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Takの秘密の木

誰にもいえない気持ちは、誰もしらない秘密の木の洞に、こっそり語って蓋をするんだって。@2046

映画版「華麗なる一族」前半

2010-08-07 | ドラマ・映画・舞台の感想
5日にNHK衛星第2で放送していた山本薩夫監督の映画「華麗なる一族」。
やっと半分まで見ました・・・・・・。なにしろ3時間半もあるんで。

さすがに製作年が74年で原作本と近い時期に作られているので、あの70年代に独特の、猥雑さとか禍々しさとか毒々しさ、昭和レトロ感がものすごいリアルに表現されていて、原作の雰囲気にぴったしというかー・・・・・。
てゆうか、あの時代はあの空気感が当たり前だったんでしょうけど。(苦笑)
でも舞台設定を現代にしても全然通用するなー・・・・・・とも思ったり。
ドラマの時はそう思わなかったんですが、この映画版は現在に置き換えてもアリだと。(さすがに鉄平の鉄鋼は変更が必要かも知れないけど・・・・・)不思議ー。

思ったんですが、07年のドラマ版って、この映画を原作にしちゃったんじゃないでしょうかね?
ジャイさんと脚本の橋本氏は、山崎豊子さんの原作本ではなく、この映画を元にしてドラマ造っちゃったような気が・・・・。(苦笑)カット割り・美術・セリフが、かなりの濃度でこの映画と酷似してるんですよね。
私は原作は読んでいるので、本とドラマ版の脚本との間の相違点は感じていたんですが、その相違点がことごとく、この映画の中にもまんま含まれているという。・・・・・カット割りなんか、構図・人物の立ち位置までそっくりだったりするし。
原作⇒映画⇒ドラマって感じ。
それにドラマ版の鉄平のスタイリストの大久保さん!
映画では、銀平役を目黒祐樹さんが演じてるんですが、なぜか葉月蓮介の衣装が、この目黒さんの銀平にそっくりなような・・・・?!
なんで銀平?!?(苦笑)
動画サイトあたりで検証してみたい感じ。

あ、それから。
田宮二郎さん(美馬中役)って、資料映像以外で初めてまともに見たような気がするけど、すごい綺麗な男の人だなー・・・・と思っちゃった。
画面に入ってくると、何かどきっとする。
男性らしい華がある人なんだなー・・・・と。
なんで鉄平役をやらせてもらえなかったんでしょうねー・・・・・。

Iron bones(追記)

2010-07-30 | ドラマ・映画・舞台の感想
■鉄の骨 第4回
志賀さーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん!(号泣)
金田さーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん!(怖泣)
特捜検事(小市さん)も怖すぎ。
陣内さん、豊原さん、哀愁がいい。
小池さん、すごく良い。

この、何とも名状しがたい感情や感覚、人の中組織の中で現実を生きていると、胸の中に渦巻く思いや積もっていく想いってあるよねー・・・・・人間だから。
無理を通せば道理が引っ込む、なんて言葉があるけれど、時には無理を通さなければならなかったり、道理を通さなきゃ話にならなかったり・・・・・なかなか正解なんてない。
そういうもろもろを、丹念に掬い上げて描き切る筆致はすごいなー・・・・と思ったら、脚本の西岡琢也さんは映画版「沈まぬ太陽」を担当した人なんですね。
なるほど。
ベテラン俳優さんたちはもちろんのこと、小池さんも、そういう生きることの妙味みたいなものをちゃんと分かった上で演技してる感じがして、ものすごい好感度アップです。(笑)
富島は最後、何を選択するのか・・・・・・見届けたいです。

それから。
NHK土9といえば「ハゲタカ」ですが、もう何度めか分からない再放送があるようです。
http://www.nhk.or.jp/hagetaka/
総合テレビで8月3日(火)午前0時15分~で、5夜連続。
映画「ハゲタカ」SPECIAL EDITIONも、8月7日(土)午後9時00~放送するとのこと。
こちらも楽しみ。


■龍馬伝 第30回
余貴美子さんって女優さん、好きなんだよねー・・・・・。年の割にいつも綺麗だし。
どんな役やっても、全部ハマり役に見えてしまう感じがする。(笑)
「おくりびと」の分けあり事務員さん、「ディア・ドクター」の頼もしい看護師さん、「外事警察」の官房長官・・・・・なにを演っても妙に手触りのある背景を感じてリアルに思えてしまう。
龍馬伝では大浦慶役ですが、これまた迫力ある女豪商が似合ってる。
ただただ男勝りな女豪傑なわけでもなく、適度にしなやかに色っぽく、抜け目なくしたたかで、切れる。
男優さんたちはみんなすごくカッコいいんだけど、どっか線が細くて影が薄く感じてしまうんだけど、余さんの存在感が醸し出すリアリティが加わると全体が引き締まるみたい。
クオリティが上がる感じ。
大浦慶の絡み具合如何で、もっとおもしろくなりそう。


■第67回ヴェネチア国際映画祭
日本作品として、「十三人の刺客」と「ノルウェイの森」がコンペ部門に出品されるそうです。
十三人~は、確か敵役で吾郎さんが出演しているんですよね。
ノルウェイ~は、監督が、国際映画祭の常連ともいえるトラン・アン・ユン監督。主演は松山ケンイチさんです。
片や時代劇、片やムラカミハルキ原作、両作品とも欧州での知名度・受けは絶大のはずなので、さてさてどうなることでしょう。

General Medicine

2010-07-25 | ドラマ・映画・舞台の感想
なんかてろ~~・・・・・・んと溶けちゃって、頭が回らない。・・・・・・
紫外線って、浴びるだけでものすごく身体が消耗する気がする。
メラニンの生成をするように肌に指令を出すのは、目から入る紫外線情報によるらしいので、サングラスの着用をおススメしますわ~・・・・・・。

なんとなく雑感。

■GM 第1回
初っ端シーンでドン引きしてしまって、速効視聴を挫折。
あの事務所特有の強烈なくさみに襲われて、反射的に。
でも、しばらく寝かしといてから、再試飲。
あれを受け流すことさえできれば、着眼点はおもしろいし、群像劇として各キャラクターの造りも良さげで、なかなか楽しめそうかも・・・・・。
まあ・・・・・主演の方方面からいろんなご注文もあるんでしょうかけど・・・・・ちょいちょい自棄っぱち脚本かと当惑するところもあり(苦笑)つつ、でもまあギリギリで踏みとどまってる感じ。
しかし総合診療科というものの存在を、こんな風に意識したことはこれまでになかったのは事実。
患者の症状から、あれだけの数の病名を引っ張り出してくるのも凄いし。
脚本家がかなりの時間を取材に費やしてる(他の作品からの余禄もあるのかな?)のが分かるし、そのお陰かバックボーンの厚みやリアリティを感じて興味はそそられる。
人物造詣に多少無理があっても、土台がしっかりしてるから安心して身を委ねてられるっつーか・・・・・。

