大学日本一を目指す全日本大学選手権大会の第2日は一回戦7試合と二回戦1試合が行われました。
明治神宮球場の開幕戦は吉川尚輝選手(読売ジャイアンツ)を擁し、2016年に初出場で初優勝を果たした、3年ぶり2回目出場の中京学院大と、2年ぶり6回目の横浜桐蔭大が対戦。両チームの対戦は中京学院大が初出場初優勝した2016年以来3年ぶり2度目の対戦。
中京学院大は長島彰選手、桐蔭横浜大は三浦裕作選手が先発。小刻みに点を取り合う展開となったこの試合、1回裏に桐蔭横浜大はフォアボールとヒットで1アウト一・三塁のチャンスを作るものの、得点できず。
2回表に中京学院大は四番・叺田本気選手の内野安打で出塁し、2アウト二塁から七番・石川凌選手のレフト前タイムリーヒットで先制。
しかし、3回裏に桐蔭横浜大は八番・山口海人選手の3ベースヒットを足掛かりに、1アウト三塁から、一番・杉山雄哉選手、二番・鈴木颯人選手、三番・道上季生選手の3連打で2点を奪い逆転。4回裏にも五番・山ノ井隆雅選手の3ベースヒットの後、七番・石橋泰成選手の内野ゴロの間に1点を追加し、3-1とリードを広げる。
4回まで桐蔭横浜大の三浦選手は1点を失ったものの、3安打を打たれるものの、3連続を含む5三振と好投。中京学院大の長島選手は味方の記録にならない拙守もあり、6安打を打たれ3失点。
中盤の5回から試合がもつれ始める。中京学院大は5回表に相手のエラーなどで1アウト二・三塁のチャンスの場面で、九番・藤田雄也選手の犠牲フライで1点を還し、6回表にも相手のエラーなどで1アウト一・二塁のチャンスから五番・富川公貴選手のライト前タイムリーヒットで同点に追いつく。
同点に追いつかれた桐蔭横浜大は6回裏、この日2エラーの六番・渡部健人選手が右中間への勝ち越しホームラン、7回裏には、この回からリリーフした中京学院大・古田星投選手から2本のヒットで1アウト一・三塁のチャンスを作り、鈴木選手の犠牲フライで1点を追加し、7回を終えて、5-3と桐蔭横浜大がリード。
ここからさらにもつれた。8回表、中京学院大は桐蔭横浜大の2番手ピッチャー渡邊力哉選手を攻め、三番・吉位翔伍選手の2ベースヒット、四番・叺田選手のタイムリーヒットで1点を還し、五番・富川選手もヒットで続き、六番・西浦太智選手の送りバントが相手のエラーもありノーアウト満塁。ここで、桐蔭横浜大はピッチャー交代で3番手の登坂航大選手に交代。しかし、中京学院大の石川選手にタイムリーヒットが出て同点。八番・馬場翼選手は押し出しのフォアボールで勝ち越し、さらに、藤田選手のこの日2本目の犠牲フライで、この回一挙4点を奪い逆転。
しかし、9回裏、粘る横浜桐蔭大は代打・鹿糠裕太選手がヒットで出塁、1アウト後、代打・内山昂思選手がフォアボール、一番に戻って杉山選手がデッドボールで満塁。さらに、鈴木選手が押し出しのフォアボールで1点差に詰め寄る。中京学院大はこの場面でピッチャーを髙野信元選手に交代。三番・道上選手の初球をボークにとられ7-7の同点。最後はセンターへ犠牲フライで3時間を超える試合は桐蔭横浜大が中京学院大に逆転サヨナラ勝ちを収めた。
■明治神宮球場:第一試合 / 中京学院大(東海地区) vs. 桐蔭横浜大(神奈川)
中京学010011040 |7
桐蔭大002101103x|8
中京学院大は9回1アウト満塁から押し出しフォアボールで1点差に迫られ、3番手・高野信元選手が登板しました。理由がよくわかりませんでした。実況でも「セットで静止しているようだった」と言っていましたが、その後はクイックモーションで投げていたため、どうやら、2段モーションによるボークと判定されたようです。近藤正監督は「高野は今まで2段モーションを取られたことはなかった。ちょっと動揺して、かわいそうだなと思った。もう少し指導しないといけない。いい経験になった」と語っています。
