の手順を考えてみましょう。



左下の白三三に対して、黒は右隅黒1の封鎖を選びました。この手はある厳しい狙いを秘めています。攻撃方法のスタイルを増やしていくためには知っておいてほしい手段です。
手順はすすみ、そろそろ決行のタイミングでしょう^^。
AからDの中で、どの手でしょう。白の眼形をなくす感覚です。

小休止

きときと碁界に縁の深い棋士はいつも応援しているのですが、そのうちのお一人梅沢由香里女流棋聖が、先日の三番勝負で敗退されました。
三年続けて保持されていたので、愛着度もひとしおだったろうと推察してます。

「つれづれ日記」のカラオケの熱唱は後ろ姿だけに、やはりさびしさが感じられますね^^。

先日、先生と電力会社の会長さんとの対談を読む機会があったのですが、その中で棋聖戦はぜひ防衛したいとおっしゃっていたので、さぞ残念だったことでしょう。
「わたしは落ちこぼれなんです」の言葉も印象的、そして思いがけず、会長さんの人格も伝わってくるよい対談でした。

おそらくは囲碁の普及に関しても碁界の第一人者と言える人だけに、全国を飛び回る中で自分のことだけでなく、いろいろなことに思いをめぐらされての無念さだったろうと推察します。

長く最前線を走ってこられてるだけに、家族やご自分の夢を大切に、のんびりと過ごしていただきたいとも思うし、普及が急がれる時代において、まだまだ両輪で頑張って!と願う気持もあり、風の心境も複雑なんですねえ^^。

ともあれ、4月にはきときとジュニア&パパママさんたちそしてファンが再会を心待ちにしていることでしょう。捲土重来、きときと帰りは良いことがあるので、みなさんでお待ちしています。

布石の研究 9 日本一の機関誌

2010-01-30 01:39:57 | Weblog
前回のテーマ図です。

黒2の押さえが良い方向ですね。
以下白9までが基本形です。最後の黒10は手抜きも可能ですが、白F3の動きを制限して本手(後手でも立派な一手という意味です)です。黒K4との間合いも適切で、おすすめの構えです。
右方の黒石の配置が絶妙で、黒模様がとても大きいでしょう^^。

布石の段階では、特に置き碁の場合、白を隅に追いやる感覚がいいですよ。隅の地は譲っても、中央の広さの価値が数倍勝るんですね。

一方下図、



黒2とこちらから押さえるのは左辺を重視した感覚になります。
ただこの場合、左辺の星D10周辺に黒石がありません。
すると黒10まで外壁を作った時、白11と絶好の割打ちをされてしまいます。

このあと黒12と開いても、黄色の線で囲った地はあまりにも小さいですね。これでは外側の黒2から10の壁が泣いてしまうということになってしまいます。

また



黒6と開きを優先する手も、白7とこのラインを出られては、やはり黒の地はそう大きくはなりません。乱暴なホワイトなら8と打ちこんでくるかもしれませんね。

上の図で紹介したように、どちらから押さえるか、周囲の黒の配置を見てから決めるのです。大きくなりそうな方面から(この場合、下辺から右辺にかけて)押さえましょう。
特に、どちらから押さえるか、目安の黒石はK4の星(この石を活かす感覚)があるからと考えてください。

では今日のテーマ図です。前回の類似図ですから、簡単でしょう^^。
では黒A,そして白Bとなるものとして、その次の一手を考えてください。




小休止

当地では、県碁界の機関誌を年一回発行してるのですが、今日無事にデーターが印刷所に送られました。
風はいつも日本一の機関誌だと公言してるくらいに、作り手たちの愛情が一杯あふれてる冊子なんです^^。

ご関心のあるかたは、HP「とやま碁録」からご覧頂けますので、試しにご一読ください。きときと碁界の実情がしっかりご理解いただける本当に良い冊子ですから^^。


布石の研究 8 先手の意味は?

