函館深信 はこだてしんしん-Communication from Hakodate

北海道の自然、そして子どもの育ちと虐待について

『子どもの虐待』-西澤哲さんのこと

2008-06-28 | ”自殺”・虐待・ヒトの育ちを考える

-本日20時より22時、NHK教育テレビ『子ども虐待』に西澤哲氏出演-

里親登録をして、5ヶ月間1歳半と5歳の姉妹を養育し、子どもの育ちについて深く考えるようになった時に、札幌で虐待防止関連の全国集会があり、その分科会で西澤哲(さとる)さんの講義を聴くことができた。
西澤哲さんは、大学を卒業後、情緒障害児短期治療施設勤務を経て、サンフランシスコ州立大学教育学部カウンセリング学科を修了後、日本、米国で子どもの心理臨床に携わりながら、虐待を受けた子どもたちの研究を続けている方である。
私は最初『子どものトラウマ』という新書版の本で、西澤哲さんを知ったのだが、講義を聴いて、さらに西澤哲ファンになった。

大阪人で、大阪弁でジョークを飛ばしながらの講義なのだが、楽しい中に、西澤さんの子どもたちによせるひたむきで真摯で、熱い気持ちが感じられ、涙が出た。
西澤さんは、プレイセラピーという、遊びを通して虐待を受けた子どもたちの心を表現させる技法を用いながら、子どもたちの心をいやしているが、本当に顔や身体中から子どもたちを楽にさせるエネルギーを出しているような方だと思う。
子どもたちも、西澤さんになら、安心して心の真実を表現できるのだろう。
”心理臨床”といっても、中には子どもたちを”クライエント”、”対象者”として、高見から眺めているような人もいるが、西澤さんは本当に子どもたちと同じ土俵で物を感じようと努力しておられるように思う。

そんな、私が愛してやまない西澤哲さんが、今日20時からのNHK教育テレビ『ETVワイド・ともにいきる「子ども虐待」』にコメンテーターとして出演される。この番組自体は、年に数回30分くらいのわくでやっているもので、その都度西澤さんは出演している。
しかし、NHKの司会者がいろいろな意見に配慮し過ぎて、西澤さんのはっきりしたトーン(たとえば「しつけのための体罰もダメ」というトーン)を、ぼかしてしまうという難はあるのだが、西澤さんの顔を見て、意見を聞ける貴重な場なので、みなさんにもぜひ見ていただきたい。
そして、みんなで、虐待の問題、虐待の連鎖の問題を、考えてほしい。
そこから、無差別殺人など他者への暴力の問題も、見えてくるのではないかと私は思っている。

西澤哲さんの本
『子どものトラウマ』講談社現代新書 756円
『子どもの虐待-子どもと家族への治療的アプローチ-』誠信書房 1994年 2500円+税

 

子どものトラウマ (講談社現代新書)子どものトラウマ (講談社現代新書)
西澤 哲
講談社

 

子どもの虐待―子どもと家族への治療的アプローチ子どもの虐待―子どもと家族への治療的アプローチ
西沢 哲
誠信書房

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