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西村 洋の音楽とギター

音楽の持つ繊細、深遠、愛、ギターはこれらを表現しうる力を持っています。でもどうやって?

諸言(2)

2012-09-23 00:45:36 | Weblog
もしあなたが本当に上手になりたいのなら、私の所へ来なさい。
上手になるヒントなら教えてあげられると思います。
私の言う事を多少時間が掛かっても是非実践して下さい。好い結果が見えてくると思います。
思いが少しでも叶えられたら幸せになりますね。

楽器がいいか悪いかは分かりずらいです。
まず楽器に合った弦を探すこと。駒も大切です。
よい演奏の努力は大変だけど駒や弦を変える努力は楽ですよ。
好い環境で練習することも大切ですね。
いい楽器いい部屋。外側を変えるのもいい演奏をするに大きな力に成ります。

楽譜を正しく視る。音を正しく聴く。弦に正しく触れる。音楽を正しく感じる。これは大切です。

問;ギターを弾かないとすると何を弾くのでしょうか?
答;音楽を弾く事です。

問;指を動かさないでどうやって音を出したらいいのでしょうか?
答;動かそうとしない、思わない事です。

問;音は出さないのにどうして聞こえるのですか?
答;音楽を弾くからです。音は勝手に出ます。自分で何もしなくても出て来ます。(長くやっていると出てくるようになります。)

問;演奏中は何を考えるのでしょうか?
答;何も考えません。在るがままがいいですね。練習の時は色々考えますけど。何か考えて演奏なんて僕には出来ません。

諸言

2012-09-19 22:58:12 | Weblog
ブログ更新をさぼってまして申し訳ないです。
小さなコンサートが重なったり、暑かったり、思う事があったりでついつい後回しになりました。

今回は何とテーマは決まらないので常々色々な方に言っている事を書いておきます。このブログでも何度か言っている事も入っています。

いい音は出そうと思って出さない。出したいと思っても出ない。
よい事をしようと思わない。悪いことはしない方がいい。

ギターを弾く人に注意したいのはギターを弾く事です。(ギターの代わりにどの楽器名でもいいです。)
ギターは弾かない。音は出さない。指は動かさない。(究極の演奏)

止むに止まれぬ事情があって曲はつくられます。
ここにこの音があるのには、かならず理由があります。
それを作った人に聞けばいいのかって?それを演奏する人に聞くべきです。

出来ることはやる。やらなくてはいけない事はやる。
出来ない事もやる。

いい先生に就いたからと言って上手になることは無いです。
悪い先生に就いたら勿論悪くなるだけです。
中々上手くならないとしたらそれは先生が悪いのでしょう。
自分が先生であり生徒に成れた時は上手くなりますよ。

上手く弾けないのは練習不足なんて思わないこと。それは知恵が無い人のセリフです。
指使いが悪い。楽譜が悪い。楽器が悪い。練習の方法が悪い。原因は殆どこれです。

コンサートのお知らせ

2012-08-21 22:28:09 | Weblog
秋のコンサート」
~届けたい 夢・愛~
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宇都宮市文化会館小ホール
9月2日(日)
PM1:30 開場 PM2:00 開演
入場料¥3000(全自由席)

ギター:西村 洋
バリトン:小林 一博
大正琴:野沢 あつ子

愛のロマンス(スペイン民謡)、アベマリア(カッチーニ)
ラクンパルシータ(ロドリゲス)、カロミオベン(ジョルダーニ)
悲しい酒(古賀政男)、さくら貝の歌に寄せて(西村洋)
クリーンスリーブス変奏曲(西村洋) etc...

主催/M.C.S 音楽創造空間 TEL:028-648-0477
  
その他の曲目
もう飛ぶまいぞこのちょうちょ(モーツァルト)
アストリアス(アルベニス)
アルハンブラの思い出(タレガ)
メヌエット(ラモー)
etcetc

音楽の喜びを実感して下さい。待ってます。是非聴きに来て下さい!

