BORN To RUN
~LIVE To RIDE RIDE To LIVE~ バイクの整備・ツーリングのお話です。
 




 オートバイ、自転車、釣り、電気工作及びオーディオを趣味としておりますが、季節の移り変わりのように気の向くまま楽しんでおります。
 最近は、もっぱら古いオーディオの整備に夢中です。

 オートバイの整備は、約25年やってきて、故障の診断や修理も整備書を見ながら自己流で失敗もしながら何とかできるようになりましたが、電気は「見えない」し、知識・理論が機械の整備の比ではなく、超初心者です。
 オートバイの整備もそうですが、「整備書」でメーカーや先達の知恵やノウハウを習得するのが基本だと思っております。
 この度、Lo-Dのアンプの整備書が手に入りましたので、首っ引きで整備に挑戦しました。

 サービスマニュアルをネットで探していたところ、アメリカで見つけることができました。
 個人でいろいろな整備書を収集されている方とコンタクトができ、コントロールアンプとパワーアンプの2冊を3千円程度で入手することができました。
 英語の辞書を片手に一通り理解したうえで、基板を見て諸々確認します。

 手始めに、調整箇所が左右各1箇所しかないコントロールアンプから整備をしてみることとしました。
 このコントロールアンプですが、初めは不動でしたが、簡単な接点の洗浄等を行ったところ現在では不具合無くそれなりの音が出るようになりました。
 特段修理の必要もない状態でありますが、経年劣化する部品(電解コンデンサ)を全てオーディオ用のものに交換することとしました。

 ネットで注文しておいた電解コンデンサが全て揃いましたので、間違えないようにビニール袋で分類します。
 電解コンデンサは、電気を蓄えたり放電したりする電子部品です。
 瞬間的に蓄電、放電を化学変化で繰り返すパーツで、いわば極めて容量の小さい「バッテリー」のようなものです。
 携帯やエネループ等の二次電池と同様に蓄電・放電を繰り返すうちに劣化する部品と言われています。

 このコントロールアンプは、当時の価格で3万円弱のエントリーモデルなので、コンデンサーのグレードがそれなりの物しか使われていません。
 今回は全て「ニチコン」のオーディオ用にほぼ全て交換して音がどう変わるかを確認することも目当ての一つです。

 正確な作業をしなければならないので、折りたたみの整備用机を机の傍らに置き、基板をきょう体から取り出して作業を行います。
 基板は3枚構成です。
 手前の一番大きい基板が、音量ボリューム、入力ソースの切り替え、イコライジングアンプ部等で構成されるメイン基板で、右奥の中サイズの基板は、フォノアンプ(レコードプレーヤー用のアンプ)及び外部入力端子等が装着されており、左奥の小サイズの基板は電源の引き込み及び外部機器への電源供給コンセント及びヒューズが装着されています。

 青、黒、ベージュの円筒状の部品が、今回の交換の対象である電解コンデンサです。
 電解コンデンサは劣化すると膨張し、円筒上部が腫れ上がったり、円筒下部から電解液が滲み出したりすることがあるので、念査しましたが目視で分かる異常はありませんでした。 

 下の写真が交換した電解コンデンサの比較です。どちらも信頼性が高い日本の「ニチコン」社の製品です。
 共に47μF 25V と記載され、どちらにも黒い帯の印刷がされています。

 「μF」がコンデンサの蓄電容量で、数字が大きさがコンデンサの大きさの目安となります。
 「V」は電圧の単位で、耐えることができる電圧が表示されています。回路の電圧は表示の範囲内でないと破裂したりしますので注意が必要です。
 黒い帯は極性「-」を表します。よって、2本出ている線の長いほうが「+」です。

 同じ規格のコンデンサなのに大きさがずいぶん違います。携帯電話のバッテリーと同じように技術革新なのでしょうか
 金色がオーディオ規格のハイグレードであることを表し、誇らしげに見えます。

 全ての電解コンデンサー交換が終わった基板です。
 フォノアンプは電解コンデンサを使っていなかったことから今回は回路の半田づけのチェックのみです。
 交換は間違えないように、1つずつ外して交換します。
 基板の表示の誤りも一応想定し、① 部品が基板の表示どおりの極性(+、-)で装着されていること、整備書の記載と比較し相違していないことを確認し、
 ② 新旧のコンデンサの容量と耐電圧を照合し、
 ③ 整備書のパーツリストの部品番号(C123等)と基板上の部品番号と照合して装着します。

 後で確認するのが面倒で、誤りを絶無としたかったことから、1つずつ①、②、③とトリプルチェックをかけて交換をしました。

 なお、耐電圧が同じものを全て揃えれなかったため、一部のものについては、耐電圧の大きなものを使用しました。

 基板の裏側です。
 銀色の「点」が半田付け箇所で、右上の「こて」をと半田を基板に当てて溶かしながら装着します。
 半田は「すず」と「鉛」の合成物で、経年劣化で痩せてきます。
 交換した箇所以外の半田付け部分にも半田を軽く溶かせて(再半田)、電気の通りを良くしておきます。

 基板をきょう体に装着しました。
 メイン基板の右上に2個の半固定抵抗器があります。
 これは、信号電力を増幅させるため使用している左右のチャンネルに2個ずるあるFETの電圧を揃えるために調節するための部品です。
 左チャンネルがアース(シャーシ)とドレイン間で2.8V、ソース間で0.24V、
 右チャンネルがアース(シャーシ)とドレイン間で2.83V、ソース間で0.24Vで調整しました。

