goo blog サービス終了のお知らせ 

野球小僧

柴田勝頼 / 新日本プロレス

プロレスラーの柴田勝頼選手が4月9日に東京・両国国技館で行われた新日本プロレスIWGPヘビー級選手権試合で王者オカダ・カズチカ選手との試合後、救急搬送され、都内の病院で硬膜下血腫の緊急手術を受けていました。

柴田選手はオカダ選手との試合で強烈なヘッドバットを繰り出すなど、38分を超える壮絶な打撃戦の末に敗れ、退場の途中で倒れ、控室に戻ることもできず救急車で病院に搬送されました。手術は無事に成功し、術後の意識もしっかりしており、会話も可能な状態だそうです。試合直後に見られた右半身のまひも回復の傾向にあり、試合の記憶もはっきりしているという。

急性の硬膜下血腫は頭部外傷でも重傷とされ、これまでプロレス界でもたびたび死亡事故が起きています。

1997年8月15日 プラム麻里子(JWP) 29歳
広島県立総合体育館で行われたタッグマッチで対戦相手のライガーボムを受けてピンフォール負けした直後に意識不明の重体となり、救急車で病院に搬送。開頭手術には成功したものの、翌日に容態が急変して急性硬膜下出血並びに脳挫傷により死去。

1999年3月31日 門恵美子(アルシオン) 23歳
福岡市での試合中に対戦相手にキーロックをかけていた際、自身の体を持ち上げられてそのまま側頭部からマットに落とされて意識不明。開頭手術を受けたが、9日後の4月9日、急性硬膜下血腫及び脳挫傷のため死亡。デビューからわずか1か月足らずだった。

2000年4月14日 福田雅一(新日本プロレス) 28歳
宮城県気仙沼市での試合中に対戦相手のエルボーを受け意識不明の重体に陥り、直ちに同市内の病院に運ばれたが、4月19日に急性硬膜下血腫のため死亡。男子レスラーでは史上初。1999年10月シリーズにて、硬膜下血腫のため約4か月間の欠場。それの後遺症が原因だと言われている。

2003年7月28日 ジャイアント落合 30歳
本格的なプロレスデビューを目指して、出稽古をしていたWJプロレスの道場でロープワークの練習中に倒れて意識不明の重体になり、昭和大学病院に緊急入院。開頭手術を受けるも、8月8日に急性硬膜下血腫により死去。プロ野球中日ドラゴンズ元監督である落合博満さんの甥。

2010年6月23日 力丸(アパッチプロレス軍) 38歳
練習中に意識不明となり病院に搬送、急性硬膜下血腫と診断。7月13日、肺動脈血栓塞症のため死亡。

柴田選手の場合は早急かつ適切な処置があり、血腫の量も少なかったことから、良好な経過につながっていると見られていますが、今後についてはかなり慎重な判断が必要だとのことです。

この硬膜下血腫はおもに頭部外傷をきっかけに起こるが急性症状ですが、加齢や飲酒が原因となる慢性硬膜下血腫も、頭痛や吐き気、片麻痺などの症状を引き起こすことがあり、要注意だそうです。

急性は外傷の衝撃の直後に脳の表面の太い血管が切れてどんどん出血し、脳が圧迫されて血液の循環が悪化し、意識の低下などが起こります。緊急の開頭手術が必要になる場合も多く、柴田選手の場合はこのケースとみられています。これに対して慢性硬膜下血腫は外傷をきっかけに、硬膜と脳の間に被膜が出来、被膜にできた新生血管は通常は存在せず、新たに発生する異常な血管からじわじわと血液がしみだし、たまって血腫となります。時間がかかるため、症状が出るのもゆっくりで、頭部外傷の直後、病院で「異常はない」と言われても、しばらくは経過観察をした方が良いそうです。なお、頭部外傷でなぜ脳に被膜ができるのかは明らかになっていないそうです。また、慢性硬膜下血腫は子どもにはめったに起こらず、高齢者やアルコール多飲者に多いことから、脳の萎縮と何かしら関連していると推察されています。

例えるならば、豆腐が容器いっぱいに入っている場合は容器を振っても豆腐はほとんど動きませんが、豆腐が小さいと容器の中で位置がずれたり、豆腐がくずれたりします。脳が萎縮している場合は、頭蓋骨と脳の間にすき間ができてしまうため、外傷によって脳が動きやすく、これが慢性硬膜下血腫の発症のきっかけになっていると考えられるようです。

プロレスの場合、それぞれ投げ技、打撃技、関節技などお互いの技の攻防が中心であり、プロレスラーは身体を徹底的に鍛え抜き、「受身」の技術も含めて技による打撃、衝撃に耐える様に訓練していることや、試合中の選手相互の間合い、そして相手選手への危険な技は頻用しないという暗黙の了解によって、1980年代後半までは選手生命に影響する深刻なケガがあっても、死亡事故は非常に少なかったです。

しかし、1990年代以降、より過激なパフォーマンスを求める方向性として、受け身の取りにくい非常に危険な技が数多く考案され、多用されるようになってきました。これらの過激な技の応酬によって身体へのダメージが着実に蓄積されていることもあるでしょう。

新日本プロレスでは3月に本間朋晃選手が中心性頸椎損傷、そして、今回の柴田選手と相次いで重傷を負ったことは危機的なものと捉えた方が良いかも知れません。

レスラーも危険な技やリスクを顧みない試合についてもう一度考える時期なのでしょう。


コメント一覧

まっくろくろすけ
eco坊主さん、こんばんは。
最近は魅せる技が増えて来ており、受け身も取れないような形になっていますよね。

プロレスも人気を取り戻していただけに、こういうアクシデントは嫌ですね。

鍛えられた肉体、技と技の応酬を見たいのであって、悲しい姿は見たくないですよね。
eco坊主
おはようございます(*Ü*)ノ"☀

柴田選手のファイトスタイルそのものが危険をはらんでいますしね。
最近は特に頭部にダメージ与える系統の大技が多く、それも雪崩式となってしまっているので本当にいくら鍛えているといっても危険を感じます。
1・4のオカダカズチカvsケニー・オメガの戦いなんて壮絶な死闘であり最後の方は試合を楽しむよりハラハラしたものでした。

中邑真輔、永田裕志両選手も警鐘をならしていましたね。

因みに私は電流爆破は嫌いです!
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

最新の画像もっと見る

最近の「プロレス」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事