調べてみますと、ランナーがいる状況での2段モーションはボークになるようです。
中京学院大は相手守備のミスなど後の甘いボールを逃さず得点し、理想どおりの良い攻撃でした。 ただ、失点につながった序盤の外野守備のミスが痛かったです。最後は古田選手が勝ちを意識しすぎた感じがしていました。
■明治神宮球場:第二試合 / 近畿大工学部(広島六大学) vs. 東京農業大北海道(北海道学生)
東農大1002100002|6
近大工0002000021|5
2年ぶり16回目出場の東京農業大北海道オホーツクと、2年ぶり29回目の近畿大工学部という常連校の対戦。
序盤から主導権を握ったのは東農大北海道。1回表、タイシンガーブランドン大河選手のタイムリーで1点を先制。さらに4回表には相手のミスにつけ込んで2点を追加し、3-0とリード。一方、近大工学部はその裏、櫻井選手のソロホームランで1点を返すと、池上選手のタイムリーで1点差とするが、5回表には東農大北海道の榎本選手にホームランを打たれ、2点差のまま9回裏へ。
それでも近大工学部は2アウトランナーなしから杉本選手のソロホームランなどで同点に追いつき、延長戦へ。しかし、東農大北海道は10回表に2点を勝ち越し。その裏、粘る近大工学部の反撃を1点に抑え勝利を収めた。
■明治神宮球場:第三試合 / 大阪体育大(阪神大学) vs. 高知工科大(四国地区)
高知工0020000000|2
大体大0000020001|3
初出場の高知工科大と4年ぶり18回目大阪体育大の対戦。
先制したのは高知工科大。3回表に押し出しと犠牲フライで2点を挙げる。一方の大体大は6回裏に木村選手の2ランホームランで追いつく。
その後は高知工科大の尾崎選手と大体大の中村選手の両先発ピッチャーが踏ん張り、試合は延長戦へ。タイブレークとなった10回、高知工科大の攻撃をしのいだ大体大は大西選手がサヨナラヒットを放ち、接戦を制した。
■明治神宮球場:第四試合 / 福岡大(九州六大学) vs. 星槎道都大(札幌学生)
福岡大00000000001|1
星槎道00000000000|0
星槎道都大の先発は、今大会屈指の好投手の渕上選手。福岡大は一年生ながら春季リーグで3勝を挙げた村上選手。
渕上選手は140km/h台の速球で、村上選手は球速こそ130km/h前後ながら変則的なフォームで相手打線に得点を許さない。試合は9回を終えても0-0で決着がつかず、10回からはタイブレーク(ノーアウト一・二塁、継続打順で攻撃)へ。
10回表、福岡大はバント失敗でランナーを進められず、その後の1アウト満塁も活かせない。10回裏、星槎道都大はバントでランナーを送り、フォアボールで1アウト満塁のチャンス。代打・三笘選手の打球はライナーがライトの正面を突き、ランナーが動けず、2アウトから小笠原選手のショートゴロも間一髪アウトで無得点。
試合は2度目のタイブレーク11回表。福岡大は2アウト一・三塁に追い込まれてたが、ここで渕上選手が痛恨のワイルドピッチ。三塁ランナーが生還し、ついに1点が入る。11回裏の星槎道都大はバントで1アウト二・三塁のチャンスを作り、池田選手はレフトにライナーを飛ばす。三塁ランナーがタッチアップして同点の生還を狙うが、間一髪タッチアウトとなり、試合は終了。劇的な展開で、福岡大が二回戦に進出する最後のチームとなった。
