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ごちゃまぜたまご通信|スクランブルエッグ

イベントのお知らせや活動報告、募集など、ごちゃまぜブログ。

『Search~きみがいた』

2009年03月20日 | 本の紹介
平安名祐生・恵 著
初版 2000年10月
徳間書店

GID(性同一性障害)の夫婦の、それぞれの歩いてきた道、出会いや今が、飾らない言葉で綴られています。

著者は、戸籍女性で生まれてきたが心は男性の祐生さんと、戸籍男性で生まれてきたが心は女性の恵さん。
二人は、夫・恵、妻・祐生として入籍した、逆転夫婦です。
いじめられたり、ワルになったり、死のうとしたり、ずっと独りぼっちだと諦めていたけれど、生涯を共にしたいと思える伴侶に出会い、今は願えば叶うと思えるようになった二人。
みんなにも人生を諦めないでほしい、というメッセージが込められています。

子供の頃に感じていたことや体験、生い立ち、ホルモン治療や手術のこと、当時のGIDの人達の状況など。
GIDがどういうものなのかよくわからない、知りたいという人の入門書としても読みやすいと思います。
同性愛との違いも、わかりやすいかもしれません。
自分の心の性に戸惑いや違和感を感じている人にとっては、共感したり、学んだりすることも多い本だと思います。

個人的には、彼らの感じてきた、「完全な男(女)ではないから、誰かを巻き込んではいけない、本気で愛してはいけない」というような孤独感、劣等感、責任感のようなものは、とてもよくわかるような気がしました。
色んな夫婦の形、カップルの形、幸せの形があることを教えてくれる本です。

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セクシュアルマイノリティ・ボランティアサークル
スクランブルエッグ

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『カミングアウト・レターズ』

2008年11月07日 | 本の紹介
RYOJI+砂川秀樹 編
初版 2007年12月
太郎次郎社エディタス



まるで「俺、人を殺してしまった」と言われたように響いた―
本にかけられた帯に書かれたこの一文だけで、カミングアウトということの重さを改めて感じさせられました。

子どもと親、生徒と教師の、カミングアウトを巡る往復書簡をおさめた本です。
セクシュアルマイノリティとして共感するものが強く、思わず涙ぐんだりしながら読みました。

途中に挿入された「カミングアウト・ストーリー」も、感動や悲しみや勇気が入り混じり、心を揺さぶられます。

後半には、「LGBTの家族と友人をつなぐ会」の協力で、当事者の親や兄弟との座談会の内容がおさめられています。
親としての悩み、そして理解、世の中の無知と偏見への憤り。一方で、まだどこか受け入れられていない葛藤を抱える親も。

セクシュアルマイノリティ当事者の気持ち、その親の気持ち、更にはそれを取り巻く人達の気持ち。
それぞれの感情を強くとらえているこの本は、お互いに歩み寄るためのヒントになるのかもしれません。

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セクシュアルマイノリティ・ボランティアサークル
スクランブルエッグ

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『セクシュアルマイノリティ - 同性愛、性同一性障害、インターセックスの当事者が語る人間の多様な性』

2008年11月07日 | 本の紹介
セクシュアルマイノリティ教職員ネットワーク 編著
初版 2003年3月
第2版 2006年3月
赤石書店



この本は、セクシュアルマイノリティに関する教育のためのテキストとして編集されました。

執筆者は教育に携わっている方が多く、全員がセクシュアルマイノリティの当事者です。
一つの考え方に偏ることなく、科学的な視点、歴史的な視点、様々な問題、理解のためのヒントなど、わかりやすい言葉で解説しています。
結構ページ数はありますが、きちんと順を追って書かれており、読み進めるとあっという間でした。

「何故?」とか「変なんじゃないか」とか思っていたことが、不思議でも変でもなく、ごく自然で当たり前なことだったということを教えてくれる本です。
色々と目からウロコでした。

教育関係者の方だけでなく、カウンセリングをされている方、身近にセクシュアルマイノリティの当事者がいる方、更には当事者自身にも役立つ本だと思います。


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セクシュアルマイノリティ・ボランティアサークル
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