SF ホラー映画 groan ファイル

過去まったくの忘れ去られた無名作品から現代の最新映画にいたるまで邦画洋画 SFホラーを主軸とした作品を幅広く公開日記 !

キンドレッド (THE KINDRED)

2008年02月23日 | 解説 interpretation
許可なき者絶対に入室を禁ず最新の現代科学研究、そのバイオ・テクノロジーが生み出したのは、(人格)を持った化け物だった。新しい生命の誕生と創造。それは全知全能の神と、そして女性にのみ与えられし特権。命ある誕生は即ちこの世に生を受ける事への喜びと歓喜。だがしかし時として、その特権に嫉妬をした悪魔は死んでしまった死者をも甦らせて、魂を売り渡してしまったマッド・サイエンティストの博士は、ついに恐るべき新しい(生命体)を創り出してしまう。そしてバイオ・テクノロジーが深化を遂げた今、ヒト、そして(節足軟体動物)が一つになって世にもおぞましき怪物「キンドレッド」が今、生み落とされた  アメリカはサンフランシスコにあるDNA遺伝子工学研究所に勤めるジョン・ホリンズ(デビッド・アレン・ブルックス)は、「プリオン」と呼ばれるたんぱく質からなる、アルツハイマー病の原因究明となる鍵の物質研究に日夜から勤しんでいた。研究所の中では、細菌兵器の研究では、第一人者として世に知られたという彼の上司にあたるラーソン・ロイド博士(ロッド・スタイガー)からも将来を有望なる人材とまでに期待をかけられていた。そんな時に彼の尊敬する女性科学者であり、母親でもあるアマンダ・ホリンズ(キム・ハンター)が、体調を崩して入院している病院から、一人息子のジョンにどうしても話しておきたい事があると、病室に呼び出される。彼が病室に急いでかけつけると、彼の母は、ジョンが生まれ育った海の近い丘の上に建つ実家。その家の中にある「へモシアニン」なるその全ての関する研究資料と記録を全部破棄して、焼き捨ててほしいと言う。またこれは大変有望な研究だが、この実験が下手に後々に成功してしまえば、世にも恐ろしい結果になると ・ ・ ・ 。まるで遺言のように語る母だが、「アンソニーの日記」を見つけ出してそれを焼却して焼き捨ててと、そこを強調した。その後に母親は死去して、疑惑と疑念に取りつかれながらもジョンは何十年振りかに、久し振りに実家へと向かう。そして記録の処理を手伝ってもらうために同じ研究所で働く研究員の仲間達数人と共に一緒に帰省をすると、そこはお化け屋敷のように荒れた家だけが取り残されていた。家の中に入り、二階に上がると、ジョンの部屋はいつの間にか研究室へと変貌していた。やがて研究資料の破棄や記録の整理をする彼らに、家の地下室の地下に潜む「アンソニー」と呼ばれる怪物が、目を覚まし、やがて彼らに恐るべき襲撃を開始する
1986年に米国で製作されて、その二年後1988年にはジョイ・パック・フィルム映画会社の配給で日本全国劇場公開をされる運びとなる。
