箭弓稲荷神社(やきゅういなりじんじゃ)は埼玉県東松山市にある神社です。712年の創建と伝えられ、その頃は小さな祠だったようです。
社名の由来は1028年に平忠常の乱(安房・上総・下総の三カ国を制圧し、大軍をもって武蔵国に侵攻)し、1030年にこれを追討に向かった源頼信が、布陣する松山本陣近くにあった野久稲荷神社に詣でて、太刀一振と馬一頭を奉納すると、その夜に白羽の矢のような形をした雲が敵陣の方へ飛んでいくのを目撃(一説には白狐に乗った神が弓矢を授けた)します。
これを神のお告げだと確信し、直ちに敵陣に攻め込み、反乱を平定することが出来たと言われています。
そして、この神恩に報いるため、立派な社殿を建造し「野久稲荷」を「箭弓稲荷」として称えたと伝えられています。
(同形の物語として、791年に坂上田村麻呂が箭弓稲荷より南西約4kmにある物見山の悪竜を退治する際に、老人の姿の神が矢を授けたとの言い伝えもあるそうです)
ですから、箭弓稲荷神社は昔から勝負の神としてもお参りがさかんです。
また、箭弓は「やきゅう」という音との縁で、プロ野球選手や高校野球児をはじめとする野球関係者が多く参拝する事で有名です。
特に埼玉西武ライオンズが同じ埼玉県所沢市に本拠地を構えたころから野球勝利祈願する人が増えて「野球の神様」と言われるようになったそうです。
それと、西側鳥居の近くの牡丹園の前には「松の木」と「栴檀(せんだん)の木」が寄り添うように生えています。いつからか、その姿を見た人たちが「箭弓稲荷神社の縁結び」の象徴として信仰されています。
さて、この箭弓稲荷神社で頒布していただける「球技守り」にはバット型とグラブ型があります。
バットは打つもの。球技の上達を目指し、「何事にも打ち勝つ!」思いを託すお守りです。
また、グラブは捕るもの。「輝く夢を掴み取る!」という思いを託すお守りです。
この日はあいにくの雨で、他に参拝者がいませんでした。
ですから、しっかりと願いは届いたと思います。