訳詞の森365

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青花瓷 ―周傑倫

2021-03-12 | 台湾ポップス(中国語)


夢のやうな一曲。
方文山の、古典美とロマンチシズムに溢れる詞と、それにぴったりの周傑倫の夢見るやうな曲が一体になって得も言はれぬ陶酔に誘はれる。名曲中の名曲。原詞の美を損なはぬやう現代日本語に移すのは至難。「値下がり」を起こさずに詩を訳すのはそもそも難しいものだけれども。

青花瓷

素焼きに描いた青絵の花
その筆勢の濃き薄き
描き出したる牡丹花は
まるで初めて化粧した君
窓から漂ふ白檀の香に了然
画仙紙に走らす筆を擱く
釉薬で美人図を染め
匂ひは独り心に納める

君の嫣然たる微笑は
今まさに綻ぶ蕾
君の美は飛び去って
僕の手の届かぬ所へ

天青の色は煙雨を待ち
僕は君を待ってゐる
竈の煙はゆらぎ上り
川を隔てて千万里

往古の洒脱に倣ふ瓶の底の隷書は
君に逢ふための伏線

天青の色は煙雨を待ち
僕は君を待ってゐる
月は掬ひ上げられ
結末はぼやかされた

古き青花磁が自らの美を悦ぶやうに 
君の眼は笑みを含んでゐる

白地に青き錦鯉
碗の底に踊るやう
宋体の落款を写す時
君を心に写し刻む
君は窯の火の千年の秘密に隠れ
刺繍針のごと繊細無比

簾外の芭蕉は驟雨を呼び
門の銅環は緑青を誘ふ
江南の小鎮は君を招く
山水を描く水墨画
その墨色深くに君は潜む

天青の色は煙雨を待ち
僕は君を待ってゐる
竈の煙はゆらぎ上り
川を隔てて千万里
往古の洒脱に倣ふ瓶の底の隷書は
君に逢ふための伏線

天青の色は煙雨を待ち
僕は君を待ってゐる
月は掬ひ上げられ
結末はぼやかされた

古き青花磁が自らの美を悦ぶやうに 
君の眼は笑みを含んでゐる


青花瓷

作詞:方文山
作曲:周杰倫
編曲:鍾興民

素胚勾勒出青花筆鋒濃轉淡
瓶身描繪的牡丹一如妳初妝
冉冉檀香透過窗心事我了然
宣紙上走筆至此擱一半

釉色渲染仕女圖韻味被私藏
而妳嫣然的一笑如含苞待放
妳的美一縷飄散 去到我去不了的地方

天青色等煙雨 而我在等妳
炊煙裊裊昇起 隔江千萬里
在瓶底書漢隸仿前朝的飄逸
就當我為遇見妳伏筆

天青色等煙雨 而我在等妳
月色被打撈起 暈開了結局
如傳世的青花瓷自顧自美麗 妳眼帶笑意

色白花青的錦鯉躍然於碗底
臨摹宋體落款時卻惦記著妳
妳隱藏在窯燒裡千年的秘密
極細膩猶如繡花針落地

簾外芭蕉惹驟雨門環惹銅綠
而我路過那江南小鎮惹了妳
在潑墨山水畫裡 妳從墨色深處被隱去

天青色等煙雨 而我在等妳
炊煙裊裊昇起 隔江千萬里
在瓶底書漢隸仿前朝的飄逸
就當我為遇見妳伏筆

天青色等煙雨 而我在等妳
月色被打撈起 暈開了結局
如傳世的青花瓷自顧自美麗 妳眼帶笑意