しかしGMというシステム、そういう組織作りや流れを構築するのは、いかにもアメリカって感じー・・・・・。
コンサルティング・ファームとかも、そういうシステム取ってるところが多いんだよね。
窓口は一つにして、そこでまず戦略を立ててから、各専門部署に分担を割り振って、最終的にまた情報を一つに集約して、効率よく正確に解を導き出すという・・・・。
窓口となる部署が司令部的ポジションになるから、みんなそこに来たがってしょうがないんだけどね。(苦笑)
日本では総診は掃き溜めなのかもしれないけど、アメリカじゃたぶんGMは花形でしょう。
まさに、"ジェネラル"の役割だから。
日本人って、どうもそういう組織構築とかシステム造りとかがあまり得意じゃない感じがするんだよね・・・・・。
基本的に縦割りのセクショナリズムが強い上に、学閥とかいうヘンなしがらみもあったりするから、ちっちゃい上下関係が無数に点在し散らばってるって状態が多いみたいで・・・・・。
横のつながりが希薄でシステムらしいシステムが確立されないから、スムーズにトップダウンで情報が落ちて来ないし。
情報の共有がされにくい上に、たびたび滞るから、全体の機能性機動力に欠けるんだよね。
上下関係だけのシンプルな一団のはずなのに、なぜか命令系統はぐっだぐだでバラバラという、わけのわからない状態を呈しているとこが多いかも。(苦笑)
横並び意識が強いからこそ、横並びを出し抜こうとする考えが働いて、邪魔な保身精神が蔓延るのかな?

そういう体質にずぶずぶの氷室(椎名さん)や、青臭さい理想家の小向(多部さん)の存在は、お約束だけどリアルでバランスがいい。
アメリカ仕込みのスーパーGMである後藤(東山さん)の存在が立ってくる。
その他の総診の面々もいろいろありそうで楽しみだし。

やっぱ林さんの脚本は安心して見られるわー。
一定以上のクオリティは保ってくれるって感じ。
しかし・・・・小向がファイヤー後藤に払ってるギャラって、幾らぐらいなんだろう・・・・・?
一介のインターンが払える額なんだろうか?(笑)


■うぬぼれ刑事 第3回
樋口さんもうまいよなーーー・・・・・・。あのキャラって某れんほうさんも入ってるのかしら?(笑)
それに虐められる三津五郎さんもほんとよくやるよ。(笑)
矢作さんの、「コラコラなんだその頑固なポジティブ・シンキングは」だっけ・・・・?大笑い。
ほんと、異様なほどにがんばってポジティブ・シンキングする人って、時々引いてしまうものがあるよねー・・・・・・。
そこまで意地になって無理にポジティブにする必要はあるのか?っていう。・・・・
逆に、ものすごくネガティブなんじゃないかしらって思うことがあるよ。(笑)
クドカンさんらしい、発想の出所を探りたくなるようなシニカルさ。
でも、優しいな、と思うんだけど。
最後の留守録の声の下りは切なかったなー・・・・・・・。まったくの悪人は居ないんだよね。
ちょっと前作の「新参者」と似た人情パターンを感じてしまったのがどうかと思うけど、でもおもしろかったです。


■爆笑問題のニッポンの教養
野田秀樹さんの後編。
それから、
■NEWS ZERO特別版「借りぐらしのアリエッティ」を支えた職人たち
この二つの番組、この中で語られていることって、根底では繋がっているような気がしました。
改めて、別の記事で書きたいなー・・・・・。
野田さんは、爆笑の太田さんに「野田さんは監督(映画)はやらないんですか?」と訊ねられ、「生半可な気持ちではできないでしょ。中途半端じゃ映画やってる人に失礼。」と答えていました。
宮崎さんは、「映画監督はすべてを決めなければならない。それは物凄く孤独なものだけど、一度やってしまうと、もう2度と、人の意見でなにかを決めることができなくなる。」と仰っていました。
二人とも、ジャンルは違えどその表現を極めている人、極めようとしている人なんだろうなー・・・・と。
野田さんは演劇に、宮崎さんは映画に、文字通り命がけなんだな、という感じがひしひしと伝わって来ました。

顔の情報量が多過ぎる

2010-07-20 | ドラマ・映画・舞台の感想
いろいろ雑感。

■うぬぼれ刑事 第2回
蒼井優さん・・・・怖い。
あんな優しげで癒し系笑顔しといて、眉間に皺寄せて豹変。まさにオンナって感じ。
うぬぼれがかわいそーーー。(笑)空いた口が塞がらないのね。同情するわ。
お約束展開だけど俳優さんが上手くて説得力がある感じ。
睡眠薬入りアイスカフェオレを一気飲みする男気なんか、カッコ良くて好きだけどなー。
うぬぼれは、本当は分かっているのか、本当にアホの子なのかどうなのか、微妙な感じがいいね。
バーI am Iのママもうぬぼれの元カノもそうだけど、クドカンさんの描く女性も、ほんとしょうもねーーー・・・・。(笑)
でもどっか憎めない。
矢作さん演じるうぬぼれカメラマンが、意外と狂言回し的役割のような気もする。びちゃびちゃの口跡だけど。
いわく、生田さんは顔の情報量が多過ぎるらしい。(笑)
うぬぼれパティシエのトゥッティーフルッティー食べたい!これ毎回出てくるのかな?
Girls TalkならぬBoys Talkのドラマだね。
実は誰よりもキレ者なのが西田さん演じるうぬぼれパパというのも楽しい。

■龍馬伝 第29回
やけにカッコいい高杉(伊勢谷さん)。大友さんの愛を感じたよ・・・・・・・。
武市の大森さんが居なくなったから、今度は伊勢谷さんに入魂の演出かしら?
監督の思い入れって、すごく映像に出るよねー・・・・・。
アランことグラバーも、思ったより場に馴染んでる感じだし。
龍馬はハーフアップから、総髪に髪型をチェンジ。衣装も小奇麗に。
福山さんって、つくづく部品がきゅっと小作りで華奢だなー・・・・と。背は高いしガタイは結構いいみたいだけど。
こっちの蒼井さん(お元)も、一癖ありそうな女性って感じ。和装がとてもよく似合いますね。
花街・丸山のセットや美術が相変わらずすごい。
長崎の町の異国情緒もすてきだし、行って見たいなー・・・・・と思っちゃった。
観光客誘致に一役買いそう。