結論を言ってしまえば完全なる怪物クリーチャー映画であります。西洋人の欧米人が最も嫌うヌルヌル、ペタペタするような、日本人が朝食などで良く食べる例のあれです納豆や生卵のぬめぬめ、ねちゃねちゃにちゃーぁが、この映画にはやたら多く良く度々に登場をします。監督には、殺人鬼のスラッシャーもの「血の学寮」と、念力の超能力もの「ザ・パワー」を撮ったジェフリー・オプロウとスティーブ・カーペンター二人の共同監督。筆者は前作の二作もしっかりと観ましたが(でも、昔にレンタル・ビデオで観ただけの映画なので記憶が曖昧です)だがしかし演出手腕はビデオ・パッケージの解説にもあるように格段に上達しているといえます。特筆すべきは、夜に車を運転中の研究員の女性が突如、車の中に放置していた果物の西瓜の中から現れたクリーチャーの触手が彼女の顔面皮膚下を這いずり回ったり、レフリッジ(アマンンダ・ぺイス)という「へモシアニン」の特殊薬で全身を犯されてしまった母親の葬儀に現れた謎の女性が、薬の薬品効果が切れてしまうと、全身が鰓のある魚介類の魚である奇形人間に完全変貌してしまったり、「アンソニー」と呼ばれる怪物が海洋生物の大きな蛸の触手で攻撃してきたり、(どうやらヘモシアニンとは、海洋生物から採取した一種の薬品らしい)SFX特殊メイクの用い方、その効果も大変良く、このクリーチャー創造にはマイケル・ジョン・マクラッケンがあたっておりますが、実験効果の失敗、そのなれの果てである研究所の地下室に閉じ込められたフリークス・ゾンビの群れなどなど、特殊メイクも大変お見事コンピューター・グラフィックスのCGが全盛期である映画界の現在、あくまでデジタルではなく、アナログで全て撮っている点には、低予算のB級ものではありますが、かなり注目するべき怪物クリーチャー・ホラー映画だと思います。そしてキャストの方も、「夜の大走査線」「悪魔の棲む家」初期のオリジナル版、スチュアート・ローゼンバーグ監督作では、悪魔と戦うデラニー神父を演じたアカデミー賞のスターである名優のロッド・スタイガーが、今作ではかなりのマッドでクレイジーな頭のイカれた、ロイド博士を演じているのもかなり注目です。またジョンの母親アマンダ・ホリンズにはアカデミー賞受賞の名作「猿の惑星」でチャールトン・ヘストンと共演して台詞もほとんど無い、口のきけない原始人女を演じたキム・ハンター。名の通った役者陣が映画全体をがっちり固めております。映画のクライマックスでは汚水の溢れた台所シンクから、「エイリアン」のフェイス・ハガーを連想するような、怪物が突如飛び出して女性の顔面にぴちゃりと張り付く場面などなど、そのシーンにファンならば思わずニヤリとするのではないでしょうか ? ただ残念なのは、ディーン・R・クーンツ原作の映画化である「ウォッチャー 第三生命体」に出できたような幼児性と人間性をやや残した醜く酷い残虐なるクリーチャーが、主人公の男に反撃攻撃を受けて倒れてしまい、ラストのシーンでとても大事にしているぬいぐるみの人形を抱いて死んでいくクリーチャーに比べると、この作品では子守唄を聞くと、クリーチャーが急におとなしくなる点では、ちょっとだけ説得力にかけているような気がいたしました。何よりも、何で息子を怪物のいる危険な場所に行かせたのか ? などと疑問も残りますが、それなりに楽しめる映画であります。

