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Mental Blog

2006年からメンタルトレーニングの勉強を始めたMT初心者によるエッセイ。

ミラーニューロン

2009-02-25 09:00:23 | ポジティブシンキング
脳内にはミラーニューロンという神経細胞がある。
この神経細胞は、自分の目の前でおこるできごとを、自分におこっているできごとであるかのように映し共感する「鏡」のような役割をすることから名付けられた。
たとえば、自分の目の前で友達が梅干しを食べていたら、自分の口の中でも唾液が大量に分泌される経験を持ったことはないかな?
あるいは友人が泣いている光景を見てもらい泣きしたり、幸せそうな顔を見れば自分も幸せに感じてうれしくなったり…。
それらはすべてミラーニューロンの働きである。

このミラーニューロンの働きは、すばらしいプレイを見ることはイメージトレーニングに非常に有効であると考えられるが、今日はそういう話ではない。

いつも胸を張っていつもポジティブに考えろ、というのはMTの基本である。
胸を張って自信のある態度で振る舞うことは気持ちを向上させる。
ものごとをポジティブにとらえれば、自然と胸を張れるようになる。
姿勢と心理の連動の話だ。

だが、『リセット』ではネガティブのすすめもされている(引用部分青字)。
人の気持ちというものは乱れるのが自然の流れで、ポジティブなときもあればネガティブなときもある。そのネガティブを押さえつけてポジティブに振る舞い続ければ、必ずいつかバランスを崩してしまうという。
それゆえに、一日ぐらいは思いっきりネガティブな日があってもいいのだそうだ。
人間には本来反発の本能があり、落ち込むだけ落ち込むと、最後にはその落ち込みをはねのけ、グーンと底から強い感情がはねかえってくるらしい。
ときどきはネガティブな感情をもつことにより、ポジティブな感情が沸騰してしまうことを抑え、適度にクールダウンすることも必要なのだ。

ただし、ここでミラーニューロンの話に戻るのだが、そのマイナスな態度や姿勢や表情をみんなの前で表すのはよくない。
ネガティブな感情はミラーニューロンの働きによってチームに伝播してしまうからだ。
逆に考えればポジティブな自分をさらけ出せば、チームの士気も高まる。
ファインプレイがサイキングアップ効果をもたらすという話もしたことがあったよね。

静かに落ち着いて自分と向き合うほうが自分を受け入れやすく、その分気持ちの回復も早いという。
ネガティブになるときには、一人静かに内省的になろう。

ネガティブの解消

2009-01-30 18:35:30 | ポジティブシンキング
予告通りネガティブの解消について。

高妻容一『今すぐ使えるメンタルトレーニング 選手用』によれば、ネガティブシンキングの要因は以下の通り。
以下①~⑧まで一部引用(引用部分青字)させていただき、考察を加えることとする。

①試合で勝たなければと結果を考えることによるプレッシャー。
これについては、今年のチームには「勝たなきゃいけないんじゃない、結果はついてくるものだ」と常々呼びかけていることだ。
結果はあとからついてきて、君たちの力だけではどうしようもないもの。宝くじを買って「当たるかな?」と常に心配していることと同じ事だ。結果を気にするよりも「今」に集中することを心がけよう。

②いつものプレーができるかなという不安。
毎日練習してきたことを自信に変えよう。
つまりは自信を持てるくらい素振りに関しては数を振り、守備に関しては自信の持てるくらい集中することだ。
あるいは考えそのものを変えてしまえ。
いつもできていることができなくなる状況こそが試合の楽しさだ、とプレッシャーを「楽しむ」ことが肝要。
relax & funを常に胸に持とう。

③前に試合でミスしたことが思い出されて心配になる。
④失敗(ミス・負け)をしたらどうしようと不安になる。

プロでさえエラーをする。ましてや君たちがミスをしないわけがないじゃないか。
ミスを少なくすることが練習の楽しさであり、勝敗以上の「目的」にすべきだ。
「勝ち負けや出来不出来を気にするより」、「今」に集中しよう。
そうすればミスは減り、ミスが減れば勝利が近づく。

