【3カ月ぶり、本拠地碁会が再開した日 ~ の巻】
囲碁は黙って打つもの、と決まっている。
口の代わりに、一手一手が語っている。
「手談」という別名はここからきている。
6日再開した碁会は、疫病騒ぎのため3カ月ぶり。
会員100人を四分割して、人数を絞って開かれた。
長机2台を平行に並べて対局者同士の距離を置き、
マスクをして極力会話をせず――という予防策。
今年度は「会の世話役」の一人になったわたしは
最初の班で打つ予定を変更し、数合わせのため別の班に回った。
この日は、会場設営を手伝い、碁を打たずに帰宅するつもりが
上限としている「20人枠」に余裕があったことから、
会長から「打ってはどうか」といわれて三局打ち、
最後の後片付けまで会場にいた。
大仰にいえば歴史的な例会となった再開後最初の碁会は、
まずは無難な再出発でだった。
が、しかしこの道のりは長そうである。
再会を喜ぶ碁友らを見て思うことは
勝負、勝負に過度に固執することなく
このひとときを慈しみ、堪能してほしい
ということである。
色気のある一手、一手を期待したい。
◆
この日は、格上のⅯ五段とI十段格に打ってもらい、
三つ全て勝たせてもらった。
▼白が考慮中の中盤
五段同士だが、持ち点が2点低いわたしが黒番でコミ4目半
地合いは白がよさそうだが、左辺の折衝で黒がポイントを挙げて、
中央がまとまれば黒も悪くないと思っていた
▼これも白が考慮中
この後、下辺から中央に掛けての白4子を千切ったが
手を抜いていた上辺でポイントを挙げられ、細碁に
なったが、黒がからくも逃げきり
▼たっぷりの距離を取って、ゆっくり打てた