囲碁漂流の記

週末にリアル対局を愉しむアマ有段者が、さまざまな話題を提供します。初二段・上級向け即効上達法あり、懐古趣味の諸事雑観あり

それぞれの秋/善く生きる

2020年09月10日 | 雑観の森/心・幸福・人生


ソ・ソ・ソクラテス

歌:野坂昭如
詞:仲畑貴志
曲:桜井 順

ソ・ソ・ソクラテスか
プラトンか
ニ・ニ・ニーチェか
サルトルか
みんな悩んで大きくなった
大きいわぁ 大物よぉ
おれも おまえも 大物だぁ
そうよ 大物よぉ

    1976(昭和51)年

 

 

【  ♪ 今はもう秋 ~ 哲学なんか してしまう の巻】

 

「善く生きる」

これは、

ソクラテスが死刑判決を受け、牢獄につながれていた時、

旧友クリトンが「無実なのだから逃亡すべきだ」と脱獄を勧めた際に、

静かに語った言葉である。


「最も大切にしなければならないのは、生きることではなくて、

善く生きることである」(プラトン著「クリトン」)

死刑を目前にソクラテスが、友を相手に口にしたのは

「人間にとっての この究極の問い」だった。

 

         ◇


ソクラテスの弟子を自認する「ギリシャ哲学研究者」は

以下の四つの論点を軸に研究を続けた。

一つは、幸福とは 第一に自己実現であること。

二つ目に、自己実現は生きる条件であって、その意味ではない。本当の喜びは、他者との交わりのうちにあること。

三つ目は、宇宙の全ての存在者の根源との関わりの問題が存在する。普遍的な霊性を学ぶ姿勢を持たなければならないということ。

最後に、どのような社会を形成すべきであるのか、と。


研究者の一貫した信念は

哲学はユートピアを語らねばならない

だった。

 

         ◇


残念なことに、わたしは ご存命のうちに講演を聴けず仕舞い。

しかし手元に、これまでの幾多の講演内容をまとめた書き物があり

それを幸いとさせていただいている。

実直にて真摯、そして熱い想いが、行間から伝わってくる。

 


岩田靖夫(いわた・やすお、1932~2015年) 哲学研究者。文化功労者。東北大及び仙台白百合女子大名誉教授。古代ギリシャ哲学専攻。

 

 

 



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