60歳の誕生月の翌月に
地域同好会に入れてもらい
リアル碁を再開した
定年退職により
嘱託社員に移行して
「土日休み」が確実になり
やっと自分の時間を優先できる
という〝身分〟になったためだ
生家に「脚付き碁盤」があり
十歳の頃に覚えたから
仕事に就くまでは、父と
ぼちぼち打っていた
全くの初級というワケでもなく
長いブランクがあったとしても
そこそこ打てそうだと自負していた
当時の棋力は
「碁会所二段」程度か?
ヘボ・ザルに違いないが
〝級〟ではなく〝段〟である
そう卑下したものでもない
あれから7年近く経ち
碁は玄妙かつ深淵なり
の思いを日々強くしている
さて、
碁は取っつきにくく
始める時のハードルが高い
というイメージが強い
が、実は誰でもできる
仕事の脳は主に左脳を使い
遊びの脳は主に右脳を使うためか
これまでの職業や生活が
上達曲線に全く寄与しない
むしろ〝逆のケース〟も多い
既成概念を破壊できないヒトは
いくらやっても強くはなれない
ルールは五つだけ
一、必ず一手ずつ交互に打つ
二、相手の碁石を囲めば取れる
三、最後に陣地が多い方が勝ち
四、打ってはいけない場所がある
五、コウという特別の決まり事がある
これさえのみ込めば
老若男女問わず誰でも打てる
勝つに越したことはないが
負けても失うことなどないし
上達しても困ることもないし
しなくても平気と思えばよろしい
何より〝頭の体操〟になる
〝居場所〟ができるのもバカにならない
勝ったら勝ったで〝張り合い〟になる
数グラムの碁石を摘まむのみで
頭は使うが体力は要らない
鬼籍に入る直前までできるという
年寄りには好都合な遊戯である