囲碁漂流の記

週末にリアル対局を愉しむアマ有段者が、さまざまな話題を提供します。初二段・上級向け即効上達法あり、懐古趣味の諸事雑観あり

碁のイロハ/反則について

2022年01月17日 | 【カベ突破道場】

 


或る人が

日常の些細な生活過程や生活状況のなかで

すなわち「法律は瑣事を取り上げない」

という原則の当て嵌まるようなことに関して

傍若無人の振舞いにおよび

他人を不利におとしいれても

自分の利益、自分の便宜のみを

計らったりするようであれば

その人間の心には

正義など少しも宿ってはいないのであって

法律と権力とで縛られなければ

たちまち大きな問題にも

悪党振りを発揮する人間なのだ

と確信して、みだりに信用せぬがよい

げに、臆面もなくクラブの規約を破る者

身の危険を招かずに済むなら

たちまち国の法をも破るであろう

 ――アルトゥール・ショーペンハウアー

 

 

これぐらいの勝手はゆるしてもらって、同じく人にも認めてやる???

 

「所作・マナー」のほかに

「反則」にも

触れておかねばなりません

しばし お付き合いを

 

先般、同好会の例会で

久々に対局した〝有段者〟が

打ち直し(=待った)

やらかそうとしました

わたしは

「待ったですか?」

と、お尋ねしました

 

そんなことまでして

勝ちたいのですか?

プロでもアマでも

反則反則です

 

やられた方にすれば

たまったものじゃありません

ズル行為を絶滅させねば

碁会のレベルが下がります

 

やる方も、許す方も同罪

常態化すれば、まともな人は

嫌気を差して退会していくでしょう

遊びの会でも真剣に遊びましょう

 

この日の相手は格下でしたから

赦して、そのままにしました

「所作・マナー」「反則」

ごっちゃにしてはいけませんよ

 

また、あるとき

待った常習の某高段者が

「一局、やりましょう」と

誘ってきました

三度、四度と逃げていましたが

親睦の会ですから がまん がまん

ところが「待った癖」が直っています

わたしは勝負にも敗れました

それなりに清しい負けです

それなりに――

 

      ◇

 

ちなみに

テレビタレントに転身した

元将棋名人は引退間近となった

ある一般棋戦で

「打ち直し」で勝ちました

(ズルしたのですから勝ちます)

 

後日、将棋連盟の会議で以下の処分が下されました

一、勝ちを撤回し、反則負けとする

一、罰金を科する

一、同一棋戦の1年間出場停止とする

 

その後、彼はレジェンドと持ち上げられ

テレビの人気者として活躍しています

そういう生き方もあり、ですか?

 

      ◇

 

昭和の頃のはなし

海外普及に世界を飛び回っていた

某プロ棋士が著書で

こんな話を書いていました

 

彼は欧州(確かドイツ)のアマ講座で

「<待った>〟しては、いけません」

と言ったところ

「<待った>は反則でしょう?」

「<やってはいけないこと>と

わざわざ言うべきですか?」

との声が会場から、いっせいに

沸き起こったそうです

 

海外のアマ碁打ちは

長考派が多いようです

考えなくとも済む局面でも

じっくり考えるヒトが多い

 

従って

「待った」をするヒトは

いませんし、いたとしたら

卑劣行為(反則負け)

と決まっているそうです

 

「あまり堅いことをいうなよ」

がニッポンの文化としたら

いったい文化とはなんぞや?

 

 

▲日本棋院のホームページより

 

 

 

 

       

 

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