ベランダから身を乗り出して、不安定な姿勢で撮影を。
どうにか一枚だけ、左下に（部分）日食が撮れていた。
あわててもいたのだ。太陽が欠けはじめる、その日の
昼前のその時間。私は忘れて居眠りをしていたような。
思い出して、急いでカメラを手に。だがすぐに珍しい
天体ショーは終わった。見上げていた空は、ふたたび、
いつものように。空高く、太陽が、丸く輝いていた。
南の島では、あいにくの荒れた天気。多くのツアー客
たちは残念なようすで。皆既日食が見えないのだから。
だがその時、昼間にかかわらず、空では、月が太陽を
隠して、島は数分間だけ、真っ暗になった。ニュース
を見ていて、ひどく感動した私である。
空を見ていたら、天文学関連の書物を～太陽系の話や、
あるいは、宇宙を舞台にした、ハードなSF作品などを、
私は読みたくなった。たとえば、カール・セイガンの
有名な一連の著作や、なつかしいオールドベストSFを、
いくつか再読してもいいと思った。
そしてもちろん、人類がこの先、はたしてどうなって
しまうのかも、考える私。太陽系も永遠ではないので。