最後になりますが、はっしーさん、smile・Nさん。また貴重なるコメントをどうも有り難うございました「ポゼスト」もう拝見したでしょうか ? もしもつまらなければ、それは筆者の責任でもあります。ではぁまたぁ

ポゼスト 狂血 possessed (besat)

2008年02月17日 | 暗闇の祝祭日
そのウィルスに感染したものは、人間ではない《 何か 》になってしまう  死の瞬間、戦慄の蘇生が始まった。凍りつくような映像の病院系ホラー+ウィルス・パニック・ムービーの要素を併せ持つ本格派サスペンス・ホラー映画作品今作は1999年にデンマークで製作をされて、その後、2000年に日本全国劇場公開をされる。『キングダム』の映画でざらついたような荒い映像と、奇形児のようなフリークスを登場させた強烈なる戦慄のホラー映画で、世界のホラー映画ファンを納得させて、席巻したあのラース・フォン・トリアー監督。その彼が今後の若手育成のために設立した製作会社【ゼントローパ・エンターテイメント】が将来にわたり最も期待をされる若手監督として見出された新鋭監督が、今作のアナス・ロノウ・クラーロン監督。
1995年、デンマークにおいて(ドグマ95)と呼ばれる映画 監督の集団が結成をされる。我が国の日本でも「セレブレーション」「ミフネ」と(ドグマ95)で製作をされた映画作品が立て続けに次々に公開となり、注目を集めてご存知の方も多いと思います。さて ・ ・ ・ 繰り返しになりますが、本作品は、その(ドグマ95)の提唱者の一人でもある、デンマーク映画界の中心人物にあたるラース・フォン・トリアー監督「キングダム」そして「奇跡の海」などのラースが見出したアナス・ロノウ・クローラン監督が現代に放つサスペンス・ホラー映画の最高に驚くべき傑作であります。今作が1999年のトロント映画祭で公開をされると、「この映画には様々な(驚き)が隠されている。即ち謎解きをしようとする度にガツーンと一発食らうような衝撃を幾度と無く受けるだろう ・ ・ ・ 。と賞賛されております。
さて、その肝心要の物語STORYは、1999年の冬、ルーマニアからデンマークはコペンハーゲンに、夜、荷物の鞄も何も持たずに飛行機でやって来た浮浪者のような怪しげなる格好の中年男が、同じ飛行機に搭乗して、その日の勤務フライトを終えたスチュワーデスのスッチーが機を降りて自分の自宅に帰ろうと従業員専用の駐車場に向かったところ、突如として現れたその男に腕を捕まれてしまうと、どういうわけか失神してしまう。街中全体で突如起こる謎の停電その後、駐車場には倒れた男だけが残されており、その後は何故か、彼女の姿も車も無かった。やがて、駐車場の管理員によって発見された男は、近くの病院へと担ぎ込まれて、運ばれて医師達に伝染病の疑いをかけられながらも治療を受けるが、程なくして急死してしまう。腐敗したような全身、そして激しい痙攣、何よりもベテランの熟練した医師達を驚かせたのが、その全身を覆う夥しいHIVのエイズような肉腫。男の腕には、なにやら犬に噛まれたような化膿した傷跡等 ・ ・ ・ 。これは、現代でも最強でもっとも恐ろしい最悪のウィルスでもある、世界でも病原菌微生物危険度レベル4とまで決定をされている、エボラウィルス出血熱の症状に酷似しているが、死んだ男の血液を採取して血液検査にかけるも答えは陰性。しかし、現代医学がまったくの最新医学を持ってしてでも、経験もしたこともかつて無い未知のウィルスであるあるとみた疫病学が専門で、疫病科の野心家、青年医師であるソーレン(オーレ・レメケ)は、ウィルスの起源を求めて、病院の院長の制止もまるで耳を貸さずに、単独で調査を開始する。発病したルーマニア人の足跡をたどってブカレストまでやって来た彼は、同じように彼に同行した医学生の恋人であるサラ(キアスティ・エリーネ・トアハウグ)が止めるのも聞かずに、凶暴なる野良犬に噛まれたという感染源である少年の子供の墓を掘り起こして、埋められた遺体から注射器で髄液サンプルを苦労に苦労して採取する事に成功するが ・ ・ ・デンマークはコペンハーゲンの病院に戻り、他の医師に検査の髄液を回すと、その二回も繰り返したという同じ検査結果に、ソーレン医師はあまりの検査報告に愕然としてしまう ・ ・ ・ 。それは、人間の血液では無くまったくの(動物の血)であった。

