エアコンの効きが悪いってことだったんで、一度点検してみて問題がなければエアコンガスクリーニングをしてみようって話をしていたんですが、入庫直前にエンストしてその後は全くエアコンが効かなくなり、レッカーでの入庫となりました(^_^;)
スズキ アルトラパン HE22S 2010年式 126800キロ


コンプレッサーロックですね(゜o゜;
ピクリとも回りません(^_^;)

そしてベルトは無惨な姿に(>ω<)
先方に必要な部品を伝えて作業に取り掛かります(^^)/

コンプレッサーの脱着にはフロントバンパーの脱着も必要になるので取り外しました。

スズキの軽自動車はエアコンの低圧バルブがコンプレッサー付近にあるので、この状態のほうがバルブにアクセスしやすいんですよね〜

アクセスしやすくなったバルブにカーエアコンサービスステーションのホースを接続して、エアコンガスを回収します(^^)/
あまり効いてなかったとのことだったので大して入ってないのかな〜と思ってましたが

まさかの410グラム(^_^;)

規定量は320グラムですのでオーバーチャージされていたことになりますw(°o°)w
エアコンの効きが悪いからガス補充をしたことがあるとは聞いていましたが、、、
エアコンガスが少ないのは効きやコンプレッサーへの負担増など悪いことだらけで良いことは1つもありませんが、多いのも当然良いことはなく(^_^;) 多いことで圧力が上がり過ぎて効きが云々ではなくコンプレッサーの作動停止にも繋がります。最悪は液圧縮によるコンプレッサーの破損も考えられます。
今回のコンプレッサーロックが過充填によるものかはわかりません(>0<;)

エアコンガスの回収が終わったのでコンプレッサーから配管を外して

コンプレッサーを取り外します!

取り外したコンプレッサーですが

プーリー部分にはベルトが焼き付いてゴムが付着してます(^_^;)

配管の接続部分から中を見るとカラッカラな感じがしますね(^_^;)
オイルは何処へ、、、

コンプレッサーの故障で修理をする場合には、エアコンシステム内にコンプレッサーで発生した鉄粉が回ってることを想定した処置が必要になります。
部品を取り外して洗浄剤による配管洗浄や根本的に部品を交換するのが一般的ですが、当店ではカーエアコンサービスステーションを使ってエアコンガスを利用したオイルフラッシングをしています♪
利点としては部品を取り外さなくても済むことと洗浄後の洗浄剤を除去する必要ないことですね(^^)
当然ながら部品交換もしないので、それら一般的な方法よりも安価に仕上げることが出来ます!
一番ダメな方法はコンプレッサーを交換するだけの修理方法。一番安価な修理方法になりますが鉄粉がシステム内に残っていると、交換した新しいコンプレッサーにエアコンガスが循環すると同時に入り込むので、いずれコンプレッサー内が傷付いて再び壊れます(^_^;)

今回はバックリターン10回で洗浄です!

まずは真空引き。

その後はエアコンガスを液体のままエアコンシステム内に流し込んで配管やコンデンサーなどを洗浄。

途中に設けられたフィルターで鉄粉などのスラッジを取り除きます。


充填、回収を10回繰り返して洗浄作業終了♪

システム内に残っていたエアコンオイルはエアコンガスと一緒に回収したあとに、エアコンガスから分離して廃棄となります。

左が今回のオイルフラッシングに使ったフィルターで右は新品。
廃棄オイルもそうでしたが黄色っぽくなってるのは蛍光剤のせいですね。鉄粉はそれほど多くなかったです(^^)

洗浄が終わったのでリビルトのコンプレッサーを取り付けて、、、の前にクランクプーリーにもベルトのカスがこびり付いてたので除去してから取り付け。

通常の接続に戻して

自動モード(通常のエアコンガスクリーニングですね)で真空引きをした後にエアコンガスを充填します。

充填完了(^^)/

作業完了後の状態は、、、
圧力は適正範囲内で吹き出し口温度は14℃でまずまず。

エンジン回転数を上げると、、、
高圧が上がり低圧は下がって正常な動きをしてます。吹き出し口温度も11℃まで下がったので十分だと思います(^^)/
修理代を安価にする提案は大事ですが、安価になることに依るリスクの説明をしない提案や、そもそもリスクを認識していないというのは以ての外です(^_^;)
特にエアコン修理に関しては多くの整備工場で設備や知識が足りてないと思います。量販店やガソリンスタンドなどになると更に。
ディーラーですら自社でやってる所は少ないですからね(^_^;)
エアコンが効かないからといって安易にエアコンガスを補充するのは、、、止めましょう(^_^;)
圧力だけではどれだけ入っているのか?は絶対にわかりません。
一度回収をしてゼロ点を作ってから規定量を充填するのが現在のスタンダードです(^^)/
もちろん真空引きをしてシステム内をカラッカラにすることも必須!空気や水分はあってはいけないんです!
皆様からの整備のご依頼をお待ちしています。