残月録

残月がやがて消えていく間にも、私の日常生活の中に何か一瞬の輝きを求めて写真を撮っています.

年末年始

2020-12-31 12:24:51 | 日記
太郎を眠らせ 太郎の屋根に雪ふりつむ

次郎を眠らせ 次郎の屋根に雪ふりつむ
           三好達治



今年は中国コロナ感染のパンデミックが世相を
支配した一年でした。来年はワクチンが広範に
行き渡り中国コロナ感染が終息しないまでも、
何とか落ち着きますように願うばかりです。
正月は粛々と過ごします。



鬼滅の刃今昔物語、紅葉狩り

2020-12-19 12:03:26 | 日記
鬼滅の刃の原点は能の紅葉狩りか?

能”紅葉狩り”
「時雨を急ぐ紅葉狩り
 時雨を急ぐ紅葉狩り
 深き山路を訪ねん」

時雨により色ずくことを
急ぐ紅葉、山路を深く訪れて
早く紅葉を愛でましょう。
場所は信濃戸隠(余談:信州そばの名産地
ですな)。侍女を引き連れた、やんごとなき女性が
幕を張って紅葉狩りをします。
そこへ鹿狩りをしていた平維茂(たいらのこれもち)
が出くわします。御多分に漏れず男という者は
情けないもので宴に誘われて深酒をして
正体を失くしてしいます。気が付けば
誰もいません。
ある時、平維茂の枕元に八幡大菩薩の武内の神が
現れ、その美女は鬼神の化身であると告げ
神剣をあたえます。これが大正時代には
鬼滅の刃となるのですな。(知らんけど)
突如鬼女が現れて平維茂に襲い掛かります。
これがまた大変な修羅場で、厳上に逃げる
鬼女の頭を捕まえて引きずりおろし神剣を
刺し貫き討ち果たします。








増女(金春宗家伝来)東京国立博物館蔵、Wikipedia


鬼神面「元休打」朱書銘、東京国立博物館蔵、Wikipedia

紅葉狩り

2020-12-15 18:20:54 | 日記






小倉山峰のもみち葉心あらば

今ひとたびのみゆき待たなむ
        藤原忠平

ちはやぶる神代も聞かず竜田川

からくれなゐに水くくるとは
        在原業平

今からさかのぼることおよそ1300年前
平安時代には現代のように紅葉のスポット
はなかった。そこで野山にでて美しい
紅葉を探し求めて動物を狩るごとく
もみじを狩ったのであります。
やんごとなき御方たちは自分の足で
歩くようなことはしません。
牛車、神輿に乗って大勢の供を連れて
紅葉の下で酒などを酌み交わし
優雅に和歌を詠んだと想像されます。

蛇足
”ちはやぶる”は古典落語にもあります。
あらすじは相撲取りの竜田川が遊女の神代に
恋をしたのだがふられてしまいます。
(ちはやふる神代も聞かず竜田川)
やがて遊女の神代が落ちぶれて竜田川を
頼って来ますが”おから”さえも与えないで
追い返します。遊女神代は悲嘆のあまり哀れにも
水に身を投げてしまいます。 
おそまつな一席、お後がよろしいようで。
次回は謡いの紅葉狩りの予定です。

秋の夕暮れ

2020-12-14 15:54:53 | 日記
寂しさに
宿を立ち出でて
ながむれば 
いずくも同じ
秋の夕暮れ  良暹法師

秋の夕暮れはだれしも
メランコリックになるものですが
良暹法師(りょうせん)のように京の中心の
祇園社(現、八坂神社)の別当から
晩年は大原の里に隠遁した身であれば
猶更と思われる。
*宿:自分の住んでいる庵