この映画が製作をされた当時は、1999年の丁度、人類滅亡とまで言われた
1503年から1566年の16世紀に生まれたフランスでの大預言者、ミッシェル・ノストラダムスが人類滅亡の代名詞とまで噂された【諸世紀】の「恐怖の大王が空から降りてくる」と翻訳されて、ついにこの1999年には世界が人類が滅亡する終焉の年と何かと話題になった年でもありましたさて、この本作の中でも、同じく宇宙のステラ マーラなる(古典ラテン語で邪悪な星という意味)超新星が赤い月となり、宇宙では不思議な現象が次々に起こっており、その星が地球から見える位置により、(星型)ペンタグラムとなり悪魔の印となるなど、またこの現象が宇宙で起こると、イエスではなく悪魔(サタン)が誕生する。といった意味ありげな内容になっておりました。ここまで読めば大概のホラー映画ファンの方ならば、あのリチャード・ドナー監督、グレゴリー・ぺックの主演した超名作であり、世界中で大ヒットを飛ばした悪魔ホラー映画「オーメン」を思い出された方も多いと思います。まぁ似てはおりますが、粗筋的にはこちらはまったくのオリジナル・ストーリーであります。
また、今作にはその神出鬼没な悪魔を阻止しようと、キリスト教で修道会の司祭、星占術家のビンセント・モローに(ウド・キアー)が演じており、これがかなり、何処までも執念深く、感染者を追跡する男で、徹底的に息の根を止めて殺してやろうと、秘密兵器には自家製の火炎瓶を使うなど躍起になっおり、映画全体を引き締めております。そして映画の医師の台詞の中に、コペンハーゲンには(アトランタ)なる疫病対策センターが実在していて、その目的とは、恐るべき伝染病の感染患者の【治療】をする事は二の次で、その患者を隔離して完全管理する事にあるというのが、どこか私自身がその台詞に頷いてしまいます。
かつて、「ゾンビ」のジョージAロメロ監督の撮った初期の映画に「ザ・クレイジーズ 細菌兵器に犯された街」があり、他にもダスティン・ホフマンの主演映画で最強で最悪のウイルス感染を描いたエボラウィルス出血熱のパニック映画「アウトブレイク」など ・ ・ ・ 多数に伝染病映画作品は製作をされていますが、そういった街全体の人々が爆発的に次々に感染していって、街の住人が次々に死に絶えていってしまうような、ド派手な映画では本作はありませんが、( 犠牲者の数もせいぜい4人程 ・ ・ ・ )しかし戦慄を感じるような緑、赤、黒色を基調とした薄暗いコントラスト照明映像に怖さを感じてしまいます。何よりも、実際に動物種の絶滅を招く要因は主に森林伐採、狩猟、密輸、であり、特に森林伐採は深刻で種の絶滅を招くだけでなく、ウィルスやバクテリアの菌類の開放にもつながると ・ ・ ・ それらは生物の接触で変異して人類がかつて遭遇したことの無ない未知の危険なる疫病に生まれ変わるかもしれないと。今後の2011年には(エルス)いう名の新ウイルスが出現する予言もあり、1994年にはインドの国全体の全土を覆った人類歴史史上
中で(最悪)の伝染病ペストなど現代でもペストの恐怖はいまだに薄れておりません。かつて、ノストラダムスがまだ、フランスにいた頃は黒死病が流行して多くの市民が死に絶えましたが、彼はいち早くに原因をつかみ、フランスはパリ
市民の全てに入浴して清潔にする事をつねに促しました。(この当時のパリ市民は、排泄物の汚水も排便も全部を家の窓から片っ端に投げ捨てて、着ている服も下着も滅多に洗わずに着替えなかった。それは獣は風呂に入らない、動物のように子孫を残せると考えられていたため。)しかしながら、彼の言ったとうりに清潔にし始めると、黒死病は完全におさまり、わずか石鹸一個に、悪魔の病は完全に街から滅び去ったわけですが、そのためノストラダムスは逆に魔女扱いをされてしまい、宗教裁判にかけられて火刑になって処刑される寸前にパリを逃れて逃げ出したために無事に助かったといいます。今現在、私の使っているパソコンPCもそうですが、今後は世界中の何処から恐るべき(未知のウィルス)がやってくるのか ? わかったものではありません。
最後にこの映画の中で、数少ない感染者が、背中に銃弾を食らっても、全身が炎に覆われて火達磨になっても、それでも生き返っては、また他の人間に感染させるシーンはかなりホラー的で圧巻ではありました。ウィルス感染をホラー映画的に、逆説的に捉えた映画であり、観る価値は十分にあると思います。