■東京ドーム:第一試合 / 福井工業大(北陸大学) vs. 上武大(関甲新学生)
上武大000100101|3
福井大00320000x|5
2年ぶり16回目の上武大と9年連続42回目の福井工業大の対戦。
試合は3回裏に福井工大が横山選手の2ベースヒット、神藤選手のヒットでノーアウト一・三塁とすると、掛橋選手のスクイズ、成澤選手の3ベースヒット、八幡選手のタイムリーヒットで3点を先制。
4回表には上武大に1点を返されるが、その裏に神藤選手が2ランホームランを放ち、5-1とリード。福井工大の先発・立石選手は7回3安打2失点と好投。リリーフの谷選手も上武大の反撃を1点に抑え、5-3で福井工大が一回戦を突破した。
■東京ドーム:第二試合 / 東海大(首都大学) vs. 立命館大(関西学生)
立命大000000300|3
東海大00000202x|4
一回戦屈指の好カード、立命館大と東海大。
立命館大の先発は、春のリーグ戦で5勝を挙げた坂本選手。東海大の先発は山崎選手。坂本選手は制球された速球、スライダー、チェンジアップでコースを突く。一方の山崎選手は最速153km/hの速球で押し、それぞれが持ち味を出し、中盤まで得点が入らない。
試合が動いたのは6回裏2アウト。東海大は千野選手がセーフティバントで出塁、串畑選手がセンター前ヒットで続く。杉崎選手がタイムリー3ベースヒットを放ち、2点を先制。しかし、7回表、立命館大は1アウト一・三塁から池上選手がタイムリー2ベースヒットを放ち、1点差に追い上げる。ここで東海大は小郷選手にピッチャー交代。すると直後にキャッチャーの牽制悪送球が出て、2-2の同点に。さらに立命館大は代打・山崎選手の犠牲フライで3-2と勝ち越す。
それでも8回裏、東海大はこの回から登板した2番手ピッチャーの有村選手を攻略。1アウト満塁のチャンスを作ると、自らのエラーで失点を許した海野選手が名誉挽回の2点タイムリーを放ち、4-3と再びリードを奪う。その後、東海大は2番手の小郷選手も最速152km/hの速球とフォーク、スライダーで後続を断ち、2回3分の1を被安打、四死球ともにゼロ、4奪三振と好内容で試合を締めた。
■東京ドーム:第三試合 / 環太平洋大(中国地区) vs. 宮崎産業経済大(九州地区南部)
環太平000010010|2
宮崎産00420001x|7
2年連続2回目出場の宮崎産業経営大と3年ぶり2回目の環太平洋大が対戦。
先制したのは宮崎産業経済大、3回裏に寺園選手の3ランホームランなどで4点を先制。4回にも安藤選手の2点タイムリーで6-0とリード。
環太平洋大も5回、8回に1点ずつを返すも及ばず。宮崎産業経済大が11安打7得点、投げては先発・杉尾選手が9個の三振を奪い、6安打2失点で完投勝利を収めた。
■東京ドーム:第四試合 / 東北福祉大(仙台六大学) vs. 創価大(東京新大学)
創価大000000000|0
東北福00001000x|1
前回優勝、連覇を目指す4年連続34回目出場の東北福祉大と、一回戦で大阪工業大を6-1で下した創価大が対戦。
ここから二回戦、試合は東北福祉大の山野選手、創価大の望月選手、両先発が好投。東北福祉大は2安打、創価大が3安打と両チーム合わせてわずか5安打の投手戦。
均衡が破れたのは5回裏、東北福祉大の楠本選手が望月選手のストレートをライトスタンドへホームラン。この虎の子の1点を守るため、東北福祉大は7回から山野選手に代え、津森選手を投入。津森選手は期待に応え、3イニングを無失点。完封リレーで創価大に競り勝った。