■おしゃれイズム
渡辺謙さん。かわいかった。
高所恐怖症というのが意外だった。(笑)
私もそうなんで、おっしゃることはイチイチよくわかるんだけど、馬に乗る時なんかどうなんだろう?結構、目線高いよね。
ハリウッドの監督さんは、自分の撮りたい画を撮ることに、異常なほど貪欲だと。・・・・・
絶対に妥協ができない部分があって、それが矜持なんだろうね・・・・。
インセプション、なかなか評判良さそうで観に行くのが楽しみです。
ディカプリオもプロモーションで来日するそう(もうしたのかな?)なので、興行が盛り上がるといいな。
もしかして、お台場のビストロあたりに二人揃って来店したりするのかな?
うーーむ。・・・・・

梅雨が明けました

2010-07-18 | ドラマ・映画・舞台の感想
あっづーーーーい・・・・・・・・・・・。
夏は体質的に苦手だけど、でも季節としては嫌いじゃない。
庭の草花樹木にお水をあげると、すーーーと涼しい風が吹き始める瞬間。
青い気配が立ち上って、蝶がどこからともなくやってくるし、土のうごめきも活発になる。
その際、お水と葉っぱは必須なわけだけど。
お水と葉っぱは人間には欠かせないものだと、都会住まいの都心勤務はしみじみ思うのです。


さて。さくっとてれびの雑感を。

■爆笑問題のニッポンの教養
ゲストは野田秀樹さん。
「人は自意識を持ってる限りは、演じてる。
問題は、我々はそれを仕事にしてるってこと。
人に見て貰っても良いものにまで、高めなければならない。」
という言葉が、一番印象的だったかな。
「他人に見て貰っていいものにまで、高める」・・・・か。
プロとしては当り前のことなのに、最近はそんな意識もないよう人が多い気がするんだよね。
私は、洗練され、磨き抜かれ、精製し、完成度の高いものが観たいタイプ。
親近感とかお馴染みな感じとか、お約束でごまかす稚拙さとか、別にそれほどいらない。そういうのは、プライベートの生活の中にあればいい。エンターテイメントにそれは必要ない。
お金出して、時間を捧げる甲斐のあるものが観たいんだよなー・・・・・と。
提供者には、そんぐらいのプロ意識と矜持は、持っていて欲しいんだよね。

どうも次回は太田さんが口角泡を飛ばして熱く激論しているようですが・・・・・。(笑)
私は、太田さんの「日本人は歌舞伎のような型のある演技が似合ってる」論は、頷ける部分もあるけどね。
さてさて、野田さんの教え子の学生さん達と、どんな対話をするのでしょう。


■鉄の骨 第3回
これマジでおもしろい。
「ハゲタカ」並みのおもしろさがある。息を殺して画面に釘付け系。
でも感想を書くのが難しい。
「華麗なる一族」では銀行の再編統合と、その頃に上り坂だった鉄鋼業界が描かれていたわけだけど、これは建設業界の再編の様子をリアルに描いてるんだよね。
万俵家の阪神銀行が生き残りに必死だったように、この一谷という中堅建設会社も自社存亡の危機に際して、様々な思いが渦巻いてる。
ただ、笹野さん演じる一谷社長は、大介と違い酷いぼんくらでどうしようもない人なんだけど・・・・。(苦笑)冷酷で切れすぎる大介も嫌だけど、無能で責任転嫁しかできないトップはもっと嫌かも・・・・・。
建設業者の稼ぎどころである、"公共工事受注"というパイは極めて小さくて、公平を期してそれを均等に分け合おうとすれば、"談合"と呼ばれるものになる。・・・・・
しかも小さいパイの分け前など、所詮わずかなものだから、みな恒常的な空き腹を抱え、自社生命の危機に怯え、その間にも日本の経済成長はどんどん停滞して行き、事態は逼迫し混迷を深めて行くばかり・・・・・。
元国連事務次長の明石さんが言ってたように、現実の世界はすべてがグレーのグラデーション。
まるっきりの白も、まるっきりの黒も存在しない。
そういう現実に直面した時に、人間はどういう行動を取るのか。
それぞれに尤もな言い分はあり、ただただエゴを通したいわけでもなく、ひたすらの正義も、単純な悪玉もいない。
とてもよくできた脚本だと思います。
原作もすごくおもしろいそうですね。

恋愛伐採反対!

2010-07-14 | ドラマ・映画・舞台の感想
ざっくり雑感。

■うぬぼれ刑事 第1回
・・・・・・・・けっこうすきかも。(笑)
なんかどっかかわいいんだよね、クドカンさんの描くキャラクターって。
ちょっとイギリス映画っぽい感じ。
ダメ人間とか、みじめ人間とか、しょーーーもない人とか、容赦なく出てくるんだけど、なんかかわいいんだよね。(2度言った)
しょーーーもないんだけど、それが真実の姿かもね、て。

三津五郎さんが楽しそう過ぎる。心理学者で女子大教授、恋愛本作家の栗橋教授役。
いろんな名言が出てきて。
視センサー、エロサブリミナル、泣き部屋・・・・わはははは。
「君とほっこりするために買ったあのマンションで、毎日メソメソしながら暮らしているんです!」
いやーーーーー!そんなうざセリフを男が言い切るなーーー!!(笑)
でもそれがそれが真実・・・・だろうね。(笑)
「好きじゃないとか勘違いとかうぬぼれとか、そういう考えが、今地球に生まれようとしている恋の芽を摘んでるだよ!恋愛伐採だよ!」
・・・・・・そうかもね。
男性陣は、大いに勘違いして大いにうぬぼれて、ぜひがんばって欲しいです。や、マジで。(笑)
たぶん男性向け恋愛推奨(応援?)ドラマなんだと思う。


