Takの秘密の木

誰にもいえない気持ちは、誰もしらない秘密の木の洞に、こっそり語って蓋をするんだって。@2046

AOU考察:悪夢とマインドコントロール(追記)

2015-07-17 | マーベル関係
アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロンの考察。
キャプテン・アメリカ/シビル・ウォーの予想と絡めて書くので、人によってはネタバレになるかも知れませんので、一応反転させます。


ロキの杖(マインドストーン)の力によって見せられる悪夢は、劇中の説明では、「自分の中のダークサイドを露見させる」というような内容。
つまりは、「絶対にしてはいけないこと」をするように仕向けるマインドコントロールということになるのかな、と。
ワンダはマインドストーンの力から生まれた強化人間だから、彼女の幻覚能力もストーンの作用と同種といえる。
AOUでは、クリント(ホークアイ)だけがワンダの幻術にかからなかったから問題は起こさなかったけど、他のメンバーは全員、マインドコントロールを仕掛けられている。

各キャラクターそれぞれのTo doリストならぬ、Not to doリストは

ナターシャは、アベンジャーズから逃げ出すこと。
バナーは、ハルクになって暴走し、被害を出すこと。
トニーは、先走り過ぎて、逆に禍根を招くこと。
ソーは、地球を守りきれないこと。
スティーブは、正義を貫き通せないこと。

クリントは前回、シールドを裏切って敵を導いてしまったことで、「絶対にしてはいけないこと」を既にしてしまっている。
AOUでは、
ナターシャは仲間を捨てて逃げ出そうとした。美人局は彼女の能力の一つなのに、チームメイトを巻き込んでアベンジャーズを弱体化させるという最悪のパターンで(バナーが一人で消えたことで、最悪は回避されたけど)。
そのバナーは、南アの街を大規模に破壊してしまった。
トニーはヒドラの思惑込みのウルトロンを具現化してしまった。
ついでにいえば、セルヴィグ博士はワームホールを造り、チョ博士はウルトロンのボディを造ってしまった。

「絶対にしてはいけないこと」って、言い換えれば、しようと思えばできてしまうこと、ですよね。
本人にとってはとてもリアルで、自分には可能であるという自覚もあること。だからこそ怖ろしい。
押し殺している隠れた欲望。ダークサイド。
ナターシャとバナーの恋愛沙汰はとって付けたかのようだと言う向きもいらっしゃるようですが、それがワンダのマインドコントロールが招いた中身だとすると、あって当然のシーンなのかも。リアルで可能な悪夢。
バナーの場合も当然そうなる。本人にとってはリアルで可能な悪夢。
トニーが一番具体的に描かれているけど、アベンジャーズの全滅はトニーにはリアルであって、ウルトロンの作成は可能な悪夢。

彼らは、クリントと同じくマインドコントロール完遂組とでもいいましょうか・・・問題起こし済み、となるのでとりあえずは解決してるけど、ソーとスティーブはまだですよね。
ソーは事が起きる前にどうにかしようとしている真っ最中だけど、スティーブは持越しという形で、それが、シビル・ウォーを引き起こすことになるのではないかしら?

スティーブがバッキーの罪を問わず、法の裁きを受けさせなかったら、それは正義とは言えなくなる。
罪のない人々を大量に暗殺してるバッキーを、アベンジャーズに伝えずに隠蔽したら、隠し事をする他のメンバーを批難はできませんよね。・・・
AOUの薪割りシーンで、トニーに言った自分のダークサイドは、結局それじゃないかと。
もし、ハワード・スターク暗殺が確定事項ならば、トニーが簡単にそれを許すとは思えない。
他人には容赦ないけど身内には甘いって、正直、公明正大の正義からはかけ離れているわけで。・・・
暗殺者であることが問題となるなら、クリントやナターシャもそうだと言えるのかも知れないけど、少なくともこの二人はシールド管轄であってヒドラではない。
自分にとっては幼馴染の親友でも、他の人にとっては肉親の仇以外の何者でもない。
正義を貫くということの難しさに、直面せざるを得ないでしょうね。
トニー達とは違って、スティーブは自分のリアルで可能な悪夢を振り払うことができるのか?
できなかったメンバーを、糾弾する権利はあるのか?

