袋田病院ブログ

茨城県大子町にある精神科・直志会袋田病院のブログです。

【vol.15】袋田病院アートフェスタ2019レポート【看護課】

2019年11月30日 09時16分39秒 | アートフェスタ・2019





なんだか変な感じ (Somhow strange)
みなさんは普段“なんか変だなぁ”と感じたことはありますか?
精神疾患の一つに統合失調症という病気があります。
この病気の特徴的な症状の一つは、幻覚と妄想です。
幻覚とは、実際に感覚的刺 激や対象がないのにあるように知覚することで、妄想は非現実的であり得ないことを信じ込むことです。
この病気を患っている方は、幻覚や 妄想に悩まされることが多く、非常に辛い思いをしている方が多くいらっしゃいます。
幻覚には、幻視・幻聴・幻臭・幻味・幻触などいくつかの種類があります。
その中でも出現しやすいものは幻聴と幻視です。悪口を言われたり、布団から怖い人が顔を出していたりと、怖いことが多く聞かれます(反面、大好きな人の声が聞こえてきたり、幸せな体験をしている方 もいます)。
妄想も、被害妄想・心気妄想・罪業妄想・誇大妄想などいくつかの種類があります。
これらも、幻聴や幻視のように辛いものから、人生バラ色、幸せでしょうがないというものまで、多様にあります。
「なんだかおかしい」
「みんなには見えないの?」
「信じてよ」
分からない人には分からない。しかし、当人には“現実”として起きていること。。。
今回の作品は、そのような患者さんが体験している幻覚(幻視)や妄想を具現化したものです。
実際にこのように鮮明に見えているわけではないと思いますが、これくらい強烈であることは確かです。
作品近くにいる看護師や他のメディカルスタッフと話をしていただきながら、病気に対する理解を深めていただければ幸いです。
袋田病院 看護課









隔離室
隔離は暴力行為や迷惑行為など、他の事者さんとの人間関係を著しく損なう恐れがあったり、自殺や自傷行為が切迫している際に、 精神保険指定医の判断で行なわれます。
隔離室は強固な作りとなっており、扉が閉まった時点で中から開けることは出来なくなります。 
更に外から何重にも施錠されるため、自由に出入りすることは不可能になります。出入りはもちろん、他者とのコミュニケーションも 自由にとれません。
そのため、殆どの場合、入室した患者さんは受け身にならざるを得ません。
通常隔離室内は二人以上で使用することはなく、一日の殆どの時間を一人で過ごすことになります。
想像してみて下さい。
薄暗い部屋に一人。
話し相手もいない。
自由に外にでることもできないのです。
このような部屋があったことをご存知でしたか?
病状にもよりますが、この何もない部屋に数日から数週間、または数ヶ月、場合に よっては数年間入室している方も居られます。



場合と間合のサウンドスケープ
病棟の「3時のおやつ」の日課、その菓子袋の「音」に 端を発し、日本語の擬態語擬音語の多彩な世界を引き寄せながら袋田病院における日常の移ろいゆく「感覚・感情・風情」を描き出していく試みです。
この作品はたく さんの直接・間接的な協力を得て作られました。

※動画も撮るべきでした、反省(ブログ管理人)

―袋田病院Artfesta2019『精神科病院によるアート的社会実践』―
開催日:2019年11月17日

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