風景写真春秋

残日録代わりの風景写真です。
もちろん「日残りて、昏るるに未だ遠し」という意味合いです。

八幡平アスピーテライン 恐怖の雪道走行

2015-10-25 | 十和田・八甲田・八幡平
 10月13日、午後3時過ぎ、秋田県八幡平、標高944mの大沼は雨にあられが混じっています。
 この時期、もちろんまだ夏用タイヤなので、早々に撮影を切り上げ、本格的な雪にならないうちに八幡平アスピーテラインで岩手県八幡平へ向かうことにしました。
 今夜の宿所はアスピーテラインを降りた岩手県の東八幡平です。
 車搭載の温度計は3度を示しています。
 標高985mの後生掛温泉までは大沼と同じ状態です。
 1100mのふけの湯まで上ってくると、みぞれに変わってきました。
 気温2度、ふけの湯の広い駐車場で少し停まり、迷いましたが、後ろから走ってきた軽自動車が躊躇なく登っていきます。
 引き返すとなると、鹿角八幡平ICまで下りて、高速利用の相当遠回りになります。
 意を決して、このまま上って行くこととしました。
 ふけの湯から上は急坂のきついカーブの道となり、みぞれが雪になってきました。
 上るにつれ、道沿いの笹の葉に雪が積もり、だんだん道路の雪が深くなり、前車の轍の跡がくっきりと浮かんできます。
 こんなところでUターンは出来ません。
 上って行くしかありません。
 怖いのは下ってくる車のスピンですが、一台すれ違った車は超スローの慎重運転で、幸いそんなこともなく、なんとか峠まで上がってきました。
 アスピーテラインの最高所、見返り峠1541m。気温零度、積雪は約5cm。
 ガスっていて視界もききません。
 これからの下りが問題です。
 私の車は大きくない4輪駆動車ですが、4駆だけでは雪道の下りにまったく通用しません。
 夏用タイヤでの下りの雪道の怖さは経験済みです。
 だった一度ですが、スピンしてガードレールに接触したことがありますが、あのコントロール不能の経験は頭の中に深く刻み込まれています。
 いつまでも、平坦な駐車場で思案していても仕方ありません。
 その間にも雪は降り積もって行きます。
 下りの岩手県側は秋田県側に比べて、しばらくの間は傾斜もカーブも緩やかです。
 スローでスタートしました。
 私の後ろに続く車も、前からくる車もありません。
 原則ノーブレーキ、ギアは2または1で下って行きます。
 200mほど下ったところで、先ほど追い越していった軽自動車がスピンして、上り方向に車を向けてガードレールに接触して停まっています。
 男の人が車外へ出て、携帯でどこかへ電話をしているようです。
 地元の岩手ナンバーです。
 申し訳ないが、ブレーキをかければこちらも即スピンなので停まれず、また停まってもなにも出来ず、これはJAFにお任せしかないようです。
 そろそろと横を通り抜けて行きましたが、もしあの車が道の真ん中で停まっていたら、衝突または接触は免れないところでした。
 熊沼の駐車スペースに1台、上りの車が停まって思案している様子でしたが、時々ギアを1に入れるくらいの亀のようなスロー運転なので、危険性は察してくれたことと思います。
 標高1260mの源太岩付近までくると、気温は2度ながら急速に雪はなくなり、肩の力を少し抜くことができました。
 これ以降、路面に雪はなくなり、みぞれが雨に変わってきました。
 標高1000mの御在所温泉の駐車場で停まり、ペットボトルのお茶を飲んで思わず安堵の溜息をつき、生き帰ったような気分を味わいました。
 あらためて、雪の山岳道路通行の怖さと、冬用タイヤのありがたさを実感しました。
 振り返って下ってきた道の方向を見上げても、ガスと雨でほとんど見えず、なにも写真はありません。
 という、オソマツな話です(^^;)。

 八幡平頂上へ向かう道は、翌日14日は終日通行止め。
 15日の12時にゲートがオープンしたようです。

 写真は翌朝14日の旧松尾村からの八幡平の山々と岩手山です。


 
 
 
 
 

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4 コメント

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大変でしたね!! (タートル山のザリガニ)
2015-10-25 17:27:06
恐らく、1年ぶりにアジアウ雪道でしょう。写真どころでないのがよーくわかりました。写真も楽しみですが、写真外の出来事も無事おわれば文章で十分楽しませていただけます。
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息を飲む雪道走行 (夢子)
2015-10-25 22:03:08
 わあ…10月とは思えない雪道走行
怖いですねえ。
岩手ナンバーの車が一回転ですか
写真どころじゃありませんでしたね。
ご無事で何より。
朝陽を眩しく受ける山々が美しい\(^o^)/
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ヒトリシズカさま (いせえび)
2015-10-25 22:07:38
コメント、ありがとうございます。
私は暖かいところに住む、三重県人としては雪道走行の経験があるほうです。
若いころはスキーのため、チェーンを巻いて、飛騨、野沢、妙高などまで車で走っていました。
昨年も八甲田山まで雪道を走ったくらいです。
また、制御不能のあの恐ろしさも身にしみています。
それだけに、夏用タイヤでの雪道走行の怖さは少しは知っているつもりですが、今回は無謀過ぎました。
ふけの湯から引き返し遠回りして行くべきでした。
こいつはアホだなと思われるのを覚悟の、まさにブログネタです(^^;)。
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夢子さま (いせえび)
2015-10-25 22:29:01
こんばんは。コメント、ありがとうございます。
硬い風景写真ばかりの息抜きの、まことにおそまつな話に、ご心配いただきありがとうございます。
あの雪の頂上で、写真を撮っていたら、ガッツのある男ととられるか、あほなやっちゃととられるか。後者でしょうね(^^)。
少しもそういうことを考えなかったというのは、私はまともな男なのでしょうね(^^)。
あきらかに危険をおかしての写真撮影は、コンテストでも対象外になることもあります。
私の危険撮影は、雨に打たれて風邪をひくくらいのリスクにとどめておくよう、これからこころします(^^)。
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