⑤ミスをしたら怒られるという練習環境のため、ミスを恐れる思いがある。
⑥監督が、試合でミスをしたら許さない(怒る)とプレッシャーをかけている。
⑦監督が、勝たなければ許さないぞ(怒る)とプレッシャーをかけている。

これに関しては、僕は「できないこと」より「やらないこと」を責めることにしている(つもり)ので、あまり当てはまらないかもしれないが…いや、オープン戦では一発交代もやっているので当てはまるか…。
もちろん僕の中では一発交代は「処罰」であるという認識はない。
「処罰」ではなく「反省材料として印象づける」という意味であると考えているし、君たちもそう受け止めてほしい。
ミスしても怒られなくなったら、そちらのほうが問題なのはわかるよな。
う~ん、なんだか監督という立場になってから自己弁護みたいで書きづらくなったな…ともあれ、厳しい叱責を「俺たちの為を思ってくれてるんだな」ととらえることがポジティブシンキングの面では大事なことだ。

⑧プレッシャーの原因を他人、物、環境のせいにする習慣(考え方)がついている。
ある意味これが最も重症だ。
一流選手ほど、プレッシャーの原因を自分以外の他の条件のせいにはしない。
審判のジャッジにいちいちイライラしてもそれは自分ではどうしようもないもの。
イレギュラーだってマウンドの状態だって同じ。
天候に至っては相手も同じ条件であると考える。

繰り返し述べておこう。
セルフコントロールできるようになるには、ポジティブシンキングができることが大前提。
そのためには「楽しむこと」。
「感謝の気持ちを持つこと」。
「人のせいにしないこと」。

不満・不安を常に抱えている人間は絶対に伸びない。
ポジティブシンキングができない人間は絶対に勝てない。
断言しておく。

さてさて。
さきほどのミーティングでの話。
僕はこのクビをかけてでも君たちに強くなってほしいと思っている。
その決意がある以上このクビが飛ぶのは一向にかまわないが、くれぐれもケガのないように集中して練習してくれ。
そして強くなってくれ。

ポジティブシンキングは集中力を生む

2009-01-29 10:45:26 | ポジティブシンキング
わがチームでは最近自分にプレッシャーをかける工夫を取り入れ始めたばかりだ。
発端はケースノックやゲームノックなど、試合に近い形での状況下でミスが連発することを受け、どうやったらプレッシャーに勝てるようになるか…という試行錯誤の段階に入ったからである。

今やっているペナルティーをつけるメンタルトレーニングがたったひとつの正解ではない。
セルフコントロール能力が未熟な場合、プレッシャーをかけることで逆につぶれてしまう選手も出てくることも事実だ。
だからといって今のこの「プレッシャートレーニング」をやらなくていいという訳ではない。
このプレッシャー下において
①「いかに試合に近い心理的状況で練習ができるか」、
②「いかにセルフコントロールを行うか」、
以上の2つの課題があることを忘れないでほしい。

上級生はすでに実戦でもセルフコントロールする訓練を積んできているはずだ。
だから①の課題「いかに試合に近い心理的状況で練習ができるか」をどんどん追求していってほしい。
一方で経験未熟な下級生は今はひたすら②の「いかにセルフコントロールを行うか」を追求してほしい。

で、だ。
いくらメンタルスキルをやってもセルフコントロールができません。
という選手に対して、今日はアドバイスを送りたい。
原因はいくつか存在する。

ひとつは、まだ練習中に徹底してメンタルスキルを行っていないということ。
多少なりとも工夫は見られるようになってきたが、まだ「空を見上げる」程度で済ませている選手が多いのではないかな?
何度も言うが、上を向くのはいい。ただし、あるポイントを「意識して」見つめないと気持ちの切り替えはできないし集中もできない。「意識して」見るには漠然としたものを見るよりもあるはっきりとしたポイントを見つめることだ。つまりはフォーカルポイントというやつだ。
打撃練習でも守備練習でもどれだけストイックにセルフコントロールを意識できているか。まだまだ甘い。