■鉄の骨 第2回
おもしろい。
竹山さんが演じるキャラの、能力を描くエピソードがすっげ――リアル。
挨拶回りした会社で何気なく行き違った人。そういう人をちゃんと見ているか見ていないか。
小池さんのキャラはしっかりそれを目にとめていて、どういう人物かを探り、特定し、何故そのタイミングでそこに居るのか意味を探ろうとする。
実はそういう一見なんでないようなことが、ちゃんと見えている人か見えない人かで、後々に大きく違って来たりするんだよね。
竹山さんは、それが見えない人。小池さんはそれが見える人の役。
観察力や推論を立てる分析力、状況を把握する理解力は、どんな仕事にも必要だったりするんだよね・・・・。
目ざとさとか、本当の意味での空気を読む力とか。
入札の現場で、「いつもと空気が違う」という言葉も、ただの勘や気分だけのものではないと思う。
脚本、映像、キャスティング、演技、細部までとても良くできたドラマだと思います。


■龍馬伝 第28回
肝心の龍馬の描き方にはいろいろ思うところはあるけれど・・・・・・。
でも、容堂が武市にかけた言葉、
「お前とわしは良く似ている。
徳川に失望しながらも、忠義心だけは捨てられない。」
は、すごく良かったな。
このセリフが聞けただけで、この28回を見た甲斐はあったような気がする。
なんか福田さん自身も、世の荒波の中で生きて来て、いろいろ思うところはあるんだろうなー・・・・と。
容堂がやたらと神仏に傾倒し、前後不覚になるまで酒に溺れて暮らしてる理由も、ここにきてやっと分かったというか。・・・・・
すごく切なくて苦しい、物狂おしい気分。
期待し、信奉し、尊敬していた対象が、実はそうじゃない、自分が造った虚像だったのかも・・・・と気づいてしまった時。
もしくは、その対象が、もう既に昔のその人ではなくなってしまった時。
それでも、その人に自分の夢や希望を乗せることを、今さら止めることができない。
本心ではその対象に失望してても、見捨てることも見離すこともできない。身動きがとれない。
愛はないけど情はある、という言葉があるけれど、それに近いのかもね。
最期まで容堂や帝に夢を見ることができ、その容堂から最高の家臣と認められ、切腹を賜った武市は、本人も言うように最高に幸せだったのかもね。
幻滅を抱え、先のない空虚を傍で直視し続けるよりは、夢を追いそれを実現し、凋落を知ることなくその頂点で逝けた武市は、何か清々しくもあって羨ましかった。
そんな武市を慕ってた以蔵も、それで良かったのかもね。悪くない最期だったのかも。
大森さん、佐藤さん、お疲れさまでした。

「これが私のスターウォーズ」

2010-07-10 | ドラマ・映画・舞台の感想
昨夜深夜に、NHKで「This is My Star Wars.」という番組をやっておりまして・・・・。
かなりのSWファンを自負する私ですが、男性のマニアファンにはやっぱり負ける・・・・と思うことはしばしば。
その対象に注いでいる時間もお金も思い入れも、やっぱ桁違いに違うんだろうなー・・・・・と。
圧倒的な物量的・物理的差というか。(苦笑)

とはいえ、エピソード1~6まで、ストーリーの細部もキャラクターもメカ類武器系も、たぶん全部覚えてるし、DVDについてるメイキングは全部見てる。
4~6はノベライズも読んでるし、スターウォーズ製作絡みのジョージ・ルーカス公認?の本も読んでる。
ジェダイ・アプレンティス・シリーズも読んでます。
私がSWを好きな理由は、ソロやチューバッカ、ダース・ベーダーやヨーダやクワイ=ガンとかのキャラクターがオリジナリティに溢れてて好きなのと、世界中の様々な文化を織り交ぜたような美術デザイン、特に、ルーカス自身が黒澤明を師と仰いでいるだけに、東洋的な文化や思想がすごく尊重されて描き込まれているところがハリウッド的でなくておもしろかったから。
ジェダイの師弟制度は、明らかに「七人の侍」などに描かれている侍の徒弟関係に近いものがあるし、フォースという概念の精神性も武士道に近い、実際、オビ=ワン役は最初は三船敏郎に打診しようと考えられていたらしいです。
ブレードランナーのリドリー・スコット監督が好きなのも、彼が熱心な黒澤ファンでかなりの日本マニアだからかも知れません。
生まれも文化も年齢も大きく違うけど、日本的美意識への称賛というか、何か通底するものがあるのかも。
黒澤イズムの継承ともいえる、汚しや音響効果等へのこだわり、リアリズム、それとエンターテイメントをこれでもかこれでもかと盛り込む映画製作者としての心意気がおもしろい。

番組では、いろいろな人がインタビュー形式で自分のSWへの思い入れをそれぞれ語っているのですが、その中には実写版ヤマトの監督の山崎貴さんの姿も。・・・・・
正月に放送されたヤマトのトレーラーを見た時に、「SW帝国の逆襲にそっくりな美術だな~・・・・・・」と思っていたので、なんかものすごく納得しました。(笑)
実は、バラッドのトレーラーを見た時も、「なんかハン=ソロとレイア姫か、『隠し砦の三悪人』の六郎太と雪姫みたいだな~・・・・・」と思ったんです。それも納得しました。(笑)
ブランチで見かけたトレーラーも、SWシスの復讐にそっくりなシーンがいくつかあったので、ほぼ確信はしてましたけど・・・・・。

以下はその山崎監督のインタビューの抜粋です。

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デカいスクリーンに、自分の考えた宇宙船を出したいというのが、すごく大きかった。
そりゃもう、企画をするしかない、こういう映画を。
宇宙船と宇宙人が出てくるものをやりたかった。だからもう、スターウォーズをやりたかったんだよね。(笑)なんとかして。

オープニングのスターデストロイヤーが出てくるシーン(頭上を巨大な旗艦が通り過ぎて行くシーン)がすっごい良かったんでねー。
VFXに目が行きがちだと思いますが、やっぱりキャラクターじゃないかと思います。
「あの人たちに会いに行く」という感覚だと思いますよ。SWシリーズが次々と出来上がっていくのって。
それぞれ自分の好きなキャラクターがどんな運命をたどるのか、見届けざるを得ないっていうか。

あの時なんで自分が、この映画に、これほどまでに興奮したのかっていうことを、その当時は分析する必要はなかったわけですよ。
だけど今は、ワクワクする秘密を知ることって言うのはすごく自分の中で大事なことなんですよね、お客さんに何かを届けるという意味では。
あん時、なんだったのかな?ていうのを、自分の中でこう・・・・さぐりたいんですよね。

宇宙の映画をやってんですけどー・・・・・辛いわけですよ。(苦笑)
もろもろ、すごく、造るのが大変で。
(SWを見返すと)「こん時の夢を今実現してんじゃん!」ていう気になるんですよね。
なにを辛そうなこと言ってんだよ、て、またエネルギーになるというか。

