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Mental Blog

2006年からメンタルトレーニングの勉強を始めたMT初心者によるエッセイ。

作戦と縦の視野

2015-05-11 16:30:06 | ケーススタディ
ストライクエンドラン。
この作戦とヒットエンドランには、打者が手を出すかどうかという差がある。

どういうケースでこの作戦が選択されるか確認しただろうか。

A)カウントが若い場合
基本的には変化球ケースで出される作戦。
走者を次の塁に進めてチャンスを拡大し、打者に任せる。
しかしストライクがきた場合、ヒットエンドランと同じ形で最低限進塁打、あわよくば更にチャンスを拡大したい。
スチールとの差は、そこにある。
従って、足が中級程度の走者にも出していきたい。
足が遅い場合は、ヒットエンドランにするだろう。
カウントが若いので、もし裏をかかれてウエストされた場合は打者にはカットしてほしい。

B)ボール球がきたら四球をもらえるカウントで出される作戦。
0-3ではさすがに出さないが、1-3、2-3でその可能性が出てくる。
1-3の場合は「更なるチャンスの拡大」を狙って出され、2-3の場合は「最低限併殺を防ぐ」という消極的エンドランと同じコンセプトになってくる。
この場合、選べば四球なので球種は限定されない。
2-3ではほぼ毎回出す。
特に序盤は必ず出し、ゲーム後半にはそのカウントからくるであろう高目のストレートを狙い打ちしたい。
遠征でのT捕手(一二塁)といい(選べば満塁)、昨日のW外野手(一塁)といい(選べば一二塁)、ボール球に手を出してチャンス拡大の好機を棒に振ってしまった。

ところで。
昨日W外野手に確認したかったのは、1-3での配球の件である。
彼に出す前に一度1-3でストライクエンドランを仕掛けた。
昨日は一試合目から盛んに足を使った。
そういった伏線のもと、俺が大好きなカウントにも関わらずあのとき1-3で何も出さなかったのは、ストレートを読んで打ってほしかったからである。
最後の球も速い球が二つ続けば、そりゃ最後は緩いのくるでしょ。
しっかり読んで引きつけられていれば、ボール球に手は出なかったはず。
まだまだ頭が使えていない。
その前に縦の視野がない。
技術不足の一言では片付けられないプレーである。

受け身でサインを受けている下級生がまだまだ多い。
「やっぱ出ると思ってました」と言えるようになってほしい。
そうしないと作戦なんて成功しない。

このチームの得点力を上げるために ~スリーバントとエンドラン

2015-05-07 19:15:34 | ケーススタディ
中盤に点が取れない。
ここが、このチームの今ひとつ突き抜けられない弱点である。

たとえば序盤はエバースからの二球目ヒッティング・あるいはそこから三盗をからめて点を取れる攻撃パターンがある。
しかしながら、その後攻めあぐねて、結局完投投手の疲れてきたところを終盤に叩く、というパターンでしか点が取れていない。
継投でかわされたら、終盤の得点も不可能に近くなる。

そこで、一度ヒッティングを見せた後で緩急を入れていきたいのだ。
その選択肢の一つ目はエバーススチール。
これは研究中だが、走力のあるランナーに限られるので確実に点を取れる攻撃とはなりにくい。

二点目はバントへの切り替え。
遠征初日のF一塁手に出したサインだが、あれを確実に決められるともっと楽に点が取れるようになる。
そしてバントでいえば、スリーバントが決まるようになるとなおいい。

エバースやヒッティングを見せた後だから、内野手のプレスも弱くなる。
そこでコースにそれほどこだわらずに(もちろん捕前は論外だが)、打球の勢いを殺すことを最優先して決行してみたい。
エバースで1ストライク→2球目ヒッティングファール、となると、ヒットエンドランを決行するにはカウントが整うまで待たねばならない。
2-0になってしまうと、なかなか苦しい。
ファールで粘りながら一つボール球をもらったとしても、2-1。
確実に変化球が来る場合でないとストライクエンドランもきつい。
ウェストが可能なカウントだからだ。
ということで、追い込まれてからでもしっかりとバントを決められるようになれば、もっと展開は楽になるだろう。
(まぁ、上級生はその前の1ストライク後でしっかりと内野を抜いてほしいが…)

そして、スリーバントが失敗したとしよう。
そうなると一死一塁となる。
ここでとられうる選択肢はヒットエンドラン。
0死一塁でもカウントによってはとりうる作戦だが、一死ではより確率は高くなる。
この作戦は安易に送りバントを選択しないうちの攻撃の核となる作戦。
しかしながら、成功率(転がすという意味での)があまりに低すぎる。
コンパクトなフルスイングができていない証拠である。

