Frederiqueのキャリアアップブログ

~ 今度はCCIE取得を目指して ~

H20事例3第1問

2008-11-16 22:01:21 | 中小企業診断士
こんにちは、frederiqueです。

今年の事例Ⅲ。とっても難しかった事例Ⅰ及びⅡと比べると、第4問を除けば、問われていることはオーソドックスであったため、比較的易しいと感じました。そのせいもあってか受験校の模範解答や再現解答では、とくに「大型金型への対応」「仕上げ工の育成方法」などにおいて、解答の趣旨はほとんど同じであるように感じています。

そんな中、第1問、とくに(a)の「経営資源」については、「ノウハウ」であったり「技術」であったり、はたまた「生産能力」であったりと解答が微妙に分かれているのではないでしょうか。

第1問(配点20点)
 C社の置かれている経営環境の中で、有効に活用できる「経営資源」を(a)欄に20字以内で1つあげ、それを生かした経営戦略を(b)欄に具体的に80字以内で述べよ。

まず、(a)として記述すべき「経営資源」について考えてみます。

経営資源としては一般的に、「ヒト・モノ・カネ・情報的資源」があげられます。ここで情報的資源とは、「ノウハウ、技術、信用、ブランド」等であることを念のため補足しておきます。

さて、20字以内という短い文字数でC社の有効に活用できる「経営資源」を指摘するとすれば、数多くあげるわけにもいかず、指摘できるのはせいぜい1~2つですので、優先順位の高い「経営資源」に絞って指摘することになります。

C社にとって最も優先順位の高い「経営資源」とは何でしょうか?

自分は「生産性の高い金型を製作するノウハウ」ではないかと考えています。

理由を以下に述べてみます。

C社はこれまで、金型業界でトップ集団の1社として評価されており、H19年まで業績好調であったとされています。C社の好調な業績を支えてきた競争優位は何であったのでしょうか?

『経営学入門(第3版)』(伊丹、加護野、P70)によると、競争優位とは2つのレベルに分類することができ、ひとつめは顧客との接点での競争、すなわち顧客に対してどのようなサービスを提供するのか?という点での競争優位であり、ふたつめとしてサービスを顧客に届ける接点までのシステムの競争、つまり社内の業務の流れ(ビジネスシステム)であるとされています。

整理すると、

①サービス面での優位性
②上記①を支えるビジネスシステムの優位性

ということになります。

本事例にあてはめて考えてみると、C社は顧客へのサービス面として、コスト低減等の顧客の生産性向上に資する提案が得意であり、これが競争優位であったと言えそうです。

また、与件にはC社は生産性向上提案を行うため「豊富なノウハウを駆使し」とあり、これがサービス面の優位性を支えているビジネスシステムの優位性の1つであると指摘できると思います。

与件には、C社のビジネスシステムを支えている優位性として、他にも生産規模と技術水準の高さがあげられていますが、生産規模や技術が資金で買えるものである、つまり、競合が模倣しやすいものであるのに対し、ノウハウは獲得に時間がかかる、もしくは獲得することができないため、C社の持つ優位性としては非常に優先順位の高いものであると指摘できると思います。

つまり、C社は「経営資源」としてノウハウ、生産規模(を支える設備)、技術、を持っていますが、(a)で指摘すべきC社の競争優位を支える最も重要な「経営資源」は「ノウハウ」ではないでしょうか。

また、(b)の経営戦略としては、C社はこれまで参入していた市場の縮小という厳しい環境にある一方で、「金型を用いた生産性向上提案が行えるビジネスシステム」が優位性を持つため、この優位性を活かして売上げを維持・拡大する、つまり「生産性向上提案により既存顧客の囲い込みと新規顧客開拓を進める」ことが指摘できると思います。

さらに、第2問設問1では、C社が持つビジネスシステムの優位性を生かして厳しい経営環境を乗り切るため、大型金型の生産に取り組むべきであること、また第4問では、ビジネスシステムの優位性を維持強化するため、養成に時間がかかる(競合がすぐには模倣できない)「仕上げ工」の増員が有効であることを指摘できると思います。

以上のことから今回の事例の「方向性」は、C社のもつ「ノウハウ」が競争優位を生み出す重要な「経営資源」であることを指摘した上で、C社が厳しい経営環境を乗り切るため、優位性あるビジネスシステムを活かして新規顧客開拓と大型金型の生産を進める。さらに、ビジネスシステムの優位性を高めるため仕上げ工の増員を図る、という「方向性」になるのではないかと考えています。

80分ではなかなかここまで整理できませんでしたけど。。。


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