 参考 文献 「 ジェセリーノ 未来予知ノート ジュセリーノ・ノーブレガ・ダ・ルース著 ソフトバンク クリエイティブ 刊 」

「世界の奇病・感染症マップ 自然からの逆襲が始まる 医学 博士 仲原 英臣
佐川 峻 共著 経済界 出版 刊 」

 

ウルフェン (WOLFEN)

2008年02月02日 | 解説 interpretation
(ウルフェン)ーその獣の視力は、人間の魂をも直視し ! その聴力は、人間の思考音をも聴き分ける、その嗅覚嗅力は、人間の行動をも先を予測し ! そして、恐るべきその攻撃力は現代科学の推移を駆使してもそれを遥かに凌ぐthere is no defense ! (防御 不可能) ・ ・ ・ さて、かつて、確か ・ ・ ずっと古い今はもう廃刊になった、週刊誌の漫画である雑誌の連載中に、(ウル)なる漫画作品がありました。これは(ヤング サンデー)だったと思うのですが、漫画の作者の名前も私はもう忘れてしまいましたが、ですが、そのちょっとしたあらすじなのですが、(ウル)なる生まれたばかり賢い小犬が、謎の悪党組織の人間の手により飼育されて育てられて、成長するにしたがい、序々に完璧に任務を遂行する警察犬それ以上の、殺人犬として特殊な訓練トレーニングを日夜受け始める。やがて成長した(ウル)は要人暗殺から、銀行強盗まで ・ ・ ・ etcいろいろな特殊な任務に配置されて、組織の人間と行動を共にするようになるが、しかし、とある偶然にも(ウル)が、敵の攻撃に傷ついて深手を負ったときに、傷を癒してもらい、出会ってしまった人間の若い女性の愛を、知ってしまってからは、骨の無い腑抜けのようになってしまい、彼女をついには母親のように懐き、何故か従い始めてから、組織の超越した催眠マインド・コントロールから覚めてしまった(ウル)は、任務を忘れて平凡な生活を彼女と共にいとなみ送ろうする。その事を知ってしまった闇組織は、怒り狂い、何も知らないその女性を事故に見せかけて暗殺し、闇に葬り去るが最早、用済みとなった(ウル)をこの世から、ありとあらゆる手段と方法で、抹殺しようとする。しかし、彼女の死を知った(ウル)はそれまで培った素質とパワーで、逆に報復と逆襲の復讐に燃えるため、日本全国各地の放浪の旅と逃亡が始まる。組織は(ウル)を抹殺するために、全国を何処までも追跡し始める。まぁこういったストーリーなのですが、この漫画を覚えている方はいらっしゃいますかね ?
その(ウル)の漫画ではありませんが、こちらの(ウル)は米国の洋画の方であります。制作年度は、1981年の秋。日本全国劇場公開作品。ハヤカワ文庫、モダン・ホラー・セレクション・シリーズから刊行された原作 小説である、ホイットレー・ストリーバーの書いた(ウルフェン)より、原作の小説を完全映画化であります。私は原作を読みましたが、原作を読んでから映画を観るか ? 映画のDVDを先に観てから、それから原作を後から読むかは、個人にお任せします。でも読み応えは十分にあります。映画の制作には、ルパート・ヒィツィグ、監督には、マイケル・ウォッドレー。主演にはイギリスの中堅名優、アルバート・フィニーなどなど他 ・ ・ ・堅実な顔ぶれが揃っております。さて、その物語になりますが ・ ・ ・ その事件、それはいきなり、米国は先進諸国アメリカではじまった。何の前兆もなく、何の理由もなく、そして何の痕跡も残さずに、アメリカの市民が次々と姿を消し始める。一日の行方不明の者の数は数百人。さすがにここまでくるともう単なる失踪事件とは言えない。そんな中、真夜中のニューヨークはマンハッタンで、やがて発見される若い富豪夫婦とガードマン兼運転手の惨殺死体。三人とも首や手足が、何か鋭利な物で裂き切られている。犯人の持つ凶器は鋭利な刃物なのだが、ガードマンは、護身用に回転式リボルバー拳銃38スペシャルをも持っていたというのに ・ ・ だがしかし、あれだけの事件なのに、凶器の金属のかけらさえも発見が出来ない。巨大な国アメリカの国民全員は、日を追って膨れ上がる得体の知れない黒い恐怖に脅えはじめる。
