下京区の西本願寺を後にして
堀川通から9号線(五条通)
そして河原町通、三条通と
ジグザグに進む。
川端通り側の鴨川左岸で、おやつの時間。
スケボーの若者の声が遠くに聞こえる。
東京にも大阪にもない
独特の空気の匂いがする。
京都の匂いをかぎにきているのだ。
それからというもの、
川端通、北大路通、きぬかけの路ときて
時代劇のロケ地でなじみの嵯峨野へ。
鬼平犯科帳では根岸の風景となる
広沢池には、人っ子一人いない。
いつでもロケはOKだな
と、ひとりごちる。
途中、ジムと風呂で温めて
帰路に就くが、またしても
しぐれに遭う――。
うしろすがたのしぐれてゆくか
山頭火 昭和6年12月「行乞記」