潮騒の人

2009-02-24 11:58:56 | Weblog
天童荒太(てんどうあらた)さん『悼む人』
今年の直木賞に選ばれた。
同郷の人だ。

何気なくテレビをつけていたら
[痛みに寄り添う・・」という切り口で
天童さんの特集をやっていた。
故郷 今治のどこだかわからないがどこか海の近く?で
戦争慰霊碑の前で今治の戦没者供養を続けておられる方と
話をされていた。
今治の空襲の話は両親からよく聞いていた。

近見山の竹やぶに逃げ込んだ学生達が
大勢空襲で焼け死んだこと・・
両親にとって今治空襲はとても身近なものだったようだ。
天童さんが直木賞をとられて
故郷をより身近に感じ彼の作品を読んでみたくなった。


さらに 

夜中眠れず またNHKをつけていたら
見覚えある景色が映っていた。
トランペッターの近藤等則さんが幼い頃を振り返り
再現ドラマ仕立てで故郷今治を旅するみたいな番組だった。
今治市 波止浜の生まれ
父の生家と近くで幼い頃はよく一緒に遊んでいたそうだ。
といっても父の方が10歳も上だから
彼は覚えてないかもしれないが。
「としちゃんはこまい頃から(小さい頃から)よーできよった(頭が賢い子だった」
とよく言ってた。父も同じ北郷中学の吹奏楽部で
背が高かったという理由だけでユーフォーニュームを吹いていたらしい。

懐かしい来島海峡を前にして
即興で演奏する近藤等則さん
長く病床におられる80代の母親のことを聞かれたら
声がつまっていた。
どんなに大人になっても親は親。
今は海外でずっと暮らしている彼にとっても
今治は思い出の地であり潮騒の音と造船所の音とともに
家族の記憶が強烈に記憶に刻まれているようだった。

故郷を出て活躍される
同郷の人たちを見てると
いつも一緒に潮騒の音が聞こえてくる。