スリーバントは失敗すると一気に嫌な流れになる。
なのであまり選択してこなかったが、例え失敗したとしても、次にヒットエンドランで確実に転がせる自信があれば、その嫌なムードも振り払うことができる。
そもそも、単純な送りバントを選択しないということは、併殺が起こりうるという危険性のもと攻撃を行っているということ。
スリーバントを失敗しても走者は残るわけであって、そこまで落ちる必要もない。
ただし、その前提としてエンドランの正確性が必要になってくるということだ。

スリーバントとエンドラン。
中盤にしっかり点を取るためにも、この二つの作戦は今後ブラシュアップしていく必要がある。
今日の練習を見る限りにおいては道のりは果てしなく遠い。
が、あと2ヶ月で完成させよ。

内野守備陣形のはなし

2015-05-06 09:03:35 | ケーススタディ
二年生のプレーに自信が生まれた。
非常に大きな収穫を得た遠征であったといえる。
下級生の育て方というものを学ばせてもらったよ。

F一塁手にしてもT三塁手にしても動きがまったく違っていた。
特にF一塁手はあんなに打球捕りにいってたっけ?なんていうプレーがいくつも見られた。
T左翼手の最初の四球の選び方についても、あんなに雰囲気のある選び方は上級生でもなかなかできない。
これで上級生も、今まで経験させてもらってきた二年生も、あぐらをかいていられなくなったな。
ぽんぽんフライを打ち上げる奴はいらない。
しっかり強い打球を転がせる奴のほうが、チームコンセプトに合っているからな。

さて、昨日の二試合目で気になったことを述べておこう。
これは難しい問題で基準もなかなか明確にできない話であったのでうやむやのうちにここまできてしまった。
三塁ないし二三塁の内野の守備陣形についてである。

春の県大会で一点の重みを体感したはずだ。
この大会に入るまでは「くれてやればいいじゃん」ってのが俺のよく発する言葉だったが、その価値観が変わった。
一回戦では、下位に対して後ろをとらせ、その点が後々まで大きく響いたよな。
内野の守備陣形は、イニング・点差・アウトカウント・打者(その次の打者も含めて)で考えていく。

三塁。
序盤は相手投手から打線がどれだけ点が取れるかは未知数だ。
どういう走者(エラー→ワイルドピッチ…って感じで進んできたら、もうしゃあないよな)が三塁にいるかってのも考えていきたいのだが、序盤同点は基本前。
不確定要素が多すぎるし、リードはやりたくない。
一点二点勝っている場合は「どういう走者か」ってのと「打順」によってこれが後に変わる。
一点勝ちでも下位ならば同点は避けたいので攻めたいし、上位ならば次のチャンスを作られたくないので守ってもいいだろう。

例えば一点リードで0死三塁・打者6番。
ここで一本出て、その後バントなどの進塁を許しつつもその後の失点の可能性は確率的に低くなる。
一方で打者1番の場合、一本出た後に進塁→中軸に回るので「一点やってやむなし、それより傷口を広げないようにしよう」というところである。
一死三塁の場合はたとえ一本出たとしても、その後はバントケースではないのでそんなに恐れる必要もないだろう。
中盤以降は、相手から点が取れる取れないが分かってくるし打者との相性もわかってくるので、その材料を加味して行こう。

二三塁。
このケースでの守備陣形は、上記の判断要素によって、後・二走ケア(二もしくは遊が残る)・前進の三パターンに分けて考える。
二走ケアと前進の違いは、一本出た時に何点差がつくか、という話になる。
例えば相手投手と自軍の打線を比べて、「○○点差」ついたら厳しいな、というところでその点差の範囲内の走者が二塁にいるときは二走ケア。
それ以上開いてしまった場合は、もう前に出て勝負するしかない。
一点もやれないわけだから。

そうやって考えて陣形を変えてごらん。
俺に「聞く」んじゃなくて、お前たちで「考えてから確認する」、という形をとるんだよ。
現場に出ているお前たちの感覚の方が正しいときもあるんだし、頭を育てないといけないからな。

縦の視野がなければ試合中の緩急なんてわからんよ

2015-04-30 11:18:23 | ケーススタディ
今シーズンは学ぶべきことの多すぎるシーズンであった。
投内連係のこまかいこだわりや牽制が武器になること。
ポジショニングの考え方。
序盤に特定の球種をつぶして選択肢を絞ることの大切さ。
二打席目での修正・エンドランを含めた打ち分けの徹底の恐ろしさ。
一点の重さ。
いつもは大会後に総括をするが、まとめきれないほどのことを学んだ。