ふたつ目の原因は自分の持っている思考回路そのものに問題があるということ。
「ペナルティー」という言葉を聞いてどう思うか。
「やだなー…ミスったら飛ばなきゃだ。先輩もこえ~し…」という思考を持っている選手はセルフコントロールなどできっこない。
逆に「なんであいつのミスで俺まで飛ばなきゃなんないんだよ…」という先輩も一緒ね。
ようは、ネガティブな選手にはセルフコントロールは不可能であるということだ。
ネガティブシンキングは集中力を阻害するからね。

ネガティブは不安や不満を生み、
不安や不満は集中力を妨げ、
集中力の欠如はパフォーマンスを低下させる。

ネガティブな思考はトレーニングで変えることができることを知っておこう。
そのためには日頃からポジティブな考えを持つことが必要になってくる。
入試休みに出るであろうたくさんの課題にも感謝。
監督・コーチの厳しいトレにも厳しい言葉にも感謝。
両親の小言にも感謝。
「逆境を楽しむ」とはそういうことでもある。

ポジティブは不安や不満をなくし、
心の平静は集中力を生み、
集中力はパフォーマンスを向上させる。

具体的にポジティブシンキングを育てるのは、昨日の50の質問。
昨日は1ヶ月後という話を書いたが、プリントアウトし、毎日読み返してももちろんかまわない。
次回は具体的にどういう思考をどう変えるべきかの話をしよう。

プラス思考になる50の質問

2009-01-28 16:06:24 | ポジティブシンキング
単純な練習の繰り返し。
しんどくなって自然とモチベーションも下がってくるであろうこの時期。
「プラス思考になる50の質問」というものを載せてみよう。
高妻容一著『今すぐ使えるメンタルトレーニング 選手用』より引用(一部改)。

以下すべてyes/noで答えてみよう。

1 チーム内に不平・不満があると、やる気や集中力などの練習の「質が低くなり」、いくら練習しても上達につながらないと思う。
2 チーム内に不平・不満があれば練習の質が低くなり、結局は試合に勝てないと思う。
3 不平・不満があるということは、自分が悪いのではなく誰かが悪いのだと思う。
4 自分ではなく誰かが悪いのだから、自分は反省する必要がないと思う。
5 反省がなければ、人間は努力をやめてしまうし、そこには上達はないと思う。
6 やる気がないのは、自分のせいだと思う。
7 練習が楽しくないのも、今やっているスポーツが楽しくないのも、自分のせいと思う。
8 チームの雰囲気が悪いのも人のせいだし、このまま自分が泥沼にはまりこんでも仕方ないと思う。
9 どうせやる気がないし、練習ものらないから、楽しくないこの状況を誰かが何とかしてくれるだろう。
10 勝てないのは監督のせいだから、監督の考えが変わるのを待とう。いつまでも!
11 メンタルコーチや誰かがなんとかしてくれるだろう。
12 今の状況でやれることをやるしかない。
13 人に流されるのも、頼りにするのも、結局は自分次第だ。
14 何でも人のせいにしたり、不平・不満を言うのは、マイナス思考だ。
15 マイナス思考では何も解決できないと思う。
16 どうせやるなら、楽しいほうがいいに決まっている。
17 私は、何をすればプラス思考で、楽しくプレーをできるか知っている。
18 練習、試合、チームメイト、先輩、後輩、監督、コーチが好きだ。
19 自分は18の意見に賛成できないマイナス思考人間だ。
20 自分のマイナス思考は他人に絶対迷惑かけないと宣言します。
21 他人に迷惑をかける(足を引っ張る)ようならクラブをやめます。
22 自分はマイナス思考で、人には絶対迷惑をかけていない。
23 自分のプラス思考は、チームに貢献していると思う。
24 今やっているスポーツが好きだ。
25 今やっているスポーツが好きなら、練習も楽しいはずだ。
26 練習が好きなら、うまくなるはずだ。
27 試合が好きなら、勝つ可能性も高まるはずだ。
28 勝ちたければ、練習が基本となるはずだ。
29 勝ちたければ、私生活も節制すべきだ。
30 勝ちたければ、授業・生活などのすべての内容も役に立てるべきだ。
31 勝ちたければ、監督を信頼すべきだ。
32 勝ちたければ、監督とコミュニケーションをとるべきだ。
33 勝ちたければ、チームメイトとコミュニケーションをとるべきだ。
34 勝ちたければ、勝つための練習をすべきだ。
35 勝つために、毎日練習している。
36 勝つことより、大切なことがある。
37 勝つために努力することで、何かを学ぶことができる。
38 異性との交際、テレビゲームなどで高校生がダメになるケースが多いと言われている。たしかにそうだ。
39 異性との交際やゲーム、マンガなどは気分転換として有効だ。
40 異性・遊びなどで自分がダメになることは絶対にない。
41 生活が楽しくて仕方がない。
42 高校生活が送れるのは、親のおかげだと感謝している。
43 スポーツができることに感謝している。
44 学校・チームの人間関係は、将来役に立つと思う。
45 スポーツ界の特質は会社組織と同じであるため、将来役に立つと思う。
46 体育会系の先輩・後輩制度は、社会の縮図である。
47 引退後・卒業後に自分のやりたいことは決まっている。
48 今やっているスポーツが将来役に立つ。
49 自分の人生にスポーツは必要なものである。
50 今、スポーツをやることが、自分の人生を豊かにしてくれるだろう。