 整備書の回路図では、「3.0」と「0.2」と記述されていることから、1割以内に収まっているから良しとしました。

※ 実は、ここの半固定抵抗器の調整が少々分かっておりません。
  整備書は、「半固定抵抗器(R451)を調整してVQをZEROにしろ」と記載されていますが、どことどこにテスターのリードを当てて電圧を「0」にするのかが分かりませんでした。
  回路図でFET401、FET402の場所に、「3.0」と「0.2」と記載されていることから、差動の電圧をその値になっているかをチェックしろ
   => 調整箇所はR451しかない
     => FET401、FET402共に電圧を揃えた
       => 電圧は「3.0」と「0.2」の10%以内でOK
  という思考で、「良し」としております。

  この点についてご教示いただけると幸いです。

  H24.5.26追記
  上記半固定抵抗器について、整備書によらずオシロスコープで波形を観察し、最適値に再調整
  電圧をたよりに調節しても「歪み」があったことから、波形ベースで最適化しました。
  詳細は後日アップします。

 今回交換した電解コンデンサです。
 全部で27個です。
 普通の修理ではコンデンサを全て交換するようなことは「レストア」作業でもない限りしないと思います。
 コンデンサは、前にも書いたとおり、必ず経年劣化する部品なので、30年以上前の機器なので交換は引き続き使うのであれば必須であり、また、有効と考えています。
 しかも今回は現行のオーディオグレードなので音の変化が非常に楽しみです。

 オーディオアンプでは、大きな音小さな音が織り交ざって増幅され、大きな音の時に大きな電力を使用するので、電力のやり取り(充電・放電)のスピードが速いとその分低音を中心に音の立ち上がり等にパンチ、スピード感が出てくるのではと目論でいます。また、電解コンデンサは雑音(ノイズ)の発生源なので、オーディオ用はその点でも効果があると考えています。

 当時のエントリーモデルが、当時のミドルクラスの音と同等位にクリアーかつダイナミックになったら良いな~なんて思いながら至福の時を楽しんでいるのです。(笑)

 フロントパネルも水洗いして綺麗にしました。
 薄く広がっていたアルミの削りだし部分の腐食を、ドイツ製の鉛筆上の砂消しゴムで研磨したところ、新品の輝きを放つようになり大満足です。

 早く音を出して、その変わり様を楽しみたいところです。

 今回の作業は、
1 電解コンデンサーの交換、
2 スイッチ、可変抵抗器等可動部の洗浄及び接点復活剤の塗布
3 きょう体加工(出力端子の増設及び端子のシールド)、
4 きょう体及びパネルの洗浄等
 です。

 30年以上前の、しかもエントリーモデルにこのような作業をされる方や、ましてや業者に高いお金を支払ってレストア等をされる方は多分いないと思うので、けち臭く感じ、いささか恥ずかしいところではありますが、物を大事にし、自身で直す方が一人でも増え、またその一助となることを願って恥を忍びながら記載しました。

 作業の最終チェックをして、自作の20W+20Wのデジタルパワーアンプ(TA2020)経由で、スピーカー(タンノイ/マーキュリー)に接続して音出しをしました。

 整備前もクリアーに鳴っていましたが、更に低音のパンチ力と中、高音の透明感や音の伸びがかなり改善できたと感じました。

 大げさかもしれませんが、別物といっていいほどの変わりように驚きました。

 捨てようか・・・と思っていたものが、自分の中では、真剣に整備した1台目として記念すべき宝物となったような気がします。

 大いに気を良くしたところで、次はパワーアンプの整備に挑戦です。
 パワーアンプは、大容量の電解コンデンサーを使用しているので、こちらも音が良くなると期待でき、非常に楽しみです。

 パワーアンプは可動部分が少なく、パーツの数も少ないのですが、待機電流(アイドル電流)の調整、入力側、出力側の直流電流の調整等、調整箇所が多くなることから、興味津々です。

 来週は、トンちゃんツーリングメンバーとのキャンプがあるので、再来週の作業となりますが、それまでの間は、英文の整備書を辞書片手に読んで楽しみたいと思います。

 パワーアンプが終わったら、いつかはこのSANSUIのD707Fのレストアに挑戦したいと思っています。
 D907と併用して大事に使用していますが、2台ともストックの状態で、現状では当時の性能が出せていないような気がしています。
 業者にレストアの依頼を検討しましたが、見積もりでいずれも6~7万円ほどかかると聞き断念しました。

 この2台のアンプを整備するために、今回Lo-Dのアンプでトレーニングをしているようなものです。

 オシロスコープやスペクトラムアナライザーそしてオーディオオシレーターもこのアンプの整備のために準備したようなものです。

 整備書が未だ入手できていませんが、近い時期に製造されていたSANSUIの整備書を5冊ほどe-Bayを使用して取り寄せました。

 この2台のアンプは、物量(基板数、部品点数、調整箇所)が半端じゃなく、壊したら大変なこととなるので確実に作業を理解し、膨大な交換部品を用意できない限り作業には入れません。

 整備手順を理解するには、英語の読解力と電子回路の知識が今より数倍必要になります。

 そう、このアンプの整備こそ私にとっての電子回路の勉強のメルクマールになると決意しているのです。

 この駄文をお読みの方で、SANSUIの整備にお詳しい方のご教示があればこれに勝る喜びはありません。

 当分、SANSUIの整備はできないと思いますが、お詳しい方のコンタクトを心よりお待ちいたします。

 土日の休みも終わり、明日からは仕事モードです。

 転勤後2週間目で、仕事には慣れませんが、雰囲気には慣れつつあるところです。

 同僚の各位にあっては引き続きよろしくお願いします。

 同好の諸兄にあっては引き続き我が無線室に遊びに来ていただき、オーディオの自慢話にお付き合いお願いします。(オートバイと違い見せびらかしに行けませんので・・・汗”)

 では!
 アディオス・アミーゴ!!

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