blueな日々

( Art で逢いましょう)

ひとたち

2010年08月10日 | 友人(人々)

薬局で、体質を改善させる飲み薬が準備されるのを待っていた。
背が高く色白な横顔の高齢の男性が,私の前をよろめきながら
歩いてゆく。薬を受け取り自宅にもどるところだろうか。その
あぶない足どりを心配していたら,薬局の外に置かれた傘立て
に何故か杖があって、老人が手に取ろうとしていた。昔かたぎ
の彼にとって、薬局の中は特別な空間で,杖をついて入るべき
ではないとでも考えていたのだろうか。やさしそうな横顔には
気品もあって、たぶん私たちが見習うことも多い人なんだろう。
窓越しに私は彼を見ていた。一歩が10cmほどの足どりで。前後
と左右に揺れながら。老人はゆっくりと街の中に消えていった。
昨日。8月9日。月曜日のことである。

この春には,この薬局で,今、はやりらしいカメラ女子を見た。
見た目は専門学生風で,どこか具合が悪いのだろう。なにかの
薬を受け取って代金を支払っていた。肩からは,古い一眼レフ
カメラを下げていた。ブラックボディのたぶんコニカのAcom-1。
私は薬局を出て、次の心療内科の受診へ。商店街を抜けバス停
3つぶんほど歩こうかと。すると目の前を、そのカメラ女子が
歩いていた。驚いたことに,彼女は歩きながら煙草をくわえて
いたこと。煙をなびかせながら。彼女は商店街のコンビニの前
に設置されていた灰皿で煙草をもみ消して,すぐにまた新しい
煙草に、百円ライターで火をつける。私にはこれも驚きだった。
若い女性が、路上でチェーンスモーキーの実演を見せてくれた。
実話である。私はその日,上着の胸のポケットにいつものよう
にデジカメをひそませていた。こっそり彼女とブラックボディ
のかっこいい一眼レフカメラを撮影できればよかったのに。
この街には、カメラ女子たちのグループがあるらしい。
いつか夕方の地元のニュースが伝えていた。




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