にもかかわらず、あのエンドラン見落としはあり得ない。
サインの見落としというレベルの話ではない。
ボールカウントやケースごとの戦術の考え方を、このチームが発足した当初から教えてきたはずだ。
一死一塁、打者8番。
併殺に終われば次の回は9番から攻撃が始まることになるケース。
ボールカウントは1-2でストレートがくるタイミング。
エンドランは基本ゴロ打ちだから、走者がスタートを切らなければ高い確率で併殺になる。
足が遅いからエンドランが出ない、ではない。
遅いからこそ併殺を防ぎたいからこそ出すんだよ。
併殺になるばかりではなく次の回の攻撃に支障をきたす恐れのある重大なミス。
だから激怒したのだ。
ノーサインだとしたら「おかしいな?」と思わなければならないケースだろ。
結局戦術も受け身でいるから、ああいうことが起こる。
縦の視野が狭すぎるんだよ。
頭がまったく使えていない。
上のパラグラフに書かれていることと比べて、いかにレベルの低いことか。

そして縦の視野でいうならば、継投・代打についてもそうだ。
確かに俺の中では先発のN投手はどれだけ苦しくても5回まで引っ張るプランはあった。
が、なかなかつき離すことができない展開の中で、5表にN投手に打順が回る。
次の1年生N投手は、初登板で当然そこまで頭が回らない中で、誰が準備を急がせたというのか。
代打陣もたしかにスイングをしながら準備はしていたが、その準備に具体性がない。
自分の出番がどこになりそうか、試合展開を読みながら準備しないと。
これも散々言ってきたこと。

下級生の成長がチームの夏の進撃の大きな鍵となる。
そう述べた直後に、お前たちはどれほど変われたのかね?
どれほど変わろうという意志があるのかね?

大会中に述べたよな?
試合の緩急が分かってないって。
その試合の緩急というものは、縦の視野が備わっていないと分かり得ないものだ。
ベンチがまだまだ機能していない。


視野ついでに話をしておくと、K左翼手とO中堅手の接触プレーもO中堅手の周辺視野が働いていれば、バックアップにまわるべきところ。
もちろん声を出さないK左翼手も悪い。
相手捕手がポロっているのに、一走にまったく指示を出していないところからも、マウンドにいないK選手は視野が狭すぎる。
あのエンドランサインミスでも、周辺視野で走者がスタートを切っていないのを確認できたら、際どい球に手を出すべきではない。
もっともこれは本来ありうべからざる指摘だが。

一死三塁を作る

2015-04-29 17:47:27 | ケーススタディ
ケースバッティング。
上と当たって連打が期待できるわけではないこのチームにおいて、これが生命線である。
今日これだけ苦しんだ原因の一つは、進塁打を打てなかったことにある。

走者二塁と走者三塁の違いは何か。

二死ならば二塁も三塁もあまり違いがない。
もちろん、二死三塁ではバッテリーエラーを含めたエラーで点はもらえる。
が、それはもらい物に過ぎず、我々が目標とするステージにおいてはそれほど期待できるものではない。
二死二塁は打ちゴー、あるいはボールカウントによってはストライクゴーという走塁になるので、「点を自力で取る」という観点においてはあまり変わらず、むしろ二塁に走者を置いていた方が一二塁間ないし三遊間が開くので、動かずにいた方がいい場合もあるだろう。

だが、一死二塁と三塁は大きな違いが生じる。
一死二塁では、センターラインやレフト方向へのグラウンダーの打球では一歩目が切りづらいので、なかなか一本では還ることができない。
しかしながら、三塁に走者がいれば内野は前進守備をとることになり、強いゴロでもヒットが生まれやすい。
内野手が後ろに陣形をとったとしても、センターラインへのゴロで一点をものにすることができる。
外野にフライが飛べば犠飛にもなりえるし、一死三塁というケースは打者にとってプランが立てやすいケース。

そう考えると一死三塁を作るということは、相手から点をもらいやすいばかりでなく、攻めることのできるケースなのである。

このケースを作ることに、ちょっとこだわってみようか。
エバースをしっかりできれば、初球スチールも決まりやすかろう。
ブルペンに下級生投手がいるときに、体が空けばエバースの練習もしなさい。
スチールのスタート練習も兼ねて、そしてその後の進塁打の練習も兼ねて、走れる選手が無死一塁にいる場合は積極的に逃がすことにしよう。
本当はその試合最初のバントケースではできないことだよ。
相手バッテリーがバントケースにどういう球種で入るかわからないままに決行するのはギャンブルだ。
だからこそ最初はエバースなの。
だが、練習する機会が限られてくるので、オープン戦では仕掛けてみよう。
M遊撃手なんかがストレートでも盗めるようになれば、これは新しい攻撃パターンになるだろう。

二盗してバント、でもいいんだが、それではあまりに芸がない。
バスターで進塁打を打ち、あわよくば無死一三塁を作る練習をする。