Look at the Dawn Sky (^^)

生きとし生けるものが幸せでありますように。

小説と嘘のお話 (雨天番外編)

2016-09-20 09:29:06 | 日記


 いよいよマラカスさん(台風16号)かやって来ます。

 我が家も直撃を免れない模様ですが、皆様も十分注意して何事もなく済みますようお祈りさせて頂きます。



 さて、雨天続きで長らく更新停止が続いているので、苦肉のお茶濁しとして恥ずかしながら「自分語り」なんぞを綴ってみましょう。



 私が子供の頃になりたかった職業は漫画家でした。

 その夢は二十代前半まで持ち続けていたのですが、特に作品を出版社に持ち込んだりする事もなく諦める事になります。

 マンガにせよ、小説にせよ、アニメにせよ、映画にせよ、自分が受け手として楽しむことは何も問題など無かったのですが、いざ自分が作ろうとなるとたちまち大きな壁にブチ当たります。

 私の場合その壁とは経験という名の壁でした。

 基本的にマンガ、小説、アニメ、映画等々は一般的に「創作」と呼ばれていますが、私見ではやはりどう取り繕ったところで「嘘の話」に他なりません。

 人の心は本質的に嘘を重荷に感じます。

 それも当然です。目の前に幾らでも転がっている自分に関心も関係も無いありのままの現実を自分の浅ましい「欲」という名の都合に合わせて一時も休みなく嘘を成立させる為の嘘を吐き続けなければならないからです。

 それは自分自身が嘘だと認めるまでは永遠に続く、あまりにも無意味で膨大な作業です。

 それでも人を楽しませる嘘ならば、始めから嘘だと分かっている創作なら良いんじゃないか……とも考えて、稚拙な作品もどきを作ったこともあります。

 そして思い知りました。

 自分は上手な嘘を自在に吐ける程、頭が良くはないのだと知りました。

 重複しますが大事な事なので二度言います。

 嘘とは事実をねじ曲げる言動です。ありのままの自然な世界そのものを、ちっぽけな自分に都合に合わせてねじ曲げ続ける壮大な作業でもあるのです。

 これは実際大変な作業ですよ。

 ひとつの嘘の世界を成立させるには、およそ今まで人類が掘り下げて来た全ての知識を憶えることは、実質不可能なれども、常に学ぶという心構えぐらいは最低必須条件になります。

 そしてその上に、或いはその下に、自分自身の身を持って何かをやり抜くという実経験が薄っぺらいと、そもそもお話になりません。

 まあ若者が分不相応な重い経験をすることは間々あっても、若者自らが重厚な経験を成し遂げることなど絶対に有り得ません。それは不可能です。

 まあこれはあくまでも自分に適用されたハードルの話であって、優れた先人による作品を相変わらず貪欲に楽しんでいた私でもあります。

 そしてマンガ家になりたいという夢から醒めて数十年。ある意味無駄にブ厚い経験だけはそれなりに積んでしまい今更取り返しのつかない私はここ最近「生ける屍達についての日記帖:Data of the living dead 」という、小説という名の大嘘を語り始めました。

 今回は私がかつてやらかした無辺の失敗という、確実な人生経験に裏付けされた嘘を堂々と晒すことろまでは成功しています(笑)。

 宜しければ御一読の程を願うものであります。


 ではでは確か二年程前に描いたイラストなんぞを眺めながら……




生きとし生けるものが幸せでありますように。


230 拝






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