大黒天=大黒さまといえば、左肩に大きな袋を背負い、右手に打ち出の小づちを持ち、米俵を踏み、微笑んだお顔で福々しい姿を想像します。七福神の中のお一方です。
さて、大黒天のルーツはサンスクリット語でマハーカーラと呼ばれるインドの神様だそうで、この音を漢字にすると摩訶迦羅となり、マハーは大(偉大なる)、カーラは黒色(あるいは時)を意味するので大黒天と呼ばれるようになったそうです。
そのインドの大黒天はヒンドゥー教の主神の一つシヴァ神の化身で福神のノイメージとは違い、青黒い身体を持つ、勇猛で必勝の戦闘神です。
また、インドの寺院の台所の柱には金の袋を持った小柄な大黒天が台所の神として祀られており、日本でも守護神として祀られています。
日本には密教の伝来とともに伝わり、天部と言われる仏教の守護神達の一人で、軍神・戦闘神、富貴爵禄の神とされましたが、中国においてマハーカーラの3つの性格のうち、財福を強調して祀られたものが日本に伝えられ、最澄が毘沙門天、弁才天と合体した三面大黒を比叡山延暦寺の台所の守護神として祀ったのが始まりといわれています。
その後に大国主神と習合し、室町時代以降に微笑の相が加えられ、江戸時代から米俵に乗っているそうです(まるで魔人ブウの進化です)。なお、袋を背負っているのは、大国主命が八十神たちの荷物を入れた袋を持っていたところからの由来だそうです。
さて、日常生活でよく使われる「大黒柱」。この言葉は家の中で中心となる柱のことを指します。
なぜ「大黒柱」と言うかは、かつて家を建てるときに土間と座敷の間に中心となる柱が立てられ、そこに大黒天を祀ったからだそうです。また、この柱は台所にも接していて、台所の神という条件も満たしてくれることから、「大黒柱」という名前が付いたと言われています。
そこから、家族や団体を支えて中心となる人のことを指すようになりました。
野球でも言いますよね「チームの大黒柱」。
ウチの大黒柱。出番ですよ。