Takの秘密の木

誰にもいえない気持ちは、誰もしらない秘密の木の洞に、こっそり語って蓋をするんだって。@2046

ジャッジ 裁かれる判事

2015-01-18 | ドラマ・映画・舞台の感想
ネタばれありです。

どこかの評で、「カミング・ホームもの」「法廷サスペンス」という言葉が使われていましたが、まったくその通りだと思います。
そのつもりで行けば、まさにその通りのものが観られる。満足感もちゃんとある。
だけど、それ以上でも以下でもない、と、言えなくもない。
佳作だけど傑作ではなかったかな、と。・・・

欲を言えば、もう少しヒネリが欲しかったし、もう少し、この作品でしか知りえなかった感覚やエピソード、人の心情、みたいなものがあってもよかったのではかいかと。
それをあまりにやり過ぎると、いかにも感動作を狙った作り物感が出過ぎるし、俳優さんたちの演技もいかにも賞を獲るのが目的っぽくて臭くなり過ぎるかもしれない。
だから、そんな新味性やわかりやすい感動を、すべて「ロバート・ダウニー・Jr.の演技」というところに拠りすぎたかな、と。・・・
意外と言ったらおかしいけど、説明セリフがとても少ない。演技や情景で、汲み取ることを求められる感じ。
この作品は、ロバート・ダウニー・Jr.自身が創ったプロダクションが制作しているので、自らそういう風にした、とも言えるのかも知れないけど、やはり作品としての完成度は、俳優の演技や演出だけでは成立しない。
簡単に言ってしまえば、脚本をもうちょっと練り込んでほしかった。

人の微妙な心情を、セリフや映像で詳細に説明して、観客の感動を煽り立てるのは逆に簡単ともいえるんですよね。
だけど、そこを敢えてしていないようにも見える。
何にも考えず、観たままのこをとさらりと受け留め、流すこともできるし、あれはああじゃないかこうじゃないかと、捏ね繰り回して見るのもおもしろい。
人それぞれの受け取り方があっても、いいかも知れないですね。

あ、そうだ。
私が観た回は、客席は8割方埋まっていて、年齢層は高め。夫婦連れが多い感じかな。それに、女子同士、おひとり男子、という感じだった。
私と私の連れの隣に座っていた男性は両方ともかなり泣いてた。(私も泣きましたけど、比じゃない。やっぱり父子ものは男性の方が響くかしら?)
ロバート・デュバルは、ゴッドファーザーでトム・ヘイゲン(ゴッドファーザーのお抱え弁護士)を演じた人ですね。
そういえばコルレオーネ家も、三兄弟でしたね。



以下は、ロバート・ダウニー・Jr.に特化した、熱烈ファンの戯言なので鑑賞済みの同好の士のみどうぞ。





正直、「シティ・オブ・ドッグス」にそっくりだと思った。
というか、話の骨子がほとんどシティ~と同じだな、と。
地元に元カノがいて、元カノに子供が居るところも同じ。
シティ~の時も、生まれ故郷に帰りたくない、父親と軋轢のある成功した息子で、親父は息子に「故郷に帰る」ことを望んでた。
実家に戻った途端に、息子と父親は激しく口論。
ただ今回は、故郷は彼を呪縛はしていない。むしろ、彼を解きほぐす場所だったけど。・・・・
それに、シティ~のディートとジャッジのハンクは似ているけど、真逆のところがある。
ディートは、感情を押し殺し、深く沈めて表面上はなにもないように凪いで見せてしまうタイプ、ハンクは始終イライラして爆発させ、周囲を曲げようとするタイプ。
たぶん両方ともダウニ自身なんだろうなー・・・と。そう、ハンクはデューデートのピーターのキャラにとても近いな、と。傲慢ですぐブチ切れるし。(苦笑)
なんか、巷では、「トニー社長まんまw」とか言ってる人を見かけますけど、私はトニーよりもピーター・ハイマンの方がよっぽど近いと思います。(笑)
それよりもなによりも、やっぱ、ダウニ自身の問題。
これを撮影した頃、ダウニのお母様は入院してたのかな?そして、亡くなってしまってる。
そして、父親との確執。
ダウニーSrとJrの間には、何があったのでしょうねー・・・・。
似たテーマの作品を2度も作るというのは、よっぽど何かあるのかな?と勘ぐってしまうのはしょうがない。
そう観客やファンに思われるだろうことを、たぶんダウニ自身はわかってると思うので、それでも表現したい、普遍的な「父子関係」というのもあるのでしょうけど。
でも、現在は、SrとJrの関係はとても良好そうなんですよね。初の女の子の孫をとても喜んでるSrさんとか、Jrはパパの映画製作活動を支援するような行動も取ってるし。
以前、Srが、幼少期のJrは物静かな子だった、と言っていたのが印象に残ってる。
たぶん、ディートのような子だったんだと思う。
Jrさんの本質は、内省的で表立たず多くを語らないタイプなんだと思うのだけど、俳優をやってる間に、外交的な役柄を演じることも身について行ったのだろうな、と。
そして傲慢な甘えん坊さん。(苦笑)
傲慢だから甘えん坊なのか、甘やかされたから傲慢になったのか。
彼女の胸に抱かれたまま、携帯でしゃべるシーンは笑ってしまった。
あのおっさん、上目使いで可愛くお願いすれば、なんでも通ると思ってやがる・・・・実際、通るんだけど。(苦笑)
ほんと困った人ですね。

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