2010-01-27 15:11:33 | Weblog
前回のテーマ図です。

黒1と遮った場合は、白4のケイマが生きる時の良い形です。A図としておきましょう。
続いて、黒は手抜きして、上辺の大場(三連星)に先行するか、図の黒5が白を閉じ込めて良い手になります。以下白10までは定形です。

良く表れる形ですから、黒1から白10の手順を覚えてください。

なお、白10を手抜きすると黒A5(死はハネから)の原則通り攻められて白は取られてしまいます。
攻める方の黒は白の一団をL形にするのでしたね^^。

そして先手が取れたら、最後の大場である上辺に回り大いに優勢でしょう。

先手とは何か。それを決めるのはみなさんです^^。

その戦いが一応一段落し、これ以上追及しても大したご馳走がないと判断したらよその戦場へ絶対的なエースを送り込み新たに有利な展開(新たに地を広げる・別の石を攻めに行くなど)を目指そうという感覚です。小さな得のために「後手を踏む」「後手に回る」ことのないようにしたいものです。

続いてB図



白2のカケツギなら、黒3のアタリが厳しい。続いて白6までの手順が定形です。
上のA図とは白は一長一短です。どちらもあるのでしょうね。皆さんのお好みでどうぞ^^。

C図



今度は反対から押さえた変化です。
黒1には白2のカケツギが好手です。この手はぜひ覚えてください。白F3と連絡を確実にする手段です。白4までが定形です。ここで黒は手抜きして5などの大場に回ります。

風の紹介する図は、本当に良く上辺の三連星を占拠することが多いでしょう^^。
それだけ5地点にどちらが先回りするか、新たな戦いに備えて大きな魅力的なところなんですよ。

ただD図



この局面では黒5のツナギも、白の眼を奪っていて有力です。
この後白は6と開いてスペースを確保するくらいです。
そして黒も7と中央に出てくるのをふさいでいる構想も魅力的です。
白8のカカリには9,11とボーシ作戦!夢があっていいですねえ^^。

A,B図で行くか、C,D図の構想で行くか、みなさんはどちらの進行がお好きですか。
風はどれも楽しそうな進行で目移りしてしまいます^^。しいて言えば今ならC図を選びそうです。

それから上で出てきた「定形」=「基本形」=お互いに安全な形になるまでの手順を覚えるようにしてください。一手一手の対応が理にかなっていて、良い手の応酬で一段落した形のことですから。

では今日のテーマ図です。白11とまた三三に入ってきました。斜めに来たらご挨拶(押す)でしたね。そこで黒はAかBどちらかしか考えられません。どちらがこの局面で、マッチしているでしょうか。この変化も頻繁に生じるのでしっかり手順を覚えたいところです。


布石の研究 7 攻めはお早めに

2010-01-24 10:46:41 | Weblog
前回の課題図です。
初手黒1が最強の攻撃の手筋でしたね。白2なら黒3がお勧めの続行手段です。
左右から挟撃して白を厳しく攻め立てます。この形を覚えておきましょう。

続いて下図



上のようになったら笑いが止まりません^^。このように適格に攻めれるようになったらいいですねえ。
黒9,11は封鎖するときの良い形です。
封鎖と眼を奪って攻めることとどちらかを選択しないといけない時は、封鎖することを選んでください。白は生きても2,3目の陣地しかありません。一方黒の外回りの石たちはそのあとの展開に際して光り輝き、地も作りやすく、白が近づいて来たら攻めも厳しくなりますから。
これまで強調してきたように、今後の展開において外回りの石はとても有効に活用できるが中に閉じ込められた石は働きが乏しいからでしたね。

続いて下図



上辺黒1は最も広い地点に先回りして大場です。この手でも良いですよ。
ただ白2,4としっかり構えられては長期戦になりそうです。
攻撃目標が定まったらなるべく早く攻めてみることをお勧めしておきましょう。最初から上手く攻めようと思う必要はありません。何度も失敗を重ねながら攻めのコツを会得するようにしましょう。

また他の構想として下図をご紹介しておきます。



黒1(Aも同じ感覚です)も打ってみたい手です。攻めるというよりも夢は大きく、盤の真ん中を真っ黒にする作戦です^^。
全ての黒石が連絡して雄大な感じがしませんか。

以上3つの図のどれでもそれぞれ黒にとって有力な進行ですね。いろんな手法があるんだなあ、と思っていただければ結構です。
要は選んだ手をそのあといかに活かして打っていくかが大事なんですね。

それぞれの違いを楽しめるようになれば、その時はすでに有段者になっておられることでしょう^^。その日を目指して布石感覚に磨きをかけましょうね。

では今日のテーマ図です。
黒1に対して、白2と三三に入ってきました。ななめに近づいて来たらご挨拶でしたね。
黒はAとB、どちらに押さえるところでしょう。そしてそのあと、AとBについて、一段落するまでの手順をしっかり研究しておきましょう。






