休むに似ている

「バカの考え」だけに(笑)。

ブラック・ジャック・ザ・リッパー

2007年05月06日 | マンガ
メスで切り裂く切り刻む

NHKハイビジョンの手塚治虫特集。
ほぼ知ってた話ばかりだったけど、
悪書追放運動で槍玉に挙げられた時のエピソードで、
手塚と共にPTAの前で自己反省迫られた人のインタヴューがちょい新味。
今では出版社そのものが悪書のレッテル貼られないように
PTAと似たような(ある意味、もっと酷い)自主規制してるんだけど。

未来の子供たちがこんなに変わるの手塚先生は予測してました的な
代表的作品として、短編『1985への出発(たびだち)』
挙げられていて、ううむなるほど確かにと一人で納得。
しかし見てたら………みんなで(アーケードの)戦争ゲームに熱中し、
手に手に玩具の武器を持って「本物を撃ってみたい」などと言う、
今の大人に理解できない子供たちが出てくるの
手塚先生は懸念していたのです、てなとこで終了。

………おいおい、肝心な部分を省略するんじゃないよ>NHK。

あの作品は戦災孤児になった3人が、1985年にタイムスリップして
世相の変化に驚くのも確かにメインテーマにはなってるよ。
でも、その未来ではその3人が、あの戦争であれだけ悲惨な目に
あったにも関わらず、その体験をすっかり忘れてしまい、
儲けのために武器を売って大金持ちになってました。
……という巨大な皮肉が込められてたんじゃなかったっけ。
んで、そんな大人には絶対ならないぞと誓い、
三人が別々の道を歩んでいく、てな話じゃなかったっけ。

調べてみたら、ああ、あの玩具の武器を売ってたんですね>あの三人。

てゆーか、そういうの見越した上で、
現在の日本に見事に的中してる作品セレクトした
NHKグッジョブと思ってしまった自分は何だったんだと。
何であの肝心の部分省略したんだろ。
あまりにドンピシャ過ぎて笑えないからとか。