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途中、ヤマトのトレーラーもちらっと映りました。
帝国軍タイファイターのパイロットみたいなヘルメット被った古代のシーンと、対空放射の中、戦闘機が旗艦に墜落するシーンと、艦内の様子がちらっと。
ヤマトのファンがどう思うかは分かりませんが、SWのファンなら共感するとこが満載な作品になりそうな感じですかね。(苦笑)
これも聞きかじり情報ですが、SWのR2D2は、ヤマトの出てくるアナライザー?の模倣とも言われてるそうです。

NHK土9日8

2010-07-09 | ドラマ・映画・舞台の感想
「鉄の骨」第1回、見ました。
おもしろかったです。
いつものNHK土9クオリティって感じ。・・・・・前作の「チェイス」は一体なんだったんだろう?(苦笑)
シビアで重い内容なんで、見てるこちら側の気持ちも重いですけど、でも続きは見たい知りたい。興味を惹かれるおもしろさ。
見る前にちょと、覚悟が必要だけど・・・・・。受け止める心構えが。
しかし営業と現場の間に流れる、様々な感情や考え方のギャップって、なにも建設業界に限った話じゃないですよね。・・・・・・
営業さんには営業さんなりの、プライドの持ち方はある。
現場の人間の方が、仕事にやりがいを感じやすいんですよね・・・・・だけど、それだけじゃ会社は廻っていかないのも事実で。・・・・・
それぞれに、尊重はされるべきだと思います。
それこそ、職業に貴賎はない。
小池徹平さんの存在感や演技が浮くんじゃないかと懸念もあったけど、そんなことなかった。
女の子みたいな可愛い顔してるけど、結構はっとするほど眼光鋭くて、若い理想や男っぽい強情さがありつつも脆さ弱さもあって、他のベテラン俳優さん達に混じっても違和感なかったです。
現場へ戻ることを願いながらも、営業のしがらみや人間関係に巻き込まれていく過程が、とてもリアルで苦しくて切なかった。
敏感に人の気持ちが分かるほど、辛いことはあるよね。・・・・・
それにしても。
「NHK土9おなじみの面々」というのが、だんだんできあがりつつあるような気が。(笑)
志賀さん、豊原さん、金田さんあたり、度々お顔を拝見するような・・・・・。
今回は、笹野さん、中村敦夫さん、陣内孝則さん、カンニング竹山さんも加わって、なかなかツボを突く豪華キャスティングですけど。
個人的には、竹山さんが今後どういう役回りを担っていくのかが楽しみです。


龍馬伝 第26回27回。
とにかく勤皇党残党周りの話は、早くケリがついて欲しいな。・・・・・
以蔵や武市がどういう処分を受けるのかは、歴史としては一応知ってるんで、あんまり長引かせないで。
以蔵が、武市から送られたまんじゅうがどういうものなのか、理解していたようだったのが・・・・・ほんと辛くて辛くて。弥太郎の立場も辛過ぎるし。
でも、龍馬に書いて寄こした弥太郎の手紙を読む香川さんの悲鳴絶叫調が、ちょっと笑っちゃったけど。(苦笑)
笑っちゃったけど、ごもっともなだけに一層つらいんだよ。
長崎編は色調も明るそうだし、早く話が進んでほしい。


7月期ドラマは、上二つの他に「うぬぼれ刑事」を見てみようかなー・・・と思ってます。
あと、日9の「GM」は脚本が林宏司さんらしいので、初回はチェックしてみようかな、と。
・・・・・・・主演の方は、私はあんまし・・・・・・・・・・・・なんですけど。・・・・・
でも、話がおもしろくて演技が下手じゃなければ、どんな俳優さんが出てても楽しく作品を見れる性質なんで。
JINの大沢さんもそうだったし。
良い作品でありますように!

渓流と木が好き。(追記)

2010-07-07 | ドラマ・映画・舞台の感想
な・・・・・・長い。2時間か。
綺麗な水の流れと濤声と木と新緑が大好きなんで、嬉しかった。(ん?)
そう、私は海よりも川派です。木がなくちゃ生きていけない。
なんかしきりと、A river runs through itのポールを思い出したので、フライフィッシングやって欲しかったな。
んで、自前でバンブーロッド造ってさ、フライも造って。リールも・・・・・。
夕まずめにhatchする、メイフライやミッジの羽影・・・・・。
フライに行きたいーーーーーー!!

で、葉月は結局何をやりたいんだったっけ?
しばらくは二宮に養ってもらうってこと?


おやすみなさい。


(追記)
思い出した!
あの柚月とのシーン、どっかで見たことあるなーと思ってたんだけど、たぶんあれだわ。
ジェレミー・アイアンズのLolitaだ。ぴょーんとだっこ。
ジェレミーさんは思いっきりちうもされてたけどね。(笑)
監督の北川さんへのイメージが、あんな感じなのかな。

ロビン・フッド

2010-07-07 | ドラマ・映画・舞台の感想
欧米では現在公開中のようですが、リドリー・スコット×ラッセル・クロウの『ロビン・フッド』、日本では12/10の公開予定だそうです。

正直、この作品の第一報を聞いた時は、「なんで今さらまたロビン・フッド?」とか、「リドリーと組んでコスチューム劇の正義のヒーロー役じゃ、まんまグラディエーターの栄光再びじゃん・・・・・?」とか思いました。
マキシマスは大好きだけど、同じような役をラッセルが演じてるのを観させられるのもなんだかな~・・・・・ラッセルも最近大ヒットは飛ばしてない(まあ1億ドル稼いでれば充分といえば十分なんですけど)からなー・・・・・とか。
でも、既に観られた方の話では、新解釈のロビン・フッドで賛否両論はあるけど、さすがにリドリー監督はちゃんとした作品を創る、とのこと。
で、一番怖れていた、マキシマス・フッドなのか・・・・?というところも、そこはやはりラッセルのこと。マキシマスとはまったく別人だそうです。
むしろ、マキシマスに会おうと思って観に行くと、少しがっかりするとか。(笑)