布石の研究 6 インターネットストライキ

2010-01-20 00:25:11 | Weblog
前回の課題図です。

黒1(ボーシと表現します)は感じの良い構想です。
白2にはまたまた3のボーシ^^。
緑の線でつないでみると、黒模様が雄大でしょう。碁盤斜め半分黒石しかないのでご機嫌です。
もちろんこのまま黒地だと白もたまりませんので、左下隅を中心に侵入してくるでしょうね。
そこからは戦いです。少数精鋭のホワイト軍を自陣に引きつけて、ブラック軍は経験は少ないが兵士の多さで戦う感じです^^。
戦国時代の武将たちが碁を好きだった理由は、己の夢を石に託して、まさしく領土を広げる方策を碁で練っていたのでしょうね。

囲碁の真髄を語った言葉はいろいろありますが、いくつか紹介しますと
碁(の極意)は断(=切り)にあり」はとてもポユラーに使われています。切れるところは全て切るというかたもいますねえ^^。切らないと碁を打ってる気がしないのでしょう。
碁は石を捨てるゲーム」は風が敬愛していた加藤正夫九段の言葉。大事な石かどうかの見極めが必要ですが、どんな石でも一目でも取られたくないと逃げる方がいますが、大概は碁を悪くしてしまいますね^^。

そうは言っても
碁は戦いのゲーム」であることは論を待ちません。有利に戦いを進めてこそ、地も増えるというものです。
となれば、有利な戦いの仕方を研究する必要があるのでしょうね。

下図をご覧ください。



黒1の受けも決して悪くはありません。むしろ初級者の方にはお勧めの一手です。
基本が備わって次に応用があるのですから。
以前にも紹介しましたが、大きく模様を広げた時は、相手の侵入に対して適切な攻めをすることが大事になってきます。むしろ低く構えた方が地を作りやすいのです。
このあと白はAやBに来るでしょうから、その時に厳しい攻撃をして、戦いを有利に展開する技術を学びましょう。

ただ下図



黒1のコスミツケはどうでしょう。白を攻撃するというよりも右辺の白を強化しているように見えませんか。黒1だけでは隅を守ったことにもならず(R3に入られると取れません)この局面ではふさわしくないです。

つまりコスミツケを打つ時の原則は辺に自分の石がある時は厳しい攻撃の手段になり、上図のように相手の石がある時は相手を強くして疑問である、と覚えておきましょう。

では今日の課題図です。白9と進みました。次の黒の手をAからFの中から選んでください。どの手も良い地点で高得点でしょうね。でも一手しか打てません^^。



小休止

いやあ、参りました。この二日間インターネットにつながらなくなったのです。
原因はNTTのモデムにあったのですが、それがわからずあちこち連絡して偉い時間を浪費してしまいました。まあ、勉強になったと思うしかありませんね^^。

今日はとんぼでお客さんのお相手をする日でした。火曜と木曜は主に級位者の方々と手談を交わしています。
日中は大人の方と10局(4面打ち)、夜はジュニアとご父兄相手に10数局打ちました。考えてみれば結構な対局数ですねえ^^。
大人の方とは火曜日は五子局がほとんどで、木曜は定先で逆こみを出してお相手しています。風の勝率はどれくらいかわかりませんが、かなり低いです^^。というのも、相手が強いこともありますが^^、効果的な石の展開を重視して会話しながら対局していることも多いからでしょうか。

特に注意することは、「その手は今必要ですか=小さな手ではないですか」「貴重な先手は一番大きいと思うところへ打ったほうがいいですよ」「挨拶はほどほどにしたほうが良いですよ」ということです。実は全て同じ意味の言葉なんですが^^。
あとは「石の良い形と悪い形の区別が出来るようにしましょう」も良くお話しします。良い形とは石の効率が良く戦いやすい手のことで、悪い形はその反対なんですね。

白の手に対して、挨拶すべきかどうか、手を抜くとどんなことが待っているのか、判断力としてどうしても、「詰め碁で鍛える、(正しい)手順を読む力」が必要になってきます。
オッと持ち時間が来てしまいました。この続きはまたの機会と言うことにさせてください^^。




