すばらしき円月島周辺 お土産物だけではもったいない
(干潮時の円月島周辺の岩礁。満潮時はすべて海面下に没する)
永年家内と寄り添って生きていると色々な発見があり面白いが、先般円月島に行ったときに家内の性格の一面が表れて面白かった。ご存知の方もあると思うが、円月島の周辺の岩礁は良く潮の引いた干潮時でしか渡れない。先般訪問した時は潮が十分引いておらず、岩沿いにそって進もうとすると、半ズボンであったが波の直撃を受け、そのあおりで蛸壺タイドプールに見事落下。ずぶぬれになった。これに懲りて家内には具体的にあそこを渡ると俺と同じ運命に会うから潮がひざのくるぶしまで水につかるが、あの岩沿いにつたってくると安全だ。と自分の痛い経験を味わせたくないので提案した。
「大丈夫よ。」
「いや大丈夫なことはない!波が引いた時の力はすごいぞ! 転んで海底イノブタになるど!」と
「まぁ!失礼ね!あなたがどんくさいだけよ」
と見ていてハラハラしたが波がぐぐと引いた瞬間を見計らってイノブタが、いや、うちの奥さんが、ひらりとお尻を反転させスルスルと向こう側の岩にいとも簡単にわたってしまったのである。波がその瞬間ゴゴ―と押し寄せ間一髪だった。
「おぬしやるなぁ!君の意外な技を見た。」
女性は大胆と聞いているが本当にそのようだと思った。時代劇のくの一忍者はこのようにして活躍したのだろうとふと考えた。
(円月島の裏側から空洞を見たら・・・こんな感じ)
さて、家内の意外な技を陸上で見たが、今年2016年は円月島の裏側で死滅回遊魚の意外な乱舞の技を見せてもらった。
南紀白浜円月島は白浜のシンボルであり、白浜温泉=円月島である。まんなかが空洞のそのちょっとユーモラスな感じの景観は一度見たらまず忘れられない。各種おみやげ品には円月島のスタンプやら饅頭の図柄やら湯呑やら 円月島 円月島 のオンパレードでひょっとしたら市川雷蔵の眠狂四郎の円月殺法はこの円月島からとったのかともいらぬ想像をした。
円月島の周りには温かい黒潮が流れてきており冬でも17度ぐらいあるらしい。また知らないが白浜温泉の地熱の影響を受けているのか海底には部分的にサンゴが育っている。とくに円月島裏側のエリアは串本ほどではないがかなりのサンゴ類がみられ、シュノーケリングに最適なスポットとなっている。
(裏側外洋に面するエリア。ここは潮の流れははやい)
シコロサンゴ、クシハダミドリイシ、エダサンゴ、キクメイシ各種、ハナガササンゴ、ニホンミドリイシ、オヤユビサンゴSPなど大群生ではないがところどころに「私を見てね」といわんばかりにうまく配列されて生きている。
(外洋に面するエリアではサンゴの発達が顕著 視界50%以上のサンゴである)
魚の方は2016年の訪問は観察の当たり年で、エダサンゴの周りには定番のチョウチョウウオ類の他にポリプを食して生活するためサンゴの周りでしか生活しないスミツキトノサマダイ、トノサマダイ、ヤリカタギ、その他ヒレナガハギ、ムスメベラ、ヤマブキべラなどが乱舞しておりこれは臨海浦より浅瀬でみられたのでかなり楽に観察できた。(採取は禁止です)ポリプ食のチョウチョウウオ科の各種は美しくも可憐で、とにかく臆病なものが多く、なかなかおめにかかれない。日本の海域でも沖縄を除けばごく限られたところでしか見れないのでこれを見ただけでも十分な価値がある。
(白浜ではクマノミが見られる。採集などもってのほか)
後の章で述べる串本周辺はサンゴ類やその群生のレベルでは白浜の比較ならないほど高く、サンゴを見るなら文句なく世界的な「kushimoto」であるが私の住む奈良からや大阪からでもかなり遠く、宿泊しないと疲労が激しい。その点白浜は串本より近く、サンゴ類やレアもの魚類を見れ、日帰り圏内でも楽しめるので時間とコスト的には軍配が上がるのではないかと思う。また家族で来るなら日帰り温泉やアドベンチャーランド、水族館など周辺施設には事欠かず皆がまず退屈しない。白浜は訪問スポットとしてはすばらしいと痛感するのである
昼近くになり、撮影は終わったので休息していると東京方面からなのか小型ジェットが円月島の真上を轟音を轟かし低空飛行で通過していった。
「あのジェット機からだと上空から景色のいい円月島見えてええよなぁ。」
「私も乗ってみたいわ」と家内。
お茶を飲みながらしばし静かで美しい時間が過ぎて行った。
(円月島の周りにはタコツボのようなタイドプールが多数ある。そこには魚が取り残されている)
下を見るとその近くに私が見事墜落したタコツボタイドプールがあった。タコツボタイドプールにうちの奥さんがはまっていたらどうなっただろうかとぼんやりと考えていた。
「あなた助けて!」と絶叫するだろうか?(いやだよ と言い返すか?)
それとも
「こんな磯に行くのがいけないのよ!」と文句をいうのだろうか?(そういうだろうと思う。)
それとも意外と
「落ちたついでのあなた私にもシュノーケリング教えてよ」というのだろうか?(ありえない。)
現実は家内が岩渡りに失敗して転んでタコツボタイドプールに入っていても水戸黄門の風呂のシーンの某女優みたいな色気はないがネットの動画で 「タコツボに泳ぐイノブタ」 と配信するとお笑いのネタになり月1万回以上の視聴をとれるのではなかったかと一寸惜しい気がした。
さて、こう書いていると、夕刻に「あなたご飯よ」とうちの奥さんの呼ぶ声がする。
あら?テーブルを見るとおかずがちょっと減ってメザシしか並んでいないじゃないか!
この変な想像をもキャッチする特殊能力をうちの忍者のような身軽な家内は円月島から学んだのかと、恐ろしいやらおかしいやらで円月島の章を終了いたします。
(円月島の章 終わり)
※エッセーは1週間に一度の割合で掲載させていただいております。次回は第七章 みなべ町目津崎、小目津崎周辺です。
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