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天神様

富山では長男が生まれると、嫁の実家から「孫渡し」として天神様(菅原道真公)の掛軸や木彫が贈られます。健やかな成長と学業成就を祈って12月25日に飾り、1月25日に仕舞います。というような事を昨年ブログに書きました。それを見た実家の母から、
「あんたは好みがうるさいので、自分で探しなさい」と天神様シロが届きました。ありがたや。

わたく恥ずかしながらかなり物への執着心が強く、こだわりも強いほうかと思います。高価である必要はありませんが「気に入ったもの」でないと嫌なのですよ。そして数ヶ月をかけて、天神様探しが始まりました。
富山市では天神様というと大概「掛軸」になるようです。お友達に聞いてみますと、「お祖父ちゃん、お父さんの物と合わせて3本並べて飾っている」というお家もありますが、さすが富山の家は床の間も広いのですね~。
我が家は床の間がありませんし、壁に提げるにしても一般的な仰々しいお軸は似合わず、飾る気になれない・・・となると井波の木彫?
これまた一般的な一刀彫は立派なのですが、大きくて重たく、お値段もそれなりな上に、暖房をする部屋に置くと割れる、保管が悪いとシミができるなど、管理が難しそう。小振りなものは余計に手間がかかり、作る人が少ないのだとか。
高岡銅器でも探しましたが、サイズ、顔立ち、細工などでいまひとつ気に入ったものが見つからない。
そこで、雛人形と同じ木目込み人形ではどうかとお店を覗いたり、楽○で探してみたり・・・でもガラスケースに入った天神飾りは、やはりピンと来ないのです。
かえってアンティークショップや、某オークションで探した方が好みの物が見つかる場合もあるのですが、こればかりは私の好みだけの問題ではありません。私の父母からISAの健やかな成長を祈る贈り物ですから、お古ってのはちょっとねー。
しかも、古美術と呼べるくらい時代のある良い物は別として、新しくて程度の良い木彫や掛軸などがオークションに出ているのは、お父さんか自分のための天神様を売っちまった! って事で、手放した理由はどうであれ、そういう人にアヤカるのは宜しくないでしょう。
小振りで良い物が入荷したらご連絡を下さいと、何軒かのお店に声をかけていましたが、連絡が無いまま12月を迎えました。
今年に間に合わなくても、気に入ったものとご縁があるまで気長に探そうと思っていましたら、ネットで木目込人形の伝統工芸士・新井久夫さんのページを見つけました。

私の故郷にも近い埼玉県の岩槻で人形工芸師の家に長男として生まれ、父親の仕事場で遊びながら育ち、小学生から人形を作っていたそうです。ブログからは仕事熱心で誠実なお人柄がうかがわれます。こんな方なら安心してご相談が出来そうだと思い、メールでお問合せをすると、すぐにお返事を頂けました。
定番とは違う物を作るのは、余計な手間がかかって大変かと思いますが、ホームページに掲載されたものよりも小物を細工の良いものに変えて、生地を正絹の綴れ織の帯地に変えてはどうかという嬉しいご提案に、ISAの為の天神様を、新たに制作して頂くようご依頼しました。
そして大変にお忙しい中、期日に間に合うように、仕上げてお送り下さいましたのがこの天神様です。
優しいお顔立ちで衣装も立派、大変に気に入ったものが出来ました。これから息子と過すお正月、ずっと毎年大切に飾りたいと思います。 新井さん、本当にありがとう御座いました。

木彫の天神様を床の間に飾る場合の例にならって、まずは旭日の色紙と三宝を用意しました。これからお神酒徳利やら、我が家なりの天神様の前飾りを整えていきたいと思います。
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