布石の研究 5 FIとワルツ

2010-01-14 10:35:38 | Weblog
前回の研究図です。

黒1とハネる手が急務です。
二目の頭ははねた側が戦いの主導権を得る」と覚えておきましょう。

囲碁は最終的には陣地の多い方が勝ちですが、そのためにも戦いを有利に展開する必要があります。
互いの石がくっついてる時は「つけられたらハネ」が積極的で強い手になるのと同じで、
2対2でくっついてる場合は、特に周囲に自石の援軍がある時は黒1が良い手になるのです。3対3でも4対4でも石が同数の時はハネがおすすめです。
ただその場合、切ってきたら戦いが始まると覚悟してください。
後の進行に不安があるのは相手も同じです。大事なことは石数が多ければ有利な戦いになるということです。陣地を相手より多く得るためにも戦いを避けることは出来ませんから。

このあと、予想される白の手はAからDです。いろいろな変化が待ってます。
全てに適切に対応できるようになることを目指しましょう^^。

下図は相場の進行です。



黒は両方に地ができつつあり、好調ですねえ^^。

では他の着点を選ぶとどうなるでしょう。二例しめしておきます。





黒1も好点ですが、白から二段バネされると、中央の力関係が逆転して、白が少しいばってきてるように見えませんか。すると今後の展開に悪影響を受けかねないのです。

この二段バネする時、ジュニアたちと打つ際、「二段バネは男のロマン」「二段バネは男の花道」「・・・は上級者への登竜門」なんて軽口を言いながら打ってると、最近は幼稚園の子が「・・・は男の花道」なんて言うものですから、風は吹き出してしまいました^^。まあ、注目してくれよ、打てるようになってねという気持ちなんですけどね。

でも普通免許を持ってるからF1レーシングカーを運転できるものでもないし、ワルツを見たから、一度習ったから踊れるわけではありませんね。風のパソコンの技術を振り返れば、よーくわかります^^。

そのうち、最強の攻撃力を秘めた二段にハネれる日が来るのを楽しみにしましょうね。

では今日の課題図です。今度は白1とこちらからかかってきました。
黒の構想はいかが?A以下から選んでください。



布石の研究 4 大失敗^^

2010-01-13 00:23:31 | Weblog
うーん、やってしまいました

投稿ボタンを押したのに、違う画面が出てきて、そのあと記事がどこかに消えてしまいました。この1時間余りの格闘は何だったんだろうと、非常に残念。
消えてしまった記事ほど良く書けてるというか可愛いというか、うーん^^。

でもねえ、もう一度説明するのもしんどいし、止めるのも残念なので、今回は参考図と次の課題図だけ出してみます。効果がどれほどかテストということでよろしくお願いいたします。



上の黒1,3は最強の攻撃手段です。黒1をコスミツケと言います。
対して下図白の手はAほかいろいろ考えられます。



先人や風が時々打つ手は下図白4ですが、黒5がやはり強手そして黒7が好ましく好調な攻めが続きます。黒13となれば笑いが止まりません^^。



では今日の課題図です。白4,6と生きを図りにきました。次の黒の手を考えてください。例によってA以下いくつか候補手を紹介しておきます。ただほぼノータイムで打っていただきたい手で、これからもしばしば出てくる手段なのでしっかり研究してみましょう。




布石の研究 3 下島陽平7段とお見合い^^

2010-01-10 02:57:22 | Weblog
前回の課題図です。

おすすめは黒1.コスミツケと言います。
黒C10あたりに石がある時、白に対して一番厳しい攻め方です。
攻めのコスミツケ」は頻繁に活用されるので、ぜひチャレンジするようにしてください。

序盤でも中盤でもとてもよく使われる手段です。
この手は隅を守る感じもあるのですが、それ以上に白を攻める感覚で打ちます。
攻めるとは、最大の得は取ることですね^^。

以下は一例です。途中、5は好手、そしてなんといっても黒7とはかっこいいですねえ。下辺を広げつつ白4子を攻める。まさしく一石二鳥ですね。
この感じをつかむようにしてください。まず、攻めの形を覚えるようにしましょう。
白22まではさみしい生きです。前回もお話しした通り、白石をたくさん使った割には地は4目ほどしかありません。

昨年亡くなられた名棋士、梶原九段なら「白石は山手線の内側にしかなく、外側を制してる黒の100目勝ち!!すでにオワ」と断じられるでしょうね^^。

下図黒1も有力です。



黒1(ハサミと言いましたね)はC10の黒と重複してる感じがするので、本来は打ちにくい手なのですが、何よりわかりやすいところが長所です。
白2と飛ぶのは最悪です。打っても打っても眼も地もありません。

それではあまり周りの黒石を活かしてない図を二つ紹介します。





どちらも白がそう攻められてるようには見えなくないですか。しっかり治まられてしまいましたね。特に上図と最初の図を比較してみてください。ずいぶん違うように見えませんか。まあ、ボチボチいきましょう。

では今日の課題図です。同じ進行で今度は白1と下辺からかかってきました。
考えられる着点をAからFにあげておきます。みなさんの構想はいかがですか?




