袋田病院ブログ

茨城県大子町にある精神科・直志会袋田病院のブログです。

【医師が語ってくれたこと】

2013年01月11日 22時58分47秒 | ブログ管理人より
「安彦先生の活動に僕は感銘受けて。平川病院の。
それで安彦先生に当院に来て頂くようになって。精神的な理念も含めて当院でも導入したいと。その人自らが表現していくというね、治療や評価の為ではなく。
先生の作品展を見た衝撃というのは、
「魂の叫び」
だった。
「この人たち、こんな凄いエネルギーでもって、こういう表現できるんだ」
というね。
これは障害者でなく表現者。
たまたま障害者であったというだけであって、あるいは障害があることで奥深く磨かれたという感じを受けたんだよね。
あれは衝撃的だった。
今も安彦先生の理念が中心となって活動している。

例えば、ある患者さんがコツコツと農作業すると。でもけして彼は絵も描かないしステンドグラスもつくらんと。
でも種を撒き水をやり、そういうことで生きていくことが支えられる。
で、そういう人もいれば、アートに俺は支えられてる、と。
俺は土もいじらないし鍬も持たない。
けれども朝から晩までステンドグラスをつくる。
つまりそれぞれの自分の人生の支えとなる仕組みとか、表現の場とかを、
「出来るだけ用意したい。提示したい」
そう思うんだよ。

だから理念とかコンセプトが無いのではと思われがちなんだけど、それは本当にそうかも知れない、だけど・・・・・。
『例えばある理念でもって、ある活動を始めました。でもある患者さんに出会いました。その患者さんは我々の理念を揺さぶる患者さんでした。』
であるならば、今までのではなく別の理念が要るよね。
そうやって拡がっていくこともある。
選択肢は提示します、選ぶ権利はあなた達にありますよ、と。
元々ね、患者さんて選択肢、いや選択権かな、無かったわけだよ、
「あなたはこれをやりなさい」
嫌でもそれを選ばなきゃいけない。でもなんかそれはね・・・・・。」