がちゃ三毛庵~猫よ、花よ~

東京の一角。ご近所から次々合流してきたネコたちと暮らす・・・いけばな徒然日記

誰が育てるか~庵主エッセイ風味 No.4~

2012-04-30 | Weblog
一緒に暮らしているネコたちは、全員、外で出逢った。
事情はともかく、理由もともかく、ご機縁に引き寄せられ、
一つ屋根の下、一緒に暮らすことになった。

だから、親も出生も様々である。
本来ならばネコ社会で、雨風&太陽の下、虫や鳥を取ったりしながら、
子供を作ったり、育てたりする一生を送っているはずのところ、
幸か不幸か、ニンゲンにとっつかまってしまい、
去勢&避妊を施され、閉じ込められてしまった。

ニンゲンさまが言うところによれば、
「せめて、交通事故で死ぬ確率だけはゼロになった。
それだけでもワタシ(ニンゲン)はシアワセだ。
ご飯場にやって来ないあなたを探して歩いて、心配する手間も省けた。
ありがたいことだ。」
とのことだ。
まさしくニンゲン勝手な言い分である。

このように、同じ釜の飯を食う間柄になると、
誰に育てられたか、
そしてどんな人格ならぬニャン格が形成されることになったのか、
が、個性とリンクして、如実に現れる。

むっちゃんは、公園のゴミ箱の中から救出された。
ミルクをニンゲンから貰うところから始まったので、
いわゆる「ヒト」に育てられた。
当時、むっちゃんの面倒をみてくれる人手が多かったので、
ある意味、大勢の人々がむっちゃんの成長を見守ってくれた。
ワタシは子育てが得意ではないので、実は仔猫とのご縁が薄い。
現在、庵には、完全に「ヒト」に育てられたネコはむっちゃんだけである。

むっちゃんは、限られたメーカーの、限られたフードしか興味を示さない。
が、コーヒー豆のニオイに吸い寄せられてみたり、
スナック菓子を物欲しげに眺めたりする。
ニンゲンの男性が大好きである。
走り回って他のネコとも遊ぶが、決して、誰かと添い寝をしたり、
他のネコに話しかけたり、鼻ツンなど挨拶をしたりしない。
むしろ、唸り散らして、寄せ付けないようにする。

一方、ミンミンは、くるみチャンが一所懸命面倒をみていたのを
複数のニンゲンが知っている。
生っ粋の「ネコに育てられた猫」である。
やむなく早めに親と離されてしまったが、
ネコ社会のルールは、チャンと親から教わっている。
ネコともヒトとも「知り合いであれば」、同じように話しをし、挨拶もする。

他のネコも、明らかにネコに育てられたネコたちである。
お互いの挨拶の仕方や、喧嘩の仕方、収め方を良く知っている。
ネコ社会にも、ヒト社会にも適応しているのである。

そして、もう1つ。
ネコに育てられた猫の方が、ヒトに育てられたネコより丈夫だ。
外で一所懸命、子育てをしている母親が、
十分なエサを子供たちに提供できていたとは思えないのであるが、
また、
丈夫でない子は、早くに振り落とされてしまった
(見捨てられてしまった)のかもしれないが、
生き残って、ある程度まで母猫に育てられたネコたちは、
いざとなると、何でも食べる。
精神も強い。
根性も座っている。

ペットブームと言われて数十年。
街には生後○ヶ月、みたいなチビッちゃいのが高値で売られている。
中には大きくなった子も展示されているが、
あくまでもニンゲンに育てられている間に売れ残ったのであろう。
自分の親に育てられている間に大きくなったのではない。

小さなヨチヨチはかわいいかもしれない。
でも、子育てに興味がないワタシから言わせれば、
そんな小さな生き物は、本来は、同じ種族の親が育てるものであり、
違う種族がミルクを与えるべきではない。
(どうしようもない状況では、どうしようもないが....)

ネコはネコの親が、
イヌはイヌの親が、
そしてヒトはヒトの親が育ててこそ、
一人前になったとき、他の種族とも交流を持つことができるのである、
とワタシは思っている。
ヒトが育てたからといって、その動物がヒトになれるわけではない。

動物たちと暮らす決心をするのであれば、
せめて、親離れが終わった動物を引き取っていただきたい、
と、色んなところで喋らせてもらっている。


庵の玄関。左に覗くはミンミンさん

2012年4月も、がちゃ三毛庵一同、お世話になりました。
お蔭様で無事に元気に過ごすことができました。
八百万の神様に感謝報恩。

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