ラッセル・クロウの演技力に関しては疑いの余地もありませんが、なにしろ状況が状況なだけに、やっぱり不安はありました。でも、杞憂に終わりそうで嬉しい。
これも同じ方が書いてらしたことだけど、
『消されたヘッドライン』(ラッセルは新聞記者の役)で、犯人に追い詰められるシーンを見る時も、役的にはまったく戦闘能力のない人だから、おたおたして危なっかしくて心配で本気でドキドキしてしまった。
タフガイ役が得意のラッセルだから、犯人と闘えば勝っちゃえるかも、なんて少しも思いもしなかった、と。・・・・・・
そう。そうなんですよ、確かに。
私も同作品は見ましたが、ひたすら彼がうまく逃げおおせてくれることを願ってて、「ラッセルなら勝てるでしょ?」なんて、微塵も考えつきもしなかった。
それって、結構すごいことかも。・・・・
同じ人間を観ているはずなのに、まったく別人を観てる気に、観客がちゃんとなってる。
ここまでタイプキャストをうまく回避してる俳優さんも珍しいかも。
まあ・・・・・タフガイ役の直後に、『ビューティフル・マインド』の数学者ナッシュのような役をやれてしまう人だから、当然なんだけど。

しかし彼はほんとに、日本人ウケしなそうな俳優さんだよなー・・・・・。(笑)
ロバダニもそんな感じあるけど。
この『ロビン・フッド』も、今夏に公開されるのかと思ってたけど、日本は冬公開。
でも、公開されるだけありがたいっす。(苦笑)
下手すると、ラッセル主演作品、日本未公開になる可能性もあるもんな~・・・・・・・・・・・。


さて、今夜は、オランダとウルグアイの戦闘の日です。
起きられるかなー・・・・・・ここんとこ睡眠時間めちゃくちゃ。

モネの庭

2010-06-23 | ドラマ・映画・舞台の感想
■モネの庭~華道家・假屋崎省吾~
ここ最近で一番おもしろかった番組。
假屋崎さん個人をどう思うかというのは脇へ置いておいて、モネは、世界で一番好きな画家の一人です。
有名な『睡蓮』はもちろんのこと、モネの自然を描く筆致のすばらしさは人知の域を超えてると思う。
印象派と呼ばれていますが、私はなぜかいつも、その呼称に戸惑いを覚えてしまう。
モネほど、完璧な写実ができる人はいないと思うから。
実写の映像かと見紛うほどの臨場感、透明感、空間表現、温度湿度、音・香りまで漂う。
その画の前に立つと、実際にその場所に立った時に、自分がどういう感情を喚起されるかまでがはっきりと分かってしまう。
それはたぶん、モネが感じ抱いたものと、ほぼ同じなんだと思う。
モネ自身が、その目の前に広がる情景から何を感じ取りどういう気持ちになったのか・・・・。
キャンバスという2次元の小さな窓を通して、第三者にありありと伝えてしまう表現力。神業としかいいようがない。
自らが抱いた"印象"を他者に伝える絵だから、"印象派"と呼ばれるのかも知れませんが、完璧な写実や精確を極める構図構成なくして、ここまではっきりと具体的に他者に"それ"を伝えることは不可能だと思う。
リアリティという言葉の意味は、私にとって、モネの画にこそ秘められているというか・・・・・。
そしてこの番組を見て初めて知ったのですが、モネの描くあの庭の風景は、すべてモネ自身が構想し、取り寄せ、植栽し、育てた、完璧に人工による造形だったんですね。
私は、元々自然にあった池や木々をいくらかは取り入れて造ったものだと思っていました。
違うんですよね。
モネの理想郷を、驚くほどの美への執念を持って、粘り強く惜しみない愛情を注ぎこんで造り込み丹精したもの。
ああでも・・・・・なぜ彼がそれにこだわるのか、なぜ彼がそれを表現したいのか、なんだかすごく分かる気がするんです。
水面に映り込む朝の空気、煌めく水とその隣にある睡蓮の葉影の水の色の違いその深み、水辺の木々と水面の木々の葉の色合い、風にたわみ輝く裏葉、子供の肌に留まる陽光、木漏れ日・・・・・それらが彩なす世界のすばらしさにはきりがない。
その美しさをもっと広く知らせたい、多くの人と共有したいと思う気持ち。
そして実際に伝わる、その喜び。
大好きです。

■龍馬伝第25回
ストーリーはともかくとして、画の造り込みっぷりは相変わらずすごい。
夜の船着き場とその周辺の宿の様子、火影、船の形、職人たちの姿、日本の江戸時代はこんなにもロマンティックだったのだろうか・・・・と思っちゃった。
夏の風情もいい。(息、白いけど・苦笑)
風鈴の音、盥に水を張って蓮の花を浮かべ、の影でうちわを扇ぐ・・・・日本って、洗練された美しい文化の国です。
操練所の閉鎖も、長州のことも、武市・以蔵・弥太郎のことも、小理屈語らず今回は一旦スルーってことで。・・・・・

■ハーバード白熱教室
サンデル教授が来日して、特別講義を日本で開講するそうです。
舌鋒に覚えのある人は、参加申し込みできるそうですよ。(笑)
爆笑問題の太田さんにぜひぜひ参加してほしーなー・・・・・。
でも「ニッポンの教養」で、別途サンデル教授には取材に行きそうな感じもあるな。


あ!そうだ。
のぼう。萬齋さんに決まったんですね。
うん。妥当。

御用改めである

2010-06-17 | ドラマ・映画・舞台の感想
龍馬伝第24回。
なんだ、池田屋討ち入りのシーンも撮影してあるんじゃん。
桂小五郎逃亡のエピソードも。
もったいぶったのね、NHK。(苦笑)
しかしあんな新撰組みたい輩に、始終街中をうろうろされた日には、物騒で気持ちがザワザワして、安心して生活してられないわ。
殺伐とした時代だったのねー・・・・幕末。
それに。
勝的には、険呑な攘夷くささはなるべく消しておきたかったんだよね・・・・海軍操練所の死活問題だもん。
なのに、塾生が池田屋事件に名を連ねてしまっていたとなると、申し開きのしようが無い。
亀弥太のやったことは、操練所全員の足を引っ張る結果に・・・・・。
龍馬が説得に間に合って連れ戻すか、勝が破門した後だったらなんとかなったかも知れないけど。
亀弥太がしでかしたことの大きさを考えると、「みんな一緒に」という龍馬の大演説は、かなり虚しいものとなる。・・・・・
むしろちゃんと亀弥太の覚悟を確かめ、勝に進言させ、破門にしてもらっておくべきだったのかも。
まあすべては、後の祭りだけど。・・・・・
亀弥太問題にしてもそうだけど、武市夫婦や以蔵、その他幼馴染の仲間へのスタンスに関しては、弥太郎は弥太郎なりのやり方があって、私は龍馬よりも弥太郎の方が共感できるかも。その距離感の持ち方が。
だけど以蔵に何かするのは嫌だけど!!
以蔵のシーンは、辛くて正視に耐えましぇん・・・・・・・。