小休止

すでに今日なのですが、とんぼに下島陽平7段が見えられます。
今年から本格的にきときと碁界での普及活動が始まる記念すべき初日です。

すでにジュニアたちのハートをしっかりつかんでる陽平兄貴ですが、とんぼの常連客ははたして気に入っていただけるかどうか。

風がお見合いと称してる指導碁会は明日も天元(富山市)であります。
大人たちののハートもつかめるように期待したいところです。

時々先生の奮闘記もご紹介いたしましょう。

布石の研究 2 人生いろいろ布石もいろいろ

2010-01-06 21:53:23 | Weblog
前回の研究です。

今回は風の好みでお話しします。
課題図を見て、一番打ってみたいと思った手は黒1の一間高バサミです。
時々みかける手ですがあまりポピュラーではないかもしれません。多いのはH17の三線のハサミでしょうね。

白2・4の時、黒5が注文の一手。簡単に治まらせませんよ、という欲張りな手です^^。黒9となればご機嫌です。

白8で、一番多く見かける手は下図



三三に打つ手ですが、このあと手順を追いかけてみてください。
黒19のようになれば、左右両方打てて黒は大満足ですね。この図を目指し、黒1と打ちたい理由なのです。
絵を観賞するように局面を眺めてみてください。左辺も黒地、上辺も黒地(のように^^)に見えませんか。
一方白石はたくさんあるわりには白地が小さいですね。

そしてもっと大事なことは白石が今後の戦いにあまり役に立たないように見えることです。つまり石の効率=働きが悪い感じがするのです。

いかがですか。そんな様な気がするでしょう^^。その楽観的な感覚も大事にしましょうね^^。そのことも布石構想を考える楽しみなんですよ。

碁を始めた方にとっては、構想と言っても何の事だかではないでしょうか^^。
でもいいのです。ご自分の経験でみたことある布石をまねることで少しずつ知識を深めて、得意の布石構想を蓄積していくようにしましょう。一歩ずつ進みましょう。

もちろん、上図にしても、白2や4で違う手法もいろいろあり、上の通りになることの方が少ないでしょうね。でも違う展開になったとしても、決して嘆くことはありません。その時はその時で、新たに構想を立て直せばいいのです。

他の候補手もいくつか紹介してみます。



黒1(ボーシと言います)もとても魅力のある手です。左辺を大きく膨らませ雄大でいいですねえ。お勧めの一手です。風も二番目に打ってみたい手です。この手はY教室で大流行しています^^。
ただこの手を選ぶ方に必要なことがあって、左辺に白が侵入してきたときに適切に白を攻める腕力が要ります。
大きく広げれば広げるほど、地としてまとめるのに、攻撃力が必要になってくるのです。腕力が足りないと自覚しているかたには少々荷が重いかもしれません。そういう方は、過去の詰め碁で「手を読む力」を磨いてくださいね^^。

他には



黒1,3と隅を重視する打ち方もあるでしょう。穏やかな打ち方です。
ただ白4が来ると右上白Aに備えて黒5が必要になってくるので、最後の辺の大場に回られるかもしれません。白6に打たれると黒は大模様が作りにくくなります。

それと下図



黒1も堂々たる一間飛び。
白2なら黒3(ここを逃さないようにしましょう。Iさんの解答でした)
自然な展開です。初・中級者のみなさんには一番のお勧めです。まずは基本形を普通に打てることが大事ですから。応用はその後が良いでしょう。
おそらくプロ棋士でもかなりの方が黒1を選ぶと思います。それほど良い手なのですよ。

布石については5回ほど過去に上記と似た図を出したことがあります。

リンクを貼る練習をしているのですが、文字が貼り付けられるだけで、アンダーラインのあるクリックするだけでその記事がみえるようにする技術が身につきません。頑張ります^^。それまでは5月の布石のバックナンバー(5回程度)を読んでいただけませんか。参考になるかもしれません。

では今日の問題です。
黒1と手抜きの手法を使い、黒11まで進んだところ、白は12と打ちこんできました。ここで黒番、白12のカカリにどう挨拶するのが最善ですか。攻撃力を高めましょうね。



候補手はA,B、C、Dと12の近くに挨拶する手、そしてE,F,Gと他の大場へむかう手などが考えられます。
好みの手はありますか。また全然違う手もあるでしょうね。
みなさんの構想力はいかが?

布石の研究 1 気分を変えて

2010-01-04 10:02:12 | Weblog
前回の解答です。

初手は黒1が正解です。他の手では取られてしまいます。
白2のアタリには黒3とコウに受ける形が唯一ただで取られない手段でしたね。
このコウに受ける手段はとても良く使うので、自分のものにしましょう。

さて、白4と取ってきました。どこにコウ立てをすれば、白は挨拶してくれるでしょうか。
5は風の第一感です。
その手を見たホワイトは決断の時です^^。
6とコウを解消して隅を取ってしまうかあるいは白7と受けるかです。みなさんならいかがですか。

上図の結果はどうでしょう。白は隅を取りましたが、コウに出来たおかげでブラックは緑で囲ったところ(ついにお絵描きができるようになりました^^)が白より大きくなってきましたね。黒が悪くない感じでしょう^^。コウにした成果です

そこで白はコウ立てに挨拶したのが下図です。



黒7に対して白8と打ってきました。
コウ争いの途中でなければ黒10と挨拶するところです。「ノゾキにつがぬ馬鹿はなし」なんてことも言いますからね。
でもみなさんが黒なら9と生きてしまうことをお勧めします。
コウに勝つことがコウを理解して、何よりもコウアレルギーを少なくする良薬だからです。少しくらい損だと思ってもコウ争いの勝率が高ければきっとコウのほうからみなさんを好きになってきてくれるはずですから^^。そしてその大きさも自然にわかるようになると思います。

以下は想定手順です。黒19はいい感じですねえ^^。

Iさんの解答が秀逸なのでご紹介します。



黒5が好感覚のコウ立てです。風の手段よりも自然でいいですねえ。この手の方がお勧めですね^^。白7と受ければ1に取り返しますし、図のように取りきれば黒7が絶好点です。白二子が苦しそう。隅を取られても黒が有利な局面でしょう。

Iさんのもうひとつの想定図



黒5はとても有力なそばコウです(近くのコウ立てをそばコウと言います→そばコウが多いほど石は死なないのです)
Iさんの心配は白8につがれて9以下あと一眼出来るかどうかということでした。
確かに出来るかどうか良い勝負でしょうか^^。互いの力量差で決まりそうです。
結構スペースが広いのであと一眼は出来そうですが、相手も生きられたら負けてしまうので必死に取りにくるでしょう。でも風と風が打てば生きれそうです^^。
みなさんも研究してみたらいかがでしょう。

コウは少し後回しにしてお正月らしく^^気分を変えて、ご要望のあった布石を研究してみましょう。気楽に取り組んでみてください。
早速下図、今日の問題です。
五子局、白5に対して黒番次の一手を考えてください。あなたの好きな手は?



候補手はたくさん紹介しておきました。占いではないですが、選ぶ手の性格を書いておきましょう^^。

① ○6地点=ハサミと表現します→攻撃的、積極的なタイプ。冒険が好きそう
② ▲4地点=隅を守る→堅実・実利タイプ。明日の利子よりも今日の現金が好き。
③ ×3地点=中央志行→夢追い人タイプ。欲張り型。大金持ちor・・・
④ ■4地点=受けと表現します→教科書重視タイプで素直な心の持ち主。平凡な人生こそ結果青い鳥^^
⑤ A,B2地点=手抜き・パス→天才タイプ。わが道を行く独創的なキャラクターの持ち主
⑥ 他の地点→⑤同様才能あふれるあるいはこぼれてしまい、常識にしばられたくないタイプ

上のイメージはあくまで風の偏見ですから気にしないでくださいね^^。
どの手も10点満点中6点以上の高得点ですからね。
正直なところどの手が最高か風にもわかりません。囲碁の神様に聞いてみたい!

ではみなさんの楽しい解答をお待ちしています。