ペイジズと言えばリチャード・ペイジとスティーブ・ジョージという二人組のイメージですが、CDのクレジットでは、もう一人ジョン・ラングが記されています。もともとは5人組だったらしいけど・・・・このアルバムの多くの曲は、J.グレイドンが作曲・プロデュースを手がけています。そんなところからも想像されるとおり、非常に緻密で質の高い内容になっています。
- You Neeed a Hero
- Tell Me
- O.C.O.E. (Official Cats of the Eighties)
- Come on Home
- Sesatia
- Only a Dreamer
- Automatic
- Fearless
- Midnight Angel
1の「You Neeed a Hero 」から、異様に高いテンションと緻密さに圧倒されます。タイトなリズムと哀愁を帯びたローズの音色・・・控えめながらお素晴らしい演奏に支えられた二人のボーカル・コーラスは最高 この作と4は以前から彼らのプロデュースを手がけたボビー・コロンビーのプロデュースだが、違和感はありませんね。
続く「2.Tell Me 」を最初聴いたとき、何てややこしい曲なんだろう!と思いました。途中の転調やサビの入り方が意表をついていて・・・極めて計算されつくされています。確かにスティーリー・ダンに匹敵する緻密なソングライティングかもしれませんね・・。
続く「3.O.C.O.E.」も、その宇宙的な?構成美を楽しむことが出来ます。きわめて出来の良い曲だと思います。
そして「4.Come on Home 」・・実はこの曲が一番のお気に入りです。トム・スコットのサックスをフィーチャーした哀愁漂うメロウナンバーです。素晴らしいコーラスの美麗さにウットリ・・・彼らが他のアーチストの曲に加わるとそれだけで曲そのものが例えようもない甘さをかもし出すことがあります。そんな彼らの魔法の声が十二分に堪能できる名曲中の名曲と言えるでしょう
「5.Sesatia」は一転して、ギターの鋭いフレーズが印象的なハードナンバー。コレはコレで好き
再び、哀愁系の「6.Only a Dreamer」。印象的な前奏と、サビのコーラスが例えようもないいい味をかもし出しています。これまた名曲
「7.Automatic」は、TOTOのボビー・キンボールもびっくりの絶叫から始まるスピード感溢れるハードナンバー。リチャード・ペイジは、ペイジズ解散後、TOTOとシカゴからリード・ボーカルとして誘われたらしいけど、甘いだけのボーカリストじゃないのはこの曲だけでもわかしますね。
「8.Fearless」も良く出来たミディアムナンバー。特筆すべきは唯一ジェイ・グレイドンが一人でギターを担当。粘りのある素晴らしい音色を聴かせていることです(他の曲はほとんどチャールズ・ジョンソンのギター)。
最期の「9.Midnight Angel 」。リチャードのピアノの弾き語り風に始まりますが、重厚な演奏と熱のこもったボーカルが感動を誘う名曲です。「vocal flute effect」としてアル・ジャロウがクレジットされていますが、注意深く聴くと2箇所ほどかすかな声が・・・
まさに捨て曲なしの大名作で、スティーリー・ダンのアレやエア・プレイのアレなどとともにAOR史上の最高峰を示していると思います。
逆に言えば、これだけのアルバムを出して売れなかったら、「僕たちコレからどうしたらいいんでしょう?」ということになるでしょうね。その意味で、彼らのその後の転身もうなずけるような気がするんです。
ちなみに、佐藤竹善さんが洋楽の名曲をカバーした「Corner Stones」というアルバムには「You Neeed a Hero 」と「O.C.O.E」が入っています。なかなか良い出来ですよ
コメントとTBありがとうございました。
本当に良いアルバムだと思います。アナログ盤時代からずっと好きなアルバムです。
拙い記事ですが、TB返しさせて下さい。
コレは名盤ですよね。④はホントいい曲です。すべて推薦される理由もよく分かりますよ。
今は彼等のセカンドを聴いてます。コレもいいですね。
一口にAORといっても様々なサウンドがありますが、キャッチーなメロディ+美しいハーモニー+緻密な演奏といったこのアルバムはスティーリーダンっぽいところもあって思い切りツボです。2ndも速攻で購入しちゃいました。
「好きな曲は1、4、6です」とのことですが、全く同感です!
サラリと入る、ペイジのヴォーカル部がなんともいえまへんなぁ。
商業的に成功しなくともアーティストとしてはダントツの評価を得ていた二人でしたね!
でも、ミスター・ミスターでリベンジ。