【アーティスト:鈴木隆史】
私の作品は、常にどれだけ小さな声を拾うことができるか、その声をイメージの断片によってすくいあげようとする試みです。そして、小さな声とは、自身をを含めたひとりひとりの日常の中で抑圧された心です。
私は、作品を通してどうにも意味のつけようのない永遠性を伴うの在りかを示したいと 思っています。
直後イメージを彫り込んだ生命行為の痕跡が鑑賞者の心と共鳴できたらと願っています。
Magnum drawing 16
2020 Wood carving and Acryl on wooden board
65.2×53.0cm
戦場カメラマン、ロバート・キャパの人を愛し撮り続けたその想いに自らの想いを重ねる ことで時間を越えて大切なものがでてくるのではないかと思い、彼の作品をリフレーミングして描くことで、私のいる現在と彼の現在をつなぐことを試みた。 本作品は、ナチス党員との間にできた赤子を丸坊主にされたユダヤ人の女性が抱いている写真をもとにしてリフレーミングしたものである。 彫り描き、炙ることで死の匂いが漂ってくる。その後に大きく痕跡を刻むことで一転して 生命が噴き出してくる作品となった。人間は、悲劇の中でも強く尊く美しいという事を大 切な人たちに伝わったらと思い、上部には、Eine kleine Nachtmusik(小さな夜の曲)、セレナーデとして作品となった。
不死身の花
制作の際、私は、支持体となる木製のパネルの声を多く聞くようにしている。
最初は、下に流れ落ちるようなイメージが私の中に流れ込んできたので、そのまま流れるものを痕跡として映し出そうとしていた。一変流れ込んできたものは、突然、なにかによって押し返されるようにして噴出した。その素直な感情に身を委ねたとき、そこには、 燃え盛る炎のような花があらわれていた。
それは、いつまでも消えない不死身の花だった。
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