Takの秘密の木

誰にもいえない気持ちは、誰もしらない秘密の木の洞に、こっそり語って蓋をするんだって。@2046

映画版「華麗なる一族」後半

2010-08-08 | ドラマ・映画・舞台の感想
鉄平の最期は、白のハイネックのフィッシャーマンズセーターと決まってるのかしら・・・・。
原作にもそういう描写ってあったっけ・・・・?
結構、あっさりと逝かれました。
ドラマ版もそうだったけど、映画版の最期のシーンも、私の脳内イメージとは違う風景だったなー・・・・・・。(当たり前です)
原作自体がそうだから仕方がないのかも知れませんが、やっぱり鉄平の人物造詣は、もう一つ掴み難い感じがありますね。
だから仲代さんがどう鉄平を表現するのか興味があったけど、期待ほどは納得させては貰えなかったかも・・・・・。ちょっと線が細くて弱弱しいというか。
山崎さんご自身も鉄平については描き切れていないという思いがあるような事を、以前仰っていましたが。
意外と難役なのかも、この鉄平って。・・・・・
東大とMIT卒の秀才で、情熱的で陽性なんだけど、どこかにふと寂しげな空気が漂う。真反対とも言える性質を内在させて、そのギャップが魅力的な人物。
父親の大介もそうなんだよねー・・・・・・。
一見、品行方正な、清潔感のある端正な風貌の銀行家なのに、実は中身は老獪でドロドロという。
建前見てくれが良ければいいほど、中が腐っていく感じを絶妙に表現するには、かなりの資質が必要なのかも。
映画版の佐分利さんは、バンカーらしさや威風に関しては申し分ないんだけど、ちょっとセリフ回しが固くて一本調子な気がしてしまった。
ドラマ版の北大路さんは、逆に悪代官みたいで冷静さが薄く、バンカーらしくない気がしてしまったし。
相子は映画版の京マチ子さんが好きだな。女性特有の粘度の強い艶麗とした雰囲気が。知性と情念のバランスが丁度いい感じ。
早苗役の山本陽子さんと、二子役の酒井和歌子さんが綺麗だったー・・・・・。超美人。今の俳優さんよりみんな大人っぽい。

終わり方も、映画版とドラマ版はほぼ同じ感じなんだよねー・・・・・。
私は、ここは是非原作通りにして欲しかったんだけどな。
大介の晩年の寂しさを予兆する原作の終わり方は、そのタイトルに込められたシニカルさを改めて感じさせる素晴らしいシーンだと思うんだけど。・・・・・
父親自ら一家の柱となるべき長男を死に追いやり、そうまでして手に入れた大銀行の頭取の座を今にも追われようとしている二人っきりの老夫婦の図。栄華の限りを尽くしていた「華麗なる一族」の末路を鮮やかに表現してて。
この最後のシーンがあってこその、タイトル「華麗なる一族」じゃないかと。

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