どうだろう。ポジティブな気持ちになれただろうか。

上の質問に正解・不正解はない。
ないが、即答できずに迷った箇所が、自分のポジティブシンキングにおける課題なのかもしれない。
フィジカルな測定と同じくこの質問を1ヶ月後、そしてまた1ヶ月後と、繰り返し問いかけてみよう。

試練を楽しむ

2008-09-19 19:10:22 | ポジティブシンキング
ポジティブシンキング。
最近これに関する記事を書いていない。
「逆境」に強くなるにはこれこそが必要不可欠なメンタルスキルである。

僕は今忙しい。猛烈に忙しい。
しかも明日休校になったり日曜に試合ができなくなったりしなければ、再来週の研究日まで3週間休みなしで働き続けることになる。
この逆境をどう乗り切るか。
僕はこの忙しさを誇りに思うことにしている。
「これだけ忙しい教員なんて主事の他は俺ぐらいだろ!」
「夏休みだって俺ほどクラブに出た教員はいないだろ!」
とりあえず本校で「一番」だと思うことで、自分の忙しさを誇りに変えている。
連続出勤も3週間連続は今までない。あっても2週間だった。
「記録更新!」
今までで「一番」エグくても、なんでも「一番」になるのはいいことだ。
これこそがポジティブシンキング。

芸人のアンタッチャブルのネタにこんなのがあるのを思い出す。
お小遣いを月に120円しかもらっていない高校生(柴田)とその親(山崎)の設定だ。
柴田「小遣い上げろよ!俺、学校でなんて呼ばれてるか知ってんのかよ?」
山崎「なんて呼ばれてるんだ?」
柴田「安売り王だよ!!」
山崎「よかったな~。王様じゃないか~!!」

これこそがポジティブシンキング。

辛いトレも試練。
打たれても試練。
打ち上げても試練。
エラーしても試練。
逆転されても試練。
監督が不機嫌でも試練。
叱られてもいじめられても試練。
すべては強くなるための試練。
その試練を楽しんでやれ。
最後に笑えれば、それでいいじゃないか。
それくらいの心の強さがなければ、メンタルで勝つなんて言えないよ。

ただ、ポジティブシンキングと反省をしないのは別だからね。

…台風がそれても試練。