そうだ。アベンジャーズ1の時みたいに、マインドコントロールが作用している時は瞳の色が変わるって表現にすればもっと分かり易くなったのかも。
トニーがウルトロンを造る時や、ナターシャがバナーに一緒に逃げようと誘う時、瞳が赤くなる。なぜかハルクだけはそういう加工がされてましたよね?
そもそもアベ1の時も、そこが分かりにくいから、後からCGでクリントやセルヴィグの瞳を蒼くすることにしたって、監督がコメンタリーで言ってたような。・・・



追記:
じゃ、キャプテン・アメリカの正義ってなんなんだろう・・・て考えてたところに、すごくどんぴしゃだなと思われる理論を先日耳にしたのでご紹介します。
ホンマでっか!?という番組でやっていた性格判断なのですが、
「チームへの帰属意識が強い人は、いざという時、冷酷になる」
というものです。
自分を認識する時に、自分を個人と思うか、それともチームの一員と思うか。
何らかの組織の一員という感覚が強い人は、組織への所属意識が強いということになります。
組織への所属意識が強いと、自分は上からの命令に従って動いている(全体の総意の決定の元で動いている)から、自分自身の意に沿わない事でも皆のためならやれる。結果、わりと平気で残酷なこともやれてしまう、というもの。
チームの総意でチームのための行為だから、責任もチームに帰する。
戦争の残虐行為がその典型的な例と言われてました。

キャップって、徹頭徹尾の軍人さんですよね。
アベンジャーズ1でトニー、バナー、キャップ3人のシーンで以下のようなやりとりがあります。
キャップ:We have orders. We should follow them.
トニー:Following's not my style.
それともちろん、コールソンが殺された後の、
キャップ:Is this the first time you lost a soldier?
トニー:We are not soldiers!
soldierはもちろんですが、このorderって言葉、たぶん軍人以外の一般社会では"注文"という意味でしか使わないですよね。
普通の会社では上司の命令であっても、orderという言い方はしない。
しかし軍隊におけるorderの威力というのは現代でも絶大なものがあるらしく、イギリスのTVドラマSHERLOCKシーズン2の「バスカビルの犬」のワンシーンに
ワトソン:That's an order, Corporal.
伍長:Yes, Sir!
大尉のワトソンのorderに伍長はどんな状況下であれ一切逆らえない、というやり取りがあります。上官の命令は絶対であって、即応。否はない。
軍人であるキャップは当然、チームへの帰属意識が高い。そうでなければ務まりませんし。
AOUで、キャップが他のアベンジャーズが自分にすべてを報告しないことに苛立つ姿はすごく印象的でした。
プライベートを洗いざらい言わないのは、一般社会の現代人にしてみれば普通のことなのに、命をやり取りする軍人気質とそれは相いれないようで。
クリントの家族のこと、トニーとバナーがウルトロン計画を進めていたこと、そして、ソーが理由も行先も告げずに飛び立った時は怒りと不満を漏らして、トニーが「もう少し待ってやれ」と嗜めたぐらいで。・・・
キャップにしてみれば、ハウリング・コマンドー(大戦下でキャップが率いていたチーム)やシールドのストライク・チームと比べると、アベンジャーズは危いぐらい足並みの揃わないチームであることが、歯がゆくて歯がゆくて仕方ないのでしょうけど。
だけど他のメンバーは、基本、自分は個だと認識しているタイプでしょう。
このタイプは、orderは自分に下されるものではなく、自分で決断して(自分自身に)下すものだと思っているから、組織人とは逆に、残虐さや冷酷さに対しては敏感になるそうです。
orderは下される側ではなく、下す側であるからこそ、その加減を慮る。元CEOのトニーは特にそうでしょうね。
興味深いですよね。
チームのため、チーム優先と言う人ほど、実はかなり冷酷なことができてしまい、個人主義と言う人ほど、我が身のこととして考えるから残虐になり過ぎることはない。


これは、どちらが良いとか悪いと言うものではなく、色々なタイプの人間がいるチームの方が良い状況を招く、ということらしいです。
重要なのは、お互いがお互いの長所を尊重し合うことだそうで。(笑)正義や理想って、いろいろあるんですよね。
だからキャップとトニーは正反対でいいのかも知れません。正反対だからこそいい。
夫唱婦随である必要はなく、カウンター・パーティーであること。むしろそれが理想の状態ともいえるのかな。
しかし、軋轢は否めず、時には洒落にならないぐらいの深刻な状況も招くけど、終わりよければすべて良し、となればいいなーーーーーーーーーーと。

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