藤木病院 院長ブログ

富山県の立山町にある藤木病院の院長ブログです。

熊本地震に思う~自然災害は繰り返す?

2016-04-27 21:39:11 | 日記

今回の熊本での地震で被災された方々に対しまして心よりお見舞い申し上げます。

熊本県での最初に大地震が発生したこと自体も驚きでしたし、それ以降いまだ止む気配のないことにも大変驚いています。テレビであるコメンテーターが「災害はそもそも(想定外)なことなんです」と発言していました。だからいろんなことが起こるのは仕方ないという半ばあきらめ、開き直りに近いスタンスな発言だと思いました。

 これだけ科学が発達しているのに何故地震についてはこんなにも予知できないのか、と地震が発生するたびに思います。

 残念に思うことは、せっかく地震から身を守ることができているのにエコノミ―クラス症候群による死亡者が二桁になっていることです。避難所にいる方はいまだ10万人以上とも言われています。体育館などでもプライバシーを保てる衝立がようやく設置されてきたとのことですが、長い避難所生活は身体的精神的にもさぞ過酷であろうと慮られます。さらにもっと残念というか憤りを禁じ得ないのは、火事場泥棒的な事例が多発していて避難所正面入り口に注意するようにとの警告を貼らなければいけないほど深刻な状況です。東日本大震災の時も後になってカミングアウトしましたが、誰もいなくなった住宅に侵入して金品や電気製品などを盗んでいく輩が出没しているそうです。窓が大きく壊れていたり、そもそも鍵がかかっていなかったりするのですから簡単に入れます。県外ナンバーの車に要注意!  避難所の中でも紛失があったりして避難者同士で疑わざるを得ないのは本当に悲しいことです。

 さて東日本大震災以降歴史が思いのほか防災に役立つことが知られてきています。 歴史を見てみると400年前1611年慶長三陸地震があり東北地方で津波が発生しているそうです。そして1619年、1625年に熊本で地震がありました。1625年の地震は熊本城の瓦がすべて落ちたとのこと。ちなみに熊本城は加藤清正が作った城で石垣は(武者返し)と呼ばれるものです。これは上に向かって反り返っていて敵には強いのですが、大地震には弱い構造と、歴史学者の磯田道史先生はおっしゃっています。そして1633年には神奈川の小田原で大地震。前述の古文書に詳しい磯田道史先生によると2011年3月11日の東日本大震災、今回の熊本地震に年月的なことも含めて17世紀初めの一連の地震と類似性が否定できないから今後は首都圏地震に要注意と言っておられるそうです。日本列島が地震活動期に入るときに最初に東北で地震が発生し地盤が緩み各地の活断層を動かす。そういった仕組みに順番や法則があるのではないかと磯田道史先生の意見です。熊本は地震が少ない、といった認識が多くの人にあったようですが1889年にもM6.3の地震が起きているそうです。人生80年くらいで明治以前の地震災害は地域の人々には伝わっていないので、磯田道史先生に古文書を読み込んでいただき災害の歴史を明らかにしていただき防災に役立ててほしいものです。でも地震を地震科学研究所的なところではなく歴史から学ぶというのもなんとなくアイロニックといえばアイロニックな感じがしませんか。

 

 

 

 

 

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