げつく。
えー・・・・・・・と。・・・・
確かこれ、オトナのラブストーリーとかいう触れ込みじゃなかったでしたっけ?・・・・・
どの辺りが、オトナでラブなんでしょう、か、・・・・・?
ひょっとして、脚本の浅野さんって、社会人経験がまったく無い人なのかな?
登場人物が、揃いもそろって仕事に私情持ち込み過ぎだし、「やり手の若社長」像にはまったく説得力ないし、これじゃあ日々会社勤めに励む世の人々の共感は、到底得られないんじゃないかと思うんだけど・・・・・。
どこにもオトナな部分がないし、ラブの気配も感じられないとはこれいかに?(苦笑)
「冷酷で仕事に厳しい社長が、時折見せる少年のような顔に女性たちはきゅんとする」とかなんとか、どっかで読んだような気がするんですけどー・・・・・ありましたっけ?そんなシーン。
あと「オーガニックな恋愛」とか「極上のラブストーリー」とか・・・・・ありました?
なんか二宮とシュウメイで二人して葉月のこと押し付け合ってるようにも見えるし。(苦笑)
もうさ、オセロ路線かハゲタカ路線ってことで、いいんじゃないかな?
オセロ=葉月、イアーゴ=風見、デズデモーナ=シュウメイ、エミリア=二宮、キャシオー=ミンってことで。
じゃなければ、ハゲタカ鷲津=葉月、芝野=大貫、西野=風見で。(兄弟で似たような役を・笑)
芝野(大貫)に請われ、業界に復帰し再び辣腕を奮う鷲津(葉月)。そして、西野(風見)に言い渡す。
「・・・・それは、金持ちになるってことじゃない。きちんと"事業"するということだ。」
どっちかって言うと、ぼんくら経営者葉月さんにこそ、必要な言葉と化しちゃってますけどね。(苦笑)
まあ・・・・・・龍馬伝で武市の南朋さんも、「生き方を変えられない」って言ってたしね。

にしても、東京DOGSもぐーだぐだ脚本で酷いデキだったけど、今回のはそれに輪をかけて酷いんじゃないかと・・・・・・・。
低レベルなものづくり。

授業メモ。

2010-06-13 | ドラマ・映画・舞台の感想
サッカーの世界にどっぷり漬かってて、帰って来てサンデル先生の授業を受ける。(笑)
プロゴルフツアーの話なんかも出てくるから、スポーツの意義という側面で、妙にリンクする内容なんだけど、頭がいろんな方面に思考を散らし過ぎてなかなか形がまとまんない。
世界最高峰のプロゴルファーでも、「ゴルフは本当にスポーツ競技なのか?」という根本的疑問を人々に持たれることを、とても惧れているそうです。(苦笑)


めもめも。

カントとロールズの正義と権利:
善や価値、目的を選択する自由を尊重すること。他者にも同様の自由を認めること。
自由であるためには、特定の役割、伝統、慣習にとらわれるべきではない。

アリストテレスの目的論:
最高のフルートを手にする権利があるのは、最高のフルート奏者。
それが名誉。フルート奏者の美徳。フルートの目的。
どのような個人の資質や秀逸さについて、名誉は与えられるべきなのか。
※美徳とは、実践し、自分で行動することによってのみ得られるもの。
正義とは、適合性のこと。
美徳や卓越性を備えた物は、ふさわしい役割を与えられなければならない。
→そこに自由はあるのか?

権利の議論には、目的や名誉という二つの要素が存在する。
分配的正義とは、カントやロールズの言う収入や機会の平等な分配だけではなく、アリストテレスの言う(政治的)権力や名誉の分配にも注目する。

1.権利は善に優先するのか
2.自由な道徳的主体とはどのようなものか

自由とは、自分の役割や目標、目的を選択できることなのか。
自由とは、自分の本質を見つけようとすることなのか。

めもめも以上。


・・・・・で、またサッカーの世界に帰ってくる。
NHKは、ルックスと知性、選手としての実績を兼ね備えた人に、解説者の役割を与えたようですね。(笑)
中田ヒデ・ツネさん・福西の男前っぷりにうっとり。
やっぱスマートでかっけーな・・・・・。スーツ最高。美しい。
だけど三人とも、不慣れでちょっと緊張しているのか、喋りはいまいちスムーズではなく。・・・・・・
喋りというスキルの実践による美徳がもう一つ、足りてなかったか。(笑)
でもNHKのキャスティングは、やっぱ好きかもー。



あ、あと。サンデル先生とはまったく関係ないけど。
ヤマト×キティ?
うーん・・・・・・アイアンマン×キューピーのぱくり?(笑)
アイアンキューピーは、前売り券を大量に捌くのにものすごく貢献したスキーム。
キューピー大増産(前売り販売増加)までしたんだよね、確か。
ま、映画業界で今はやりの戦略ってやつ?