マニアックな変質狂による殺人か ? あるいは、政治的なテロリズムによる犯行殺戮なのか ? それとも ・ ・ ・にわかに信じがたいが、人間の理解の範疇を遥かに超えた ! 何者か ? の出現なのか ? そんな中、やがて一人の刑事(アルバート・フィニー)が、テロリズム専門の女性心理学者(ダイアン・べノーラ)とチームを組んで、この困難な捜査に挑んで行く。(それ)とは、得体の知れない恐怖への応戦。世界一のマンモス都市ニューヨークを走る、正体不明の四本足の黒い影。しかし、(それ)は、高度な現代科学・そして心理学を持ってしても解明不可能。そして誰もがそれの脅威からは逃れられない ! 殺害現場から採取し発見をされた謎の狼の毛これを唯一の手がかりとして事件を追う追う刑事と女性心理学者。だが、アメリカは米国ニューヨーク周辺に野生の狼が生息するは筈がない。しかし(それ)は、人間を遥かに超えた頭脳と、視力、聴力、嗅覚で、刑事と女性心理学者の思考と行動を見ぬき、また鋭い攻撃を加えるために四肢淡々とチャンスを狙っていた。捜査の段階で、進展に伴って、次第に浮かび上がる黒い狼の影とインディアン伝説の深い関わり。生物学者達のそれへの戦いに似た肉追。そして17世紀にアメリカを獲得した征服者の怪死、
現代富豪資本家の都市計画に対する犠牲者達の不気味な呟き。やがてこれらが一気にラストの対決クライマックスへ突き進んで、想像を絶する恐怖の正体を明かしていく。(それ)とはいったい何か ! ? 刑事の男とその事件に同調する友人の黒人科学者の一人が、(それ) の現れそうなニューヨーク郊外にある広大な廃墟の建物跡で、深夜、道に落ちた針の音も見逃さない、数倍の威力を誇るパラボラ付き高性能な集音マイクに、耳にはヘッドフォン、高感度の無線レシーバーでお互いに声のやり取りしながら、数百mの距離を真っ暗闇でも、真昼のように見渡せられる赤外線ナイト・スコープ・ビジョンをそれぞれが自分のいる場所に設置して(それ)が来るのをひたすら我慢強く観察。武器にはセミ・オート式、羆をもを一発で倒すほどの威力を誇る0339マグナム弾を発射する、M93 スナイパーライフル銃で狙いを定めながら(それ)がやって来るのをじっと監視する場面などは、私は劇場で観ていてかなり圧巻でした。またこの映画ではかつてない異常な恐怖ドラマを表現するべく、映像とサウンド双方の技術面で画期的な実験を試み、身震いするほどにホラー・ショッカー効果を生み出す事に成功していおり、特に、その特殊現像によるソラリゼーション効果は恐怖感を大きく増巾しております。この斬新な映画手法は当時、ケムトン方式と名づけられましたが、その当時はアメリカ映画界でもこのケムトン・エフェクトの話題で持ちきり。世界はまた一つ脅威の映画システムを獲得したともいえます。当時の映画配給会社の東映での、映画宣伝のキャッチ・フレーズは ・ ・

《地上には ・ ・ 我々人類の想像出来ないような(もの)が存在している。
それは我々に死をもたらす生きもの ・ ・ ・人間は一人づつ、確実に狩られていく 》でした。

最後になりますが、はっしーさん、smile・Nさん貴重なるコメントをどうも有り難うございます。また良かったら宜しくお願いします。fzhihiro112