砂の女

2009-10-27 19:20:18 | 携帯だお(^ω^ )
砂の女/安部公房


■あらすじ(wikipediaより)

主人公は砂漠に新種のハンミョウを採集しに向かうが、砂漠の中の村で寡婦が住む家に滞在するように勧められる。村の家は一軒一軒砂丘に掘られた蟻地獄の巣にも似た穴の底にあり、はしごでのみ地上と出入りできる。一夜明けるとはしごが村人によって取り外され、主人公は女とともに穴の下に閉じ込められ、同居を始める。

村の家々は常に砂を穴の外に運び出さない限り、砂に埋もれてしまうため人手を欲していた。村の内部では、村長が支配する社会主義に似た制度が採られている。主人公は砂を掻きだす作業をしながら、さまざまな方法で抵抗を試みるのだが……。


■感想

読みすすめていくうちに、じめじめとしていながら、砂が体にまとわりつき肌の水分が失っていくような感覚に襲われる小説。
穴や、女性、脱出、砂が、それぞれのキーワードが何かのメタファーなのだろうかと考えて読んでしまう。
恐らく現代社会がどんどんと進歩すればするほどに、この小説がもつ特異性、陰湿製というのは輝きを増していくだろう。


賽の河原のような終わりのない作業を続けていくなかで、男の精神状態は「どうかしている」状況に陥っていく。
最後の結末は肩透かしを食らったように思ってしまうかもしれないが、それすら何がしかの哲学的な意味を持っているように思えるし、実は全ての答えを拒否しているようにも思える。



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