声のお便り

2009-04-29 18:01:28 | Weblog
今日ようやくヘソの緒がとれた。
なんだか変な形。干し葡萄のような でっかい鼻くそのような。

あら?まだとれないんですかぁ?
しがみついてるんですねぇ。

ちょうど昨日訪問してくれた助産師さんに
驚かれたへその緒。

そのうちとれますから、心配要りませんよ。

帰りにそういって帰った翌日

オムツを替えようとしたらへその緒がない!
よーくみてみると オムツの内側に張り付いてとれていた。

夕方 寝そべって親豚が子豚に乳をやるような姿で
母乳を飲ませてると

トゥルルルル・・

自宅にサンフランシスコから電話。

今 1本目が終わってホテル帰ってきたとこ。

お疲れちゃん。今日へその緒とれたよ。

ちょっと声聞かせるね。

ふぇふっぇふぇ・・・・っ

こんな時に限ってちゃんと泣かない息子。

なんとなく聞こえたよ。

家人がちょっとうれしそう。

生後1ヶ月に満たない息子と離れて
外国にいることはちょっと寂しい気分だろーな。
しがないミュージシャン生活 仕方ない。

せめてもの電話で声を
メールでせっせと写真を送ってやろう。





ねむねむ

2009-04-28 21:40:32 | Weblog
ふぁぁ・・ねむねむねむ。

夜中2時間ひどい時には
1時間置きの授乳は思ったより大変だ。
母乳は消化がよいらしく
飲んでも飲んでもすぐお腹が空くのだ。

チビちゃんは
なんの屈託もなく
時間などおかまいなく
かーちゃんが寝てようが関係なく


「腹減ったーー!減った、減った、減った!!
おんぎゃーぉぉぉぉぉ」

すごい形相で訴えかけてくる午前2時 

3時 4時 6時 あぁ・・そしてようやく長い夜が明ける。



かーちゃんは家人のかーちゃんにチビを託し
ようやく一眠りにつけるのだ。
それもまた2時間後に

ウェーーーン!

の大絶叫で起されることになるのだが・・・


はぁ ねむねむ


チビ&とーちゃん

2009-04-26 18:28:52 | Weblog
明日から家人がアメリカ横断ツアーにでかける。
Ghost spring 2009 ゴーストのアメリカツアー
ロサンゼルスからNYに向かってライブをしながらシカゴ ピッツバーグ・・と
北米を横断し折り返しワシントン ニューオーリンズなどでライブをしつつ
南部を横断して戻ってくる1ヶ月のツアー。

アメリカを移動しながらのツアーは体力勝負。
たまぁに電話くれるといいなぁ。

チビちゃんと家人の実家の田舎(倉敷)に身をよせて
1ヶ月暮らそうと思う。
がたくさん採れる季節。
初夏の日差しの下
息子とのんびりカントリーライフを楽しもう。

しばしの別れを惜しむように
お風呂に入れてもらうチビちゃん。
帰ってきたらきっと4000グラムは軽く超えてるだろう。
赤ん坊の成長は目覚しい。
この間測ってもらったら
退院してから1日あたり45グラムずつ増えている。


とーちゃんはアメリカ武者修行に出るんだ。

帰ってきたらすっかり匂いを忘れてたりして。笑
男はつらいよ。
(生後すぐの赤ちゃんはシルエットはわかるが
目が見えない。嗅覚と触覚はすぐれているらしい)

睡眠学習

2009-04-22 08:49:05 | Weblog
今日はBessie Smith ベッシースミスを聞きながら
すやすや眠る息子。

家人は毎朝 この子に聞かせるcdをセレクトして
息子専用の小さなスピーカー横に
スタンバイしておく。
息子は授乳の最中それを延々と聞きながら
眠りこけていく。

ブラジル音楽の父 ピシンギーニャから
アフリカ コンゴ エチオピアの音楽
さらにはハワイアン ギャビーパヒヌイからsol hoopii
ブルースギターのスキップジェームス(skip james)
日本では奄美のブルースマン里 国隆にいたるまで。

今日も延々と頭の空でなっている
音楽に身をゆだねてすやすや眠る息子。






誰かのまなざし

2009-04-22 00:16:16 | Weblog
夜中の授乳がこんなに大変だとは!