サマースクール

2012-07-16 11:38:13 | Weblog
毎年7月の末か8月の頭に2泊3日のサマースクールを行っています。
これまで行ってきた所は日光、湯西川、矢板、でここしばらくは那須高原の貸別荘で行っています。
すでに40回を超えています。よくぞ長続きしたものと思います。

ここに顔を出せば音楽のことはよく分かると思います。今年は既に定員に達してます。自由参加ですからギターの習熟度に寄らず音楽が好きな方なら誰でも参加出来ます。参加したいという方は先着順で受け付けます。

今年は次の通りに行います。

7月27~29日 那須高原 貸別荘「那須ビレッジ」

内容は私の講義と公開レッスンがあり後はまあどんちゃん騒ぎですね。

深夜2時過ぎると私の演奏もあります。体力のある方は聴いて下さい。

練習の方法(2)

2012-05-27 22:16:17 | Weblog
前回の続きです。
前回のポイントはゆっくりと大きな音で弾く事です。
この事は曲が出来上がっても常に練習すべき大切なことです。

それから指使いについてですが、とにかく楽に音が出せる指使いにする事です。この事は私がいつも言っているように、楽譜に書かれた指使いはあくまでも参考程度にする事です。もしかすると参考にもならない指使いが書いてあったりします。
出版されている楽譜の指使いは殆どが間違っていると思って下さい。

今セゴビアの演奏を凌ぐ人はいません。(演奏は比較する対象とは違うのですが)
其のセゴビアが書いた指使いも彼自身何度も直しているし、手の大きさや、各指の器用不器用の加減も違うので唯一絶対ではありません。
ましてセゴビア以外の人が書いた指使いがいいはずはありません。
あなたの推敲の上に推敲を重ねて考え付いた指使いを見つけて下さい。

では前回の続きです。

第3ステップ
・遅いテンポのまま、曲の強弱、リズム、アーティキュレーションを守って音を出す。

ゆっくり曲を演奏する時に平静な状態を保つよう心がけましょう。音を出していると無意識に速くなって来ます。本来のテンポのにしようという働きが曲には在るので仕方のない事ですが、今の段階では平常心を持って速くならないようコントロールして演奏して下さい。

又精神や肉体に疲労感や、倦怠感を感じたりしたら無理せず休息を取って下さい。そうでないと正しい強弱やアーティキュレーションの判断が鈍ってしまいます。無駄な練習になってしまいます。

第4ステップ
・本来のテンポで演奏する。
・これで終わりで無く、常にゆっくり弾いたり徐々に早くしたりすること。

以上で練習の段階は終わるのですが、この後に来るのが尽きる事の無い「仕上げの段階」です。

尽きる事は無いのですが一応これで完成の姿を文章に表すと次のようになります。

“楽譜の音すべてがその曲の持つ内容(作曲者の主張や思い)に即してよく響いた美しい音で表現されていること。
演奏をしている時心は何事にもとらわれず曲と一体化している。即ち音を出す事、指を動かす事、ギターを弾いてる事の一切が意識されないこと。”

そしてこの究極の最終段階では、

“我々がいる世界を超えて時間や空間も、実態も何もない世界。涅槃。一音成仏の世界。音楽の行きつく世界です。”

練習の方法

2012-05-22 23:36:05 | Weblog
上手になるのに王道はありません。
軽薄短小、易楽速便、を求める世の中。人間が苦労、苦痛、努力、を嫌い安易で、怠惰を求め、刹那的な欲望を求める様になってしまった世相の中で、演奏だけは何百年何千年も昔からコツコツとアナログ的な方法でしか良い演奏を身に付けることは出来ません。

僕が総理大臣になれば、小中学校の授業では楽器の習得を中心とした音楽の授業を週10時間、美術、体育を5時間、英数国理社を各2時間、計30時間こんな風にします。
これをとりあえず10年間続けます。自衛隊等音楽とは無縁のものは勿論即廃止します。多分これで日本は世界の中でいろんな分野で取り残されるでしょうが、心は世界に誇れるようになるでしょう。

さて本題です。
練習の方法が良く分からないという善男善女の皆さんからの意見をよく聞きます。基本的な事を記して置きます。大きく紙に書いて、練習する部屋等に貼っておき、ギターを取り出したら必ず一度眼を通すといいと思います。

≪練習の方法》

音を出す前にチェックする事
・練習場所;音響、整理整頓
・体;疲労度、痛み、熱等
・心;悩み、焦燥、不安
・楽器;チューニング、弦

なるべくよく響く部屋で、勿論綺麗な部屋がいいですね。体や心の状態が良くないと困りますが少々の事は音を出していると解消されるとは思いますが。チューニングはこれは大切です。練習中は常にチェックが必要です。

