囲碁漂流の記

週末にリアル対局を愉しむアマ有段者が、さまざまな話題を提供します。初二段・上級向け即効上達法あり、懐古趣味の諸事雑観あり

「思い上がり」に喝 9

2020年06月27日 | 雑観の森/心・幸福・人生

 


賢臣の知見に耳を傾ける ~ 「上好む所 下これに従う」の巻】

 

上に立つ者が先だって何かを好むと

下の者(臣下・使用人)なども

すぐにマネをしたがるものである。

裏を返すと、

上の者は立派な行いをするよう

常々に心掛けねばならない。

そうでなければ、国は治まらない

という教えである。

 

         ◇

 

古代中国に「魏」という国があった。

君主の文侯(ぶんこう、? ~紀元前396年)は、

李克、呉起、楽羊、西門豹などの人材に恵まれ

魏を戦国時代最初の覇国へと押し上げた。


ある時、文侯は「大臣の人選」に迷っていた。

片腕として重用していた儒家出身の李克に向かい

「先生はいつぞや、私に

家貧しければ良妻を思い

国乱るれば良相を思う

と、お訓(さと)しになりました。

私は今、魏成(ぎせい)を大臣にしようか、

それとも翟璜(たくこう)を登用しようか、

と迷っております。

先生、どうぞ、

ご意見をお聞かせください」

と訊ねた。


さすが大国を栄させただけのことはある。

決して自分一人の意見で大臣の首を

すげ替えるようなマネはしない。


そこで李克は

「左様でございます。

第一に、その人の普段から仲良くしている友人を見ること。

第二に、富める人ならば、カネの使い方が正しいかどうかを見ること。

第三に、既に出世している人ならば、その人がどんな人物を推薦したかを見ること。

第四に、困窮している人ならば、どんな行いをするかを見ること。

第五に、貧しくなったならば、清廉であるかどうかを見ること。

この五つが、人物を知るうえで、最も大切な手掛かりでございます。

二人の行動を五つのことに照らしてみて

その上で、ご決定なされませ」

と申し上げた。


王は、日頃の行いを慎重に調べた結果、

五つの条件にほぼ適った魏成を登用し、大臣にした。

賢臣の助言によって、

魏の国は、さらに大きく栄えた

ということである。

 

 

 


◆関連記事  明解ナンチャッテ辞典/中  (2020年06月19日投稿)

【計量大臣】
順送りで大臣になった程度の、たいしたことのない大臣
 
【健康診断】
組閣の際、大臣・長官を任命する前に行う素行調査
警察庁から県警本部に指令がいき、捜査二課は
リポートを作成し、官邸に届けられる、という段取り
まさか、今回は手ヌキだった? それとも罠?

【五せる政策】
官僚に食わせる、飲ませる、握らせる、抱かせる、威張らせる
センセイがあの手この手で抱き込む策略のこと

【五当四落】
国会議員になるために選挙に使うカネ
5億円で当選、4億円なら落選

【実弾】
選挙の投票依頼のための現金
または工作のためのワイロ 

 

 



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