囲碁漂流の記

週末にリアル対局を愉しむアマ有段者が、さまざまな話題を提供します。初二段・上級向け即効上達法あり、懐古趣味の諸事雑観あり

舐めてはいけない

2020年11月20日 | 雑観の森/芸術・スポーツ

 

上達の極意 モノゴトは両面から観察せよ

 ~ 徒然草(吉田兼好)第百八十七段 の巻】

 

 

第百八十七段


よろづの道の人、たとひ不堪なりといへども、

堪能の非家の人にならぶ時、必ず勝る事は、

たゆみなく慎みて軽々しくせぬと、

ひとへに自由なるとの等しからぬなり。

芸能・所作のみにあらず、

大方のふるまひ・心づかひも、愚かにして慎めるは得の本なり。

巧みにしてほしきままなるは、失の本なり


 あらゆる道の専門家は、たとえ未熟であっても、

 巧みな専門外の素人と並んだ時、必ず勝っている。

 たゆみなく慎重にことを進め軽々しく行わないのと、

 ひたすら好き放題にやるのとは、

 等しくないということである。

 芸能や所作のみの話ではない。

 大方のふるまい、心配りにおいても、

 愚鈍であっても慎重にやるのは、成功の元である。

 巧みでも、好き放題にやるのは、失敗の元である。

 


         ◇


上手なアマより、下手なプロが、よっぽどまし、

と、兼好は言っている。

器用に見えたとしても、素人のきまぐれは

いずれ墓穴を掘る、ということであるか。


しょせんアマだから、何をしても構わない

とばかり、いい加減な所作の「高段者」もいる。

まことに始末が悪い。

級位・低段の手本になるべきなのに、

カッコ悪いなあ、わたしは内心思う。

 

初二段や三段までに多いのだが、

「(上達は)これぐらいで十分……」とか

「いまさら、うまくなっても……」とか

諦めのことばを吐く御仁のおじゃる。

「教えておくれ」とおっしゃるから

指南もうしあげたのだから、

それはないであろう、人生の先輩。

人間は死ぬまで生きている!

だから遊びは真剣にいきゃれ、舐めてはならぬ!



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。