函館深信 はこだてしんしん-Communication from Hakodate

北海道の自然、そして子どもの育ちと虐待について

夜昼寝起きするうちに-子どもの育ち

2009-08-18 | ”自殺”・虐待・ヒトの育ちを考える

御茶ノ水女子大学の名誉教授であり、私立愛育養護学校の校長であった、津守真さんが大好きだ。子どもの行為を表現として見るという姿勢。
著書の『保育者の地平』は、自分の指針を確認するために、時々読み返している。

その『保育者の地平』の中に、「夜昼寝起きしているうちに」と題する一文がある。「夜昼寝起きしているうちに」とは、聖書の中イエスキリストの「成長する種のたとえ」といわれるたとえ話の一節で、次のようなものだ。

「神の国は次のようなものである。人が土に種をまいて、夜昼寝起きしているうちに、種は芽を出して成長するが、どうしてそうなるのか、その人は知らない。」(マルコ 4章)

津守先生は、子どもの育ちも同じようなことが言えるのではないかと述べている。

私も、子どもたちを見ていて、同じような感慨をもつことがある。
この間まで泣いていたのに、この間まで嫌がっていたのに、いつのまにかそのハードルを越えてしまっている。そんな様子に出会う。

種が育った栄養はなんだったのだろう。
私は、しつけとか指導といったものではなく、種の中に養分があるように、子どもたち自身の中に養分があり、それが太陽や水や肥料で育つのだと思う。
太陽や水や肥料は、たぶんたっぷりのまわりからの愛情と受け入れ。
それによって、自信という光合成をおこなって大きくなっていくのだろう。

子どもたちの、そして親たちのおだやかな笑顔に出会い、こちらもことさらうれしく思った。

 

保育者の地平―私的体験から普遍に向けて保育者の地平―私的体験から普遍に向けて
津守 真
ミネルヴァ書房


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