2時間置きの授乳に
母親は起きなければならない。
多分 人間の母親なら誰でも。

12時 2時 4時 6時 8時・・・
延々と続いていく。

4時 朝 空が白み始め
新聞屋さんの配達のバイクの音と
朝鳴き小鳥達の声がする。

ネムネム・・・
寝ぼけ眼で息子に乳をやる。

こうして親や誰かの手を借りて
人間の子供というのは
大きくなってくるのだ。誰でも。
そうでなければ生きられない。
誰かの愛のまなざしなければ
誰しもすくすく育つことができないんだなぁ。。

生きるために乳をむさぼる我が子の生命力は
みていて飽きない。



出会う時まで

2009-04-16 18:47:21 | Weblog
子宮口全開

さぁ分娩台へ

この産院はフリースタイル
どんな格好で産んでもいい。
自由な気風が気に入っていた

待ちに待った瞬間がもうすぐだと思うと
嬉しいような痛みはどんどん強くなり
それに負けそうになりながら
子供が出てくるイメージを整える。

すごい勢いでお産は進み
この分だとお昼までに産まれそうねー と
産院の人が私の昼食を用意してくれていた。

しかーし!
それからが死闘の始まりだった。
もう見えるところまで来ているのに
そこから降りてこない。

ウーンウーン
いたぁーい。もぉーーーいたーぁい

すごい声をあげて叫んでいたと思う。

横にいる家人は
「安産」と書かれたウチワでパタパタ
顔を仰いでくれる。
涼しーぃ。
朦朧としているのに妙に冷静に覚えている部分もある。

陣痛の大波が来る。

キタキタキタ・・・
キャー

助産師さんに叱られる。

痛みから逃げないで!
痛みが来たらそれに向かっていくような気持ちで
いきみなさい!

ヒェーーー
そんなぁーーーいたぁ・・・ウーン

目は閉じない!

ハァーーむりーぃ

家人も隣で一緒に力を込めていきんでいる様子。
ふふ  それだって後で考えると可笑しくってしょうがない。

もう頭見えてますよっ。がんばって!
助産師さんの声が遠くに聞こえる。
時々 意識を失いかける。

もう疲れた。ほんとに会えるんだろーか
頭見えてるっほんとか?
しんじられん。痛みだけが恐ろしい勢いで迫ってくる。

ほら、触ってごらんなさい。

私の手をとり子供の出かかった頭を触らせてくれる。

ほんとだ。もう少しだ。

がんばろう。

さぁもうすぐですよぉ。

分娩台が高くなる。

助産師さんが言う

この子が一番最初に聞く音楽を選んであげてください。

赤子は目は見えてないが聴覚はすでに聴こえてるのだそうだ。

家人が私がもってきたcdの中からセレクトしてかける。

ニナ・シモンの「ニナシモン アンド ピアノ」1曲目
Seems I'm never tired  lovin' you
(あなたを愛し疲れたことなど一度もない)

イントロが流れた途端に涙がこぼれる。
こんなに美しいイントロをいままで聞いたことがない。


やがて頭がスルリとでて体もスルリと出てくると同時に

オンギャー!

大声で泣く我が子。

すぐに胸の上に抱かせてくれた。

黒々とすでに髪が生えた元気な3200グラムの男の子

「あぁ しあわせ。」

我が子を胸におもわずもれた正直な言葉は
心の底から湧き出てきた。

私の隣で一緒に汗だくになりながら
手を握って戦った家人の手のひらは力強くあたたかく
何よりもありがたかった。





痛みに体をまかせて

2009-04-16 18:40:59 | Weblog
産院へついてまもなく
子宮口が順調に開き始めたらしい。

順調ですねーこの分だとスムーズにいきそうですね。

助産師さんに褒められ
陣痛の波の中で朦朧としながらも
ちょっとうれしい。

陣痛は大波と小波がある。
大波が来たときにいかにそれと上手に
向き合うかが勝負だ。

きたきたきたぁー
声を張り上げる。
家人がさっと背中に手を置き
スリスリスリ・・・
数十秒で痛みの波は治まる。

その後は何事もなかったかのように
のんきにおやつとか食べられちゃうのだ。
家人におにぎりとゼリーを買ってきてもらい
パクパク完食。
どんなときでも食欲は衰えをみせない。

そしてまた陣痛の波が・・

キタキタキターーー

ハイハイハイーーー
バランスボールにつかまったまま
ものすごい格好で部屋に横たわる。
テニスボールを握り締めた家人が
波が来たときにテニスボールをお尻に当てる。
なんて可笑しな光景だろう 笑
今思えば コントみたいな光景だが
その時は修羅場。痛みに向き合うということを
産まれてはじめて体験したひと時。

家人の手が温かかった。