三歩進んで二歩退がる。

2010-06-09 | ドラマ・映画・舞台の感想
龍馬伝第23回。
うー・・・・・・ん。
また、二歩退がる回、て感じだったかな。・・・・・・
脚本家の福田さんの悪いところが出ちゃった感も、なきにしもあらずで。
正義の主人公の、正論大演説?・・・・で、みんな感動、みたいな。・・・・・
私はあんまり好きじゃないパターンかも。
龍馬自身、「道はそれぞれに違う」と言ってるんだからさ、「仲間みんな一緒じゃなきゃ!」みたいなことを唐突に言うと、ちょっと説得力無いっつーか・・・・矛盾してるというか。・・・・・
勝の教え「日本人の多様性がありながらも一丸となっているところが強み」論みたいなものを、受け売りだか踏襲だかしてるつもりって体なのかも知れないけど。
でも流れとしては、ちょっと筋の通らなさの方が強く印象に残ってしまった。
まあ、ヒーローものを描く上での難しさが出てしまったのかも知れないけど。
ある程度は、ヒーローヒーローしたドラマチックなシーンを作らないと、シビアで理性的過ぎて、明るいエンターテイメントじゃなくなっちゃうっていう。・・・・・
亀弥太に言って聞かせた、
「目を覚ませ!時はどんどんどんどん流れてるんだ!」
というセリフはすごく良かったのになー・・・・。三歩進んだ感じがして。
新しい考え方や環境に馴染むことに疲れると、人は後ろ向きになりがちだから、それを叱咤激励して、前方を指し示して見せたというか。・・・・・
亀弥太のような人が、身に馴染んだものや昔から知ってるものに帰りたくなる時があるっていうのもわかる。
でも、自分にとって親近感があるからと言って、必ずしもそれが正しいわけじゃないんだよねー・・・・・。
むしろ、そういう判断で事を行うと、大抵、道から踏み外してることが多いような。
龍馬は黒船に遭遇することで、現実を身を持って体感しているからこそ、振り返らないし、振り返れないんだよね。
なのに、なんでまた唐突に、「みんな絶対に失えない仲間だ!」的お約束美談を披露するのかなー・・・・・。
"仲間"と呼ばれる一団は、新しい出会いによって常に変化していくもの、という前提があるのならいいんだけど。・・・・・
メンツに変化のない、旧友旧知だけで形作られた不変の一団ではなく、そこに新しい交友関係が加われば、全体の質は当然に変化する、それを"仲間"というのならば。
新しいの要素が加わったグループは、新しい形質を表わさざるを得ないんだよね。
人間の集合体って、すごく有機的なものだから。
そういう変化に、各要素がどれぐらい適合して行けるかで、脱落するものもあればより活性化するものもあって。・・・・・
福田さんが、「龍馬の人生は常に 『三歩進んで二歩退がる』を繰り返す」というのを大命題にしてるっていうんなら、分かる気はするんだけど。
なんか時々、歯がゆい気がしてならないというか。・・・・

池田屋のシーンも、ちょっと拍子抜けでした。
当然、壮絶な斬り合いのシーンがあるものだとてっきり。・・・・・
まあ、龍馬自身は関わってない事件だから、そんなもんなのかも知れないけど。
でもちょっと、時代劇らしい派手な殺陣を見てみたかったような気もしないでもなかったかも。(笑)



げつく。
なんというか。・・・・・・
終始ぽかーー・・・・んとしてしまう感じで・・・・・。
遠ーーーーーくから、紙芝居を見遣っているかのような。・・・・・
「ラブジェネレーション」や「二千年の恋」を見た時も、まったく同じ感慨を抱いたんで、まあ、これが浅野妙子氏クオリティというやつなんでしょうね。
その白昼夢のような、手触りや芯が感じられないストーリーの中で、特に違和感を覚えたのは、葉月の女性の扱いの、理解できない程の荒っぽさかな。
女性を乱暴に扱うエリートビジネスマンっていうのが、なんか凄く釈然としない。そんな演出って必要なのかなー・・・・・・。
冷たくて情が通わないって分にはいいんだけど、身体的に手荒過ぎるのは、なんだか粗野過ぎてビジネスマンじゃないって感じ。ヤンキーあがりのやくざみたい。
葉月は育ちが悪いって設定なのかな・・・・・?そういえば、ほとんどネクタイもしてないしね。
しかし"育ちが悪いエリートビジネスマン"ってーのも・・・・・なんだかなー・・・・・。
やり手のインテリア会社社長というより、成りあがりの運送屋兼家具屋って感じだよね。
あ、慈英さんはどうしたのかしら?
跡形もなく舞台から消え去ってしまったけど。・・・・

(追記)
そうだ。
"葉月がガチでそっち系"って路線も、完全になくなったわけではないんだよね。
偽装結婚だってないわけじゃないだろうし。
そう考えれば、ヘンに女性の扱いが乱暴なのも、理屈には合う。(苦笑)
嫌に自信満々に「お嬢さんには指一本触れてません」て言ってたことも、慈英さんの退職に妙にナイーブな反応してたのも、動物園で柚月に腕すら組ませなかったことも、シュウメイがベッドではなくソファで寝てたことも、すべて辻褄は合うんだけど・・・・。
二宮と馬が合うのは、彼女が男勝りの女性だから、とか。
柚月とは乙女な部分が合ったりして。(笑)
アルモドバル作品のキャラみたいなミンの存在も気になるし。・・・・
だったら、おもしろいんだけどなーー・・・・・。
じゃ、私の一押しは、やっぱ風見ってことで。(笑)

祝・復活!

2010-06-06 | ドラマ・映画・舞台の感想
ブラタモリが復活とのこと。うれしいな。
10月から来年3月までの半年間らしいけど。
情報がみっちし詰まった噛みごたえのあるものが好き。
さすがに取材に一カ月以上かけているだけはある。またタモさんが博識で、知的好奇心旺盛な人だから、広がりもあるんだよね。

楽しみな番組が増えるのは嬉しいけど、タイムスクープハンターは次回が最終回らしく。・・・・しゅん・・・・
だからこの前、深夜にまとめて再放送してたのね。・・・・
でもまた、第3シーズンがいつか始まるのでしょう。
期待しとります。

ここんとこ録り溜めて続けて見ているのは、ハーバード白熱教室という番組。
政治哲学のマイケル・サンデル教授の授業「Justice(正義)」をTV放送してるんだけど、いろんな意味ですごくおもしろいんだな。
政治哲学って、それそのものを学業として専攻したことがないんで、カントやらロールズやらの理論は、部分的には聞き及んでいても、ちゃんと全容や詳細を知ってるわけじゃなかった。
この講義は、ハーバードとはいえやはり学生向けというのもあって、分かりやすく順序立て噛み砕いてあって入り易い。
法治国家である限り、様々な法規や基準は、こういった哲学を元にして作られているんだなー・・・・・というのが自然と染み込んでくる感じ。
とりあえずは、前提を定義しないことには、ルール一つ決められないからねー・・・・・。
その定義が、どの程度揺るぎないものであるのか、反論できるとしたらどんな角度から斬りこめるのか、学生に考えさせ、より理論を発展させようとする狙いもあったりして。
学生さんたちの真摯さ、意欲もおもしろい。
しかしハーバードの学生の7割以上が第一子(長男・長女)という事実は、かなりびっくりしたな。(笑)
それが現実ってやつですかねー・・・・・・。
家庭環境というアドバンテージは、評価に公正を期そうとした場合、どう見積もるべきか。世の中は平等ではないんですよね。
私の考え方って、アリストテレスの正義論で止まってんだなー・・・・・というのが前回の講義でわかったわ。(苦笑)
古代ギリシア人と同レベルの、無垢な子供のような自然主義というか・・・・・・。(笑)
サンデル先生には自然児扱いされそう。