練習の段階

第1ステップ
・1フレーズ毎に出来るだけ遅いテンポで、全ての音をよく響かせる。
・音が十分でない所を繰り返し練習する。

音が良く響かない原因は色々あります。その主たるものは
指使いが悪いか、指の運びかたが悪いかです。

第2ステップ
・2フレーズ毎に音が出せる様になったら、8小節とか16小節分を出来るだけゆっくり止まらず、音をよく響かせて弾く。
・最終的には曲全部をこのようにしてゆっくり止まらずに弾く。

演奏中、止まってしまう原因は次の通りです。
指使いが悪いか、指の運び方が悪い。もう一度1に戻って練習してみる。

練習の段階は4までありますがこの2までが、とっても大切です。出来るだけ遅いテンポで止まらずすべての音をfで弾くこと。これが出来たら次に進みます。尚、音は大きく出しますが右手も左手もリラックスし、常に脱力しながら音を出して下さい。

~続く~

旋律の歌い方

2012-05-09 23:49:32 | Weblog
旋律を歌う、とか歌って弾く(歌うように弾く)という事は、とても大切です。
という言い回しをよく耳にするのではないかと思います。本当にそうですがよく考えると、これは変な言い方です。

歌うと言うのは演奏の上では、ごく当たり前なのです。敢えて、大切ですなんて言う必要が無いのに、ことさらこう言われるのには残念ながら理由があります。(関係ないかもしれないのですが言っておきます。この世のすべての事柄、現象、行動、等には何らかの良くも悪くも理由があって成されています。)
その理由を挙げて置きます。

1歌わない(歌えない?)演奏が多すぎる。

2歌ってるように思えない事もないがその多くが歌に行く前の、いわゆる鼻歌の様な演奏になっている。これもやはり多すぎる。

3確かに歌っていると思われるが独りよがり、または自己陶酔型の歌い方になっている。

4最悪のパターンですがこれも多いのです。初見演奏(またはまるで初見の演奏の様)をする人。こんな感じで何枚もCDを出している人が結構多い。



上記にあげた他にも理由はあるのでしょうが、こういう演奏を何ら罪の意識もなく繰り返している演奏家が多すぎます。先入観や、既成概念にとらわれず素直に、心を無にして演奏を聴く事が出来れば、なるほどと納得出来るかと思います。

有名なグレシャムの法則「悪貨は良貨を駆逐する。」を持ちださずとも、演奏家も聴衆も悪いものに侵され真の美や、正しい物や人の、在り方を失いつつあるのではないかと思われます。
食べ物の例で言うと、まがい物や、インスタント食品の氾濫の中で、味覚がマヒされた人が多すぎます。そう言うもの作って売る人が悪いのか。喜んで買う人が悪いのか。現状では仕方のないことなのか。

まあ世の中の事はさておいて、まさかこの世の中でもっとも高貴であるべき音楽の世界では、こういう事は在ってはならないのですが、間違いなく悪貨は横行しています。
もうだいぶ時がたったので覚えていませんが、日本にカラオケが生まれた時、僕はぞっとした事を覚えています。これが普及したら、音楽が駄目になるのではないかと。旋律(歌)に合わせるべき伴奏が、本末転倒にも、旋律が伴奏に合わせる。しかもその伴奏は心が何も感じられないメトロノームテンポで、機械の操作によって強弱が付けられたものです。声を出して歌うと言う行為の満足感をくすぐりながら善良なる人達の持つ、真善美という良心をなんら罪の意識も持たず崩壊して財をなそうと言う音楽産業が日本で生まれたと言うのは、僕にはとても残念に思えてなりません。

多分カラオケを考案し生産した人達は、これを普及させれば人間性は崩壊するだろうが、それは何十年もあとだろうという事は分かっていただろうが今はそう言う事は気にせず儲かる事が大切、と思っていたのでしょう。
勿論音楽産業以外の分野ではこう言った事は当たり前に行われているのは皆さんもご承知の事と思います。例えば携帯電話などは、普及が、特に青少年にとっては人間を崩壊するのは誰もが分かっています。売る方が悪いのか、買う方が悪いのか、なんて議論は要りません。即、毒でなければ経費の掛かる良貨よりは悪貨を作る世の中の風潮に私達は麻痺され、踊らされない事は大切です。

それにしても音楽だけはこんな風になって欲しくなかった。

ええとだいぶ脱線してしまいました。あまり時間が無くなったので一つだけ、大切な事を書いておきます。
音はある音からある音に動き又元に戻ります。音の回帰運動と言います。[ド~レ~ド]ドからレに移行する為にあるエネルギー(緊張)が生まれドに戻ることでその消費されたエネルギーが消化されます。元に戻った喜びが、安心感があります。これが歌です。

春のソナタ

2012-04-10 13:52:31 | Weblog
毎年恒例の春のソナタを開催します。各自ジャンル、時間、自由にという事で行っています。
クラシック、フラメンコ、フォーク、ジャズ、弾き語りといった内容です。入場フリーです。是非聴きに来て下さい。
最後に私のソロもあります。

            「春のソナタ」

     4月14日(土)午後1時開演 入場フリー

     パルティホール(戸祭自動車教習所向かい)

今年のリサイタル

2012-03-20 10:39:53 | Weblog
今年のリサイタルのプログラムを書いておきます。


     2012 西村洋ギターリサイタル

            
     プレアンブレとガボット(ポンセ)

     無伴奏チェロ組曲第2番(バッハ)

        ~~~~~~~    

     フォリアの主題による変奏とフーガ(ポンセ)

   2012年 12月16日午後2時開演 宇都宮市文化会館

皆、むしゃぶりつきたくなる名曲ばかりです。
特にフォリア~の官能美は何に例えるのでしょううか。悩ましくも有り。身が切られるようでもあり、尽きせぬため息とでもいうのでしょうか。私には一生書く事の出来ない素晴らしい曲です。

プレアンブレ~は長らくA・スカルラッティ作曲と伝えられていたポンセの偽作です。ポンセはヴァイスの名前でも偽作を残してます。いずれも名曲です。
とりわけプレアンブレはセゴビアが、諸君聴きたまえ。ここに世紀の名曲がある。とでもいうかのように始まる感動的な名演奏を残しています。まるでショパンを紹介したシューマンの様です。(”諸君!天才だ。脱帽したまえ!”)

バッハについては言わずもがな.しびれます。

皆さん楽しみに、聴きに来て下さい。

演奏の実際~愛のロマンスその2~

2012-03-17 00:12:12 | Weblog
愛のロマンスの後半(B)です。(正しくは中間部)

Aと似ていますが、異なっている所もあります。そう言う所が良い演奏をするうえで大切になります。ではBの特徴を書いておきます。

1、美しい曲の開始音は短調は音階の5番目、長調は3番目の音から始まります。愛のロマンスは原則道理というか、 見事というか、この原則通りに始まっています。

2、フレーズ構造はAとことなります。2部形式と言うのは同じですが、4+4+8です。25から32までの内、同型反復進行が3度使われていて、この3つに区切りはありません。(25-26,27-28,29-30)。

3、Bの大きな特徴の一つです。4小節ずつに区切った時、すべて始まりは同音連続進行です。

4、これもB固有の特徴です。20では刺繍音、26では経過音と言う、臨時記号による非和声音があります。

以上がBの特徴ですが、これらの事からAに比べ曲調が穏やかで安定したものに感じられます。

Bの部分のクライマックスは25です。ABを含め曲全体の頂点は、何処でしょうか。

是も諸説ありますが私は1小節目が正解と思っています。
AからBへの移行は穏やかにホッとした感じと言うのは前述しました。
BからAは、きりっと引き締まった感じ。音量はmp位ですが、この曲の中でもっとも痛切な感じがします。

以上で愛のロマンスの注意点については大切なことは述べました。これらを参考に演奏してみて下さい。

所でこの曲の様に曲の始まりから終わりまで常に同じリズムの曲と言うのは、かなりあります。
バッハの色々な前奏曲、ソルの月光、タレガ編のシューマンのロマンス、ビラロボスのエチュード1番とか2番etc、

こう言った音型が同じ曲でしかもテンポが遅い曲と言うのは、普通の曲以上に感情の起伏がおおきいです。
又テンポの速い曲はしなやかで自由自在に動くリズムを伴います。演奏家冥利の曲と言えると思います。

さて次回は何かいい曲を探して、歌い方について触れてみたいと思います。

楽しみに!