がちゃ三毛庵~猫よ、花よ~

東京の一角。ご近所から次々合流してきたネコたちと暮らす・・・いけばな徒然日記

オッサン同士

2014-06-19 | Weblog
玄関扉を開けると、マカロニ&ポテチが外廊下へ飛び出す。

よほど居心地が悪い家なのか、と思われても致し方がないが、
階段を上がってくる足音が聞こえると、
一目散で家に逃げ帰って来るので、逃亡目的ではなさそうだ。

その証拠に、ポテチは階段を上がったり下りたりしながら、ニンゲンと一緒に建物内を散歩するのを日課にしている。
ワタシって慕われているかもしれない、と、ささやかながら思える時間だ。

“歩く緊張感”と呼び声高いニンゲンと暮らしているとは思えないほど、くつろいでいる。

小さな陽だまりを見つけた。





だが、こんな平和なお散歩の日々は長くは続かなかった。

一昨日のこと、1階下のお宅の玄関が、夕涼みのためなのか、開いていた。
この家には、お年を召したオスの黒猫が住んでいる。
とっても人懐っこいので、個人的にはお友達である。

さて、ご想像とおりだが、お散歩の途中で扉が開いていることを発見したポテチ様は、
正々堂々と家の中に入って行ってしまったのである。
飼い猫とは仲良しだが、ヒト同士は廊下で会ったときに挨拶をかわす程度。
まさか、ポテチを追いかけて他人の家に不法侵入するわけにもいかない。

玄関には長い暖簾がかかっており、這いつくばらないと中が見えない。

仕方がない。囁き程度の声で“ポテチ!ポテチ!”と呼びながら這いつくばってみた。
ポテチは優雅に体をユラユラさせながら、あっちこっちの角に鼻をこすり付けている。

クロちゃんが近づいてきた。だが、天真爛漫に育ったポテチにはまったく動じる様子がない。
むしろクロちゃんが驚き慌てている。
このお宅には(人間の)オジサンがお暮しになられているはずなのであるが・・・
『オジサン!出てきてくれ。見知らぬオッサン見ればポテがビックリして戻ってくるだろう』
との願いもむなしく、
どうやら、オジサンはお風呂に入り始めてしまったような音が聞こえる(風呂場の小窓が廊下に面している)。

風呂場で寛いでいる他所の家のオジサンに『上の階の者で~す』と声をかけるわけにもいかず(“オッサン専門のノゾキ”や“風呂ストーカー”と思われるのが一番困る)、
思案に暮れながら這いつくばっているワタシの視界から、ポテチの姿は徐々に確実に奥に消えていってしまった。

ポテ様におかれましては、自分のニオイが全くない異空間が楽しくて仕方がないご様子。
興味津々&冒険心に満ち溢れてしまった足取りである。
もはや声も届かない。存在も全く忘れているに違いない。

仕方がない。這いつくばっているのを風呂上がりのオジサンに発見されるのも意味がわからん。

ネコと暮らしているオッサンが、ネコ嫌いなこともなかろう。

恐らく大抵の「ネコと暮らしているヒト」は、他所のネコが家の中をウロウロしていることには寛大だろう。
他所のイヌが家の中をウロウロしていると、犬の飼い主の中には大騒ぎをするヒトもいるが、
ネコに関しては、せいぜい“どこから来たの?”と声をかけるくらいで、保健所に通報されることは、まぁ、無い。
あまりにもカワイイと監禁されてしまうくらいである。
かつて一度も“泥棒ネコ”呼ばわりされたことがない飼い主ともども、その点は全く心配には及ばないのはありがたい。

それから20分ほど経った後、ポテチは無事、すごいスピードで階段を駆け上がって来た。
風呂上がりのオジサンと出くわしたに違いない。
目が真ん丸になり、シッポがボワッとしている。

以来、散歩コースには気を付けているが、
ポテチは懲りた様子もなく、冒険空間にワープするチャンスを窺っているのが伝わってくる。

たいへんなご迷惑をおかけしてしまったオジサンには、まだ会えていない。
が、オジサンの家の扉は、それからも毎日、ネコが入り込めるくらいに開いているのは確かである。
もしかしたら、たまに遊びに来るかもなぁ、なんて、楽しみにしていてくれるのかもしれない、
と思うのは、ポジティブすぎるだろうか・・・お互いのキモチ、まだ確認していない。

~おまけ~
塀を飛び越え、プライベートスペースでゴロゴロする、むっちゃん。
汚れてもわからないような色合いで良かった。
ここは相当、汚い場所である。




~おまけのおまけ~
ホッとする空間




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