映画も公開され何かと話題だった本を読みました。元々寡作なトマス・ハリスさんですので過去の4作も当然読んでます!そういう点では、この人のファンと言えるのかも知れません。一言で言うと映画化ありきの?小説かな・・・
総合評価 ★★★
前作、「ハンニバル」でどっか(南米?)に消えてしまった、稀代のトリックスター、ハンニバル博士の「その後」ではなく「生い立ち」を描いた作品です。
「羊たちの沈黙」でヒロインのクラリスを上回る人気を得た(アンソニー・ホプキンスが好演!)ハンニバル博士はある意味「クセになる」妖しい魅力を持っています。その彼の今とは似ても似つかぬハンサムな少年時代を描いたこの作品は、かなりのファンをひきつけたことでしょう。
ストーリーは、ある意味単純です。第2次世界大戦で、凄惨な体験をした彼が長じて、最愛の妹の仇を次々に討っていくといういわゆる「復讐談」であるわけです。
数々のエピソードが語られます。後世「人食い博士」になってしまう彼の精神構造や異常性の発露がそこここにちりばめられます。そして何よりビックリしたのは彼の義母が紫夫人という日本人で、彼が少年時代に日本文化や芸術に深く傾倒した、という設定になっていることです!
見せ場が色々あり、映画にしやすい感じがしました。
でも個人的には、デビュー作「ブラック・サンデー」や「レッド・ドラゴン」の精神分析的というか、サイコサスペンス的な作品の方が好きかな
よく考えたら、その2作品も含めて全作品が映画化されてますね。
ビデオになったら、この作品も是非観てみたいものです、では