blueな日々

( Art で逢いましょう)

少年がいたころ

2009年09月26日 | 09~春
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川原に少年がいた。私は散歩をしながら、古いカメラで,
自宅近くの風景などを撮影していた。半年前の冬のある
日の夕暮れどき。愛犬との散歩の途中にて。

少年が持っているカメラは、たぶんオリンパスのペンだ。
すれ違う時にわかった。写真が好きな子なのか。仲間に
出会えたような、あるいは、若いころの自分の姿を思い
出したような。天使がこころをくすぐったのか。おもは
ゆい感じが。彼は私を撮らなかったが、私は彼をファイ
ンダーの中に。シャッターを気持ちよく押した。

半年がたって、フィルムを現像に。写真を見て、少年を
思い出した。私が首から下げていたカメラは、キャノン
のレンジファインダー機。かなり古いカメラ。話をする
ことがあれば、カメラのことをいろいろと教えてやれた
かもしれない。と今はそう思うが、彼の時間を邪魔する
わけにはいかなかったのだ。少年は、川面に映る、自分
の姿を写そうとしていたのかもしれない。老いやすくも
ある頃だから。哲学的だったのかも。他人は必要なく。

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そのフィルムには、こんな写真もあった。たぶん若い頃
の私自身が描いた絵。成長に不可欠な,さまざまな思索
をしながら、といった作品のように思える。夕暮れどき
の川原に立つ少年のように、カメラが、絵筆に変わった
だけで、私もある意味、その冬は哲学者だったのかも。




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