コニカが、まだ小西六写真工業と称していた1950年代ころに発売された、
距離計連動式のマニュアルカメラ「Konica Ⅰ,Ⅱ,Ⅲ」~同社の最初期の
35mmカメラのシリーズ機種.Ⅰ型から順に沈胴式をレンズの廃したり、
巻き上げとチャージの別動作を同時に行えるように改良を加えたりして、
長年作りつづけられたらしい.この個体はⅢ型の初代機.後に付け加え
られる露出計~ライトバリュー目盛りの機能はない.その分シンプルで、
私は個人的には使いやすい.昨年の秋ころにオークションで送料を加え
2000円ほどで入手.動作未確認のジャンク扱い.いつもよりやや割高
な買いものだった.だが私の予想通りに、動作品だった.発売当時から
名機と評判の今では伝説扱い?の相当に優れた希少なカメラなのである.
純正のケースやフィルターやキャップも付属.レンズもファインダーの
内部もクリアで全体的にいい状態を保っている.大事に使われ保管され
てきた印象.機能にはまったく問題はなかった.すぐにでも撮影ができ
そうなほど.しかしわずかに絞りに粘りが.ひと晩置いておいただけで、
シャッターを切ってもすぐには反応しない状態.2度3度と切ればよう
やく目をさまして絞りが開く.以後はなんの異常もなく任意の大きさの
絞りの状態で動作するように.たとえばフィルムを装填して、その日の
うちに全カットの撮影を終えてしまえば、なんの不都合もない.そんな
ごくわずかな不具合だけの個体.簡単なメンテナンスだけで改善できる
はずなのだが、アマチュアの私にはその程度のスキルもないので、当分
はこのままで使いつづけるつもり.手にすることができてうれしい….
Konica Ⅲ
●形式:35mm二重像合致機種 ●画面サイズ:24×36mm
●画面角度:対角線48.5°/長辺41°/短辺28°
●レンズ:Hexanon 48mm/f2(改良アンバーコーテッド)
●絞り:2~22 ●シャッター:Seiko MXL
●シャッター速度:B.1=1/500秒、ライトバリュー目盛り付き
●ファインダー:ブライトフレーム 補色連動距離計 倍率0.7倍
●フィルム巻き上げ:フロント式セルフコッキングレバーによる
●フィルムカウンター:自動復元順算式
●フィルム巻き戻し:クランク式
●当時価格:34500円 ●発売:1957年
*第二次世界大戦後から製造されたコニカの、このシリーズ機種は
堅牢なボディとヘキサノンレンズの魅力で人気のカメラだったが、
コニカⅢはその中でも、セルフコッキングや二重露出防止やアル
バタ式のブライトフレームの採用などで、それまでの機能を一新
してさらに人気を高めたモデル.またこのカメラは日本で最初の
フロントレバー式の巻き上げ機構を採用している.特にブライト
フレームファインダーは補色距離計となっていて、二重像は完全
な補色の黄色と紫の像で見えるので像のズレがよくわかり、また
合致した時には自然光になるのでとても見やすいと評判になった.
(ネット上の機種の仕様などの記事を転載してリライト)
………
精密に状態を確認していたら、わずかにファインダーの内部が汚れて
いたので、トップカバーを分解して内部を清掃したことを忘れていた.
事前にネットで分解が簡単なことを調べていた.このブログに掲載を
していた、分解時の写真を見て思い出した.そう前のことではないの
に失念していたとは、なんと